セイタカアワダチソウ(背高泡立草、学名:"Solidago canadensis" var. "scabra" または "Solidago altissima")は、キク科アキノキリンソウ属の多年草である。日本では代萩とも呼ばれ、次節の概要にある通り、切り花用の観賞植物としてハギ(萩)の代用として用いられ、同様に茎を乾燥したものは萩の代用としてすだれなどの材料に利用される。北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。河原や空き地などに群生し、高さは1 - 2.5m、良く肥えた土地では3.5 - 4.5m程度にもなる。茎は、下の方ではほとんど枝分かれがなく、先の方で花を付ける枝を多数出す。花期は秋で、濃黄色の小さな花を多く付ける。種子だけでなく地下茎でも増える。アレロパシーを有する(後述)。日本における分布状況は北海道の一部から沖縄までとなっており、一部調査で北限の変化が確認されたことから、繁殖域が北上している可能性がある。同時期(次節参照)に増えた帰化植物のブタクサと時折間違われ、花粉症の原因だと言われるが、別の植物である。英語でカナディアンゴールデンロッドと言う。アキノキリンソウ属の植物を総称してゴールデンロッドと呼ばれるが、セイタカアワダチソウは他のゴールデンロッドよりも遥かに繁殖しているので、単にゴールデンロッドと言うとセイタカアワダチソウを指すことが多い。背の高くなる多年生草本地下茎を伸ばして良く増え、大きな群落を作る。背は高く、1-2mに達する。葉は茎に沿って多数が密生して付き、披針形で先端は伸びて尖り、長さ6-13cm、幅1-2cm。葉脈は主脈と1対の側脈、計3本の脈が目立つ。また茎や葉の全体に短くて固い毛が多く、手触りがざらついている。花は10-11月に咲く。花序は全体としては円錐花序となり、個々の枝は小さな頭花を総状に多数つけ、そのような横枝が主軸に対して直角に近い大きな角度を成して広がる。つまり主軸が上に伸びるのに対し、多数の花をつけた横枝が水平に近い方向へ伸びる。総苞は長さ3.2-5mm、舌状花の花冠は長さ4mm。やはり帰化植物のオオアワダチソウ "S. gigantea" var. l"eiophylla" は本種に似ているが全体に毛がない。また開花はやや早くて7-9月である。同属の日本産のものにアキノキリンソウ "S. virgaure"a があり、これは変異に富む種で、複数の変異を含み、一部は別種とされることもあるが、総じて小型で背丈は大きくても80cm程度である。また花序は枝が広がらず、花数は遙かに少なく、個々の花はより大きい。日本国内への移入は、明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ、「昭和の初めには既に帰化が知られている」との記述が牧野日本植物図鑑にある。その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後で、アメリカ軍の輸入物資に付いていた種子によるもの等が拡大起因とされており、昭和40年代以降には全国、北海道では比較的少ないが関東以西から九州にて特に大繁殖するようになった。沖縄県へも侵入しているが、沖縄本島や久米島などの一部地域で小規模な繁茂に留まっている。外来生物法により要注意外来生物に指定されているほか、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。昭和40年代の繁殖状況は、アレロパシー(後述)効果でススキ等その土地に繁殖していた植物を駆逐し、モグラやネズミが長年生息している領域で肥料となる成分(主として糞尿や死体由来の成分)が多量蓄積していた地下約50cmの深さまで根を伸ばす生態であったので、そこにある養分を多量に取り込んだ結果背が高くなり、平屋の民家が押しつぶされそうに見えるほどの勢いがあった。しかし、平成に入る頃には、その領域に生息していたモグラやネズミが駆除されてきたことによって希少化し土壌に肥料成分が蓄えられなくなり、また蓄積されていた肥料成分を大方使ってしまったこと、他の植物が衰退してしまったことで自らがアレロパシー成分の影響を強く受けてしまったこと等の理由により、派手な繁殖が少なくなりつつあり、それほど背の高くないものが多くなっている。セイタカアワダチソウの勢いが衰えてきた土地にはススキなどの植物が再び勢力を取り戻しつつある。日本各地で刈取りや抜き取りなどの駆除活動が展開されている。アレロパシーを有しており、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出す。これはcis-DMEという名称で知られるが、この物質はセイタカアワダチソウ自身の成長も抑制する。一時は気管支喘息や花粉症の元凶だと考えられていたが、セイタカアワダチソウは虫媒花で風媒花ではないので、花粉の生成量は少ない上に比較的重く形状も風で飛ぶのには不適であるため、無関係と考えられている。湿地や弱アルカリ性の所を好むが、適応性が広く、かなり乾燥するところや日があまり当たらないところでも良く生える。人の手が入った空き地、休耕田や川の土手、鉄道のバラスト軌道にもよく生えている。在来の湿地性植物群落に取って代わったような場所もあり、このような場所では現在も駆除に苦労している。セイタカアワダチソウも他のアキノキリンソウ属の植物と同じく薬効があり、現地ではハーブとして使われる。花はハーブティになり、若芽をてんぷらなどにして食べられる。セイタカアワダチソウの花からとれるハチミツはゴールデンロッドハニーと呼ばれる。冬前に大量の蜜と花粉を集められる最後の機会となるので、ハチと養蜂家にとっては重要な植物だが、特有の臭いがあるので、日本ではあまり食べられない。
出典:wikipedia
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