『妖魔夜行』(ようまやこう、英 THE DAMNED STALKERS)は、日本のライトノベル。1991年から2000年にかけてグループSNE所属の小説家を中心に複数の作家によって書かれ、角川スニーカー文庫より発刊された(『まぼろし模型』のみ角川mini文庫で発刊)。現代の日本で生活する妖怪たちとそれに関わる人間をテーマとしており、基本ジャンルはホラーとしているが、執筆者によっては作風が異なる。(挿絵は青木邦夫)2011年に山本弘による新作が発表され、妖魔夜行シリーズが復活した。背景世界を共有するテーブルトークRPG(TRPG) 『ガープス』用のルールブックはグループSNEによって製作され、1994年に文庫タイプの角川スニーカー・G文庫で発行。サプリメントやリプレイ集なども発行された。後に妖魔夜行の続編として登場した「百鬼夜翔」の『ガープス』用ルールブックもグループSNEによって製作され、2002年に大型本タイプ(富士見書房)で発行。「百鬼夜翔」シリーズの小説は2000年から2005年まで発行され、リプレイは2002年から2004年まで発行された。元々、ガープスのスーパーヒーロー用サプリメント『GURPS Supers』 ISBN 1-55634-493-7 を翻訳する際に日本向けの世界設定として作られたものである。小説は現代の日本(特に東京)を舞台に、基本設定、登場キャラクター、作品間の時間軸を共有する小説群シェアード・ワールド・ノベルズとして、山本弘、友野詳、高井信、水野良、柘植めぐみ、清松みゆき、下村家恵子、西奥隆起、伏見健二、北沢慶など多くの作者によって書かれた。同様のグループSNEのシェアード・ワールド・ノベルズとしてはソード・ワールドノベルが存在する。大半のエピソードでは、渋谷の一角にある妖怪たちが集うバー「うさぎの穴」に出入りする(「ネットワーク」に所属する)妖怪が主人公で、妖怪が原因となった事件を解決していく。執筆者が多彩なこともあり、各エピソードの内容は、ホラーからアクション、パロディ、人間ドラマ、SFなど多岐にわたる。書き下ろし作品が多いが、一部『コンプRPG』誌に掲載されていたものもある。2000年発売の「戦慄のミレニアム」で発生した大事件によってシリーズはいったん終了し、続編シリーズである百鬼夜翔(ひゃっきやしょう)が開始された。(挿絵はあるまじろう)作家の乙一は自身の作品「GOTH リストカット事件」のあとがきで「GOTH リストカット事件は妖魔夜行作品を目指して作ったものである」と書いている。本シリーズにおける妖怪とは人間の“想い”(恐怖、愛情、憧れ等)が生命エネルギーに形を与えることによって生まれた生命体で、基本的に寿命を持たず、一度死んでも人間の“想い”さえあればいつかまた蘇る存在である。そのため、はるか昔に誕生した伝統的な妖怪や付喪神(個人的に強い愛情を持たれた器物に魂が宿った存在)、近年になって都市伝説の中から生まれた妖怪(例:エイズ・メアリー、隙間女等)などの他、実在を信じられた架空の人物(例:シャーロック・ホームズ、ターザン等)や特撮番組のヒーロー等も妖怪として扱われており、果ては神話や宗教の神に至るまで人間の思いから生まれた強大な妖怪に過ぎないとしている。妖怪は人間に比べて身体的に頑丈であり、怪力や飛行能力・変身能力などの「妖力」や、火炎・電撃・天候等の事象を操作するなどの「妖術」を身に着けた、人間を超越した存在として描かれるが、精神的には人間とそれほど変わらない。むしろその長寿さや生い立ちゆえからか、精神的な成長/変化は人間に比べてはるかに困難である。その妖怪に似合った能力(狸や狐の「変化」など)を生まれながらに獲得している。また、同種族の妖怪同士で社会を形成して妖怪の親から産まれた二代目以降の妖怪や、人間と妖怪の間に生まれたハーフ、先祖が妖怪であったために人間から妖怪として覚醒してしまった者(隔世遺伝による、いわゆる「先祖返り」)も存在する。また、稀に人間でありながら「妖力」や「妖術」を僅かながら身に着けていたり、妖怪を使役する例もある(妖怪の血を引いている可能性もあるが)。妖怪によっては「弱点」が存在する。その多くは妖怪が苦手とする、と信じられているもの(吸血鬼なら陽光や十字架やニンニク、うわばみなら煙草のヤニなど)であり、これらによって死んだ者は甦る事ができない場合もある。妖怪たちは現代社会に適応する為、「ネットワーク」と呼ばれる一種の共同体を形成し、互いに情報交換を行なったり、援助しあっている。全世界に存在するが、作中に頻繁に登場するのは東京にある「うさぎの穴」「海賊の名誉亭」など。ネットワークの拠点(喫茶店やバーである場合が多い)には、妖怪以外にも、妖怪と知り合いであったり、妖怪絡みの事件で助けを求める人間たちも出入りする。中には人間が代表者を勤めるネットワークも存在する。妖怪たちの多くは自主独立の気風が強い為、これらは「組織」というほどの大規模かつ強力なものではなく、ネットワークからの依頼などにも基本的に強制力はない。ネットワークの拠点は、妖怪が張った「人払い」の結界によって無関係の人間などは出入りできない「隠れ里」と呼ばれる場所に存在する場合もある。「うさぎの穴」もこれに該当し、雑居ビルの「存在しない5階」にある。結界によってビルは4階建てにしか見えず、用のない人間は看板を見つけることも、エレベーターの「5」のボタンを見る事もできない。人間に敵対的な妖怪によるネットワークも存在するが、プレイヤー側が所属するネットワークと違って強力なリーダーによって末端まで支配された大規模なネットワークも多く、いわばヒーローものの敵組織に相当する。作中でもいくつかのエピソードでの事件は、彼らの陰謀によるものである。「人間に敵対的」といっても、妖怪は人間の「思い」なしでは存在し得ないため、「自分達に不都合な人間を容赦なく殺す」ことはあっても「人間を完全に根絶する」ことを企むネットワークはまずない(殆ど滅ぼす目的があっても、必ず自分達に好都合な一部の人間は何らかの形で残す。また、自分の存在に人間が不可欠と知らない妖怪や自分も滅びたがっている妖怪が個人的に人間絶滅を企むことはある)。同一世界を舞台にした両シリーズだが、以下のような違いが挙げられる。2011年に山本弘による新作小説が発表され、妖魔夜行シリーズが復活した。基本的な世界観や設定などは旧シリーズと共通だが、旧シリーズとは完全に別の作品となっており、旧シリーズのキャラクターやネットワークは一切登場しない。また物語開始時の時代設定が2011年現在となっており、劇中の固有名詞や用語、物品、テクノロジー、小ネタなども2011年現在の時点に合わせたものとなっている。その他、妖怪が死んだ後に残る「奇骸(あやがら)」と呼ばれる物を自ら望んだ者が取り込めば、生粋の人間であっても後天的に妖怪になることができるという設定が追加された。
出典:wikipedia
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