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フォーミュラ1カー

フォーミュラ1カー (Formula One car) は、フォーミュラカーの一種でF1世界選手権の規則に沿ったレーシングカーである。フォーミュラ1カーが他のレースカテゴリと大きく異なる点は参戦する各チームが独自にマシンを作る点で、生産性やコストパフォーマンスが重視される量産車やこれをベースにするプロトタイプカーレース、共通シャーシを用いる他のフォーミュラカーレースとは全く異なる「1品モノ」ないし極めて少数が製作される車輛である。また材質はその素材の特性(重量、強度など)を第一に選択され、早くからクロモリ鋼など比較的高価な材料が使われていたが、近年は更に高コストな素材(チタン合金、カーボンファイバー (C-FRP))が多用され、高価な素材の使用に拍車がかかっていた。しかし度を過ぎた製作費の高騰から、安全性のための部材以外については制限が加えられる場合も増えている。カーボンファイバー製のモノコックが全てのチームで採用されている。カーボンファイバーは強固だが柔軟性に欠けるため、カーボンファイバーの間にアルミニウム製のハニカムを挟んでいる。レギュレーションではシャーシの材料については特に言及されていない。しかし、シャーシの各部について強度をFIAが確認する「クラッシュテスト」が毎年実施され、これをクリアするにはカーボンファイバー製以外では困難になってきていることも、カーボンファイバー製のシャーシしか存在しない一因となっている。レギュレーションでは「サバイバルセル」と表現される。シャーシは(過去のごく一部の例外を除いて)各チームが独自の物を製造し、カーボンファイバー製品の製造に必須なオートクレーブはチームが所有していることがほとんどだが、外注しているチームもある。最初期はラダーフレームといった簡素な構造にシンプルなデザインのものが多数を占めていたが、エンジンパワーやマシンの速度が向上するにつれて、ラダーフレーム → バスタブ構造 → モノコック構造というように、より動的車体剛性が高い構造に切り替わっていった。さらに、空力が追求されることで形状も複雑なものへと変化していった。シャーシの材料としては1980年代半ばまで、ほとんどアルミニウムが使用されてきたが、1980年代の大出力のターボエンジンの強大なパワーを支えることや、速度上昇によるシャーシの強度アップが求められた結果、カーボンファイバー製以外のシャーシは駆逐された。同様に、エンジンカバーなどの空力パーツやサスペンションアームなどは軽量化や強度アップの面からシャーシと同じくカーボンファイバー製のものが多数使用されている。2006年から2013年までは、エンジン(2.4L / 自然吸気式 / V8)はおよそ700から750馬力の出力で最高回転数は18,000rpmであった。2014年から1.6Lシングルターボ / V6、最高回転数15,000rpmに変更された。過去には、1.5Lツインターボ/ V6で最高出力が1,500馬力以上のものや、2005年まで使用されていた3L自然吸気 / V10で最高出力が900馬力以上・最高回転数が20,000rpm以上のものがあった。自然吸気エンジン搭載車とターボエンジン搭載車の混走やV8 - V12エンジンの混走など、バラエティに富む時代もあったが、近年はエンジン開発競争の避け開発費を削減する等の目的から、現在ではエンジンの吸気系統や排気量が統一されるとともに、各部の寸法も厳密に規定されており、2016年現在では「トークン制」を採用しエンジンのアップデートが厳しく制限されている。現在の設計では、シリンダーブロックをシャーシのストレスメンバーとして使用するためエンジン単体での応力以外も考慮されている。(ストレスマウント方式)軽量化のため、エンジンブロックはアルミニウムで製造される場合が多い。しかし、アルミニウムの強度が低いことから鉄製のシリンダーライナー(ピストンと接触する部分)を挿入することが多かった。現在では、アルミニウム表面にニカジルメッキ(ニッケル/シリコン・カーバイド)を施すことでライナーを省略することが多い。ピストンは軽量化を図るために鍛造アルミニウム合金を使用し、摩擦を低減するために極端にスカートが短い。ピストン1個当たりの重量は200g強である。高強度・軽量な性質を持つベリリウム合金が1990年代後半にマクラーレンによって使用されたとの噂もあるが、現在は使用が禁止されている。また、2000年代に入ってから、メタル・マテリアル・コンポジット(MMC)と呼ばれる複合材料が使用されたが、2006年以降使用が禁止されている。乗用車は通常3本のリング(オイルリング1本とコンプレッションリング2本)がピストン側面に装着されているが、摩擦損失低減のためにこれが2本(オイルリングとコンプレッションリングを1本ずつ)しか装着されていない。コンロッドはチタン合金を使用する。断面形状はI型やH型が一般的ではあるが、断面を中空とした中空コンロッドを使用するチームもあった。I型やH型に比べると強度が高くなる。バルブの材質はチタンが主流である。閉じる方法として金属ばねが長く用いられたが、1990年代のエンジンの高回転化の進展に伴い、圧縮空気をばねの代わりに用いたニューマチック式が現在の主流である。このニューマチック方式は、1986年にルノーが初めて採用した。金属ばねでは、回転数が上昇すると共にサージングと呼ばれる共振現象が発生し、回転数の上昇の妨げになるからである。エンジンの吸気効率や排気効率を高めるため、最初期に2本(吸気1本・排気1本)だったバルブの数は、4本(吸気2本・排気2本)が主流となった。1990年代前半、エンジンのバルブを1気筒あたり5本(吸気3本・排気2本)としたエンジンをヤマハやフェラーリが実戦に投入したが、普及することはなかった。最初期には機械式過給器(スーパーチャージャー搭載)を搭載したエンジンがあったが、燃費の悪さなどから自然吸気エンジンに取って代わられた。1950年代後半には、コヴェントリー・クライマックスがエンジン供給を開始。FPFエンジン、FWMVエンジンなどが多くのチームに供給された。しかし、1960年後半にF1から撤退してしまう。クライマックスがF1から撤退する前後に、フォード・コスワース・DFVエンジンがデビューした。当初はロータスに独占供給されていたが、すぐに大多数のチームに対して市販され、1970年代まで自然吸気エンジン(またはDFVエンジン)の独擅場であった。DFVエンジンのデビューに前後して、エンジンのストレスメンバー化が進行していった。ホンダが初めてF1に持ち込んだ設計である。従来では、後車軸付近まで伸びたモノコックにリヤサスペンションを取り付けていたが、それを直接エンジンのシリンダーブロックやギヤボックスに取り付ける方法が考案された。そうすることで、余分なモノコック構造を削減することで軽量化ができるようになった。その分、エンジンのシリンダーブロックに負担がかかることになったので、シリンダーブロックの強度がより求められるようになった。1977年には、この自然吸気エンジンの流れに逆らうようにルノーF1がターボエンジン(ターボチャージャー搭載)を携えて参戦を開始した。参戦初期はトラブルが多発し、黄色の車体とエンジンブローの様子から「イエローティーポット」と揶揄されたが、1979年に初優勝を獲得する。これ以降、ターボエンジンの優位性に気づいた他チームがこぞってターボエンジンを開発する(フェラーリ:1980年、BMW:1981年、ポルシェ:1981年、ホンダ:1983年など)。1980年代後半にはほとんどのマシンで搭載されていた。排気量1.5Lから1,000馬力(エンジンによっては1,500馬力)をオーバーする出力を持つものもあったが、1988年いっぱいでターボエンジンは一旦は禁止される。1989年以降は自然吸気エンジンのみに限られる。排気量は3.5L以下であった。シリンダー配置には、シャーシとのマッチングを考慮したV8(フォード)、エンジンの出力を優先したV12(フェラーリ)、双方の中間であるV10(ルノー)が出現した。1994年サンマリノグランプリで起こったドライバーの死傷事故を受けて翌1995年からは3Lに縮小され、1996年にはV12エンジンを採用するエンジンはなくなった。1998年には、前年までV8エンジンを供給していたフォードとハートがV10エンジンに切り替えたため、F1に出走する全車がV10エンジンを搭載することとなった。2006年には、最速速度の向上、ラップタイムの短縮に歯止めをかけるため、排気量が2.4L以下で8気筒に制限された。2007年以降、資金負担の軽減を目的にエンジン開発が凍結されている。2014年からは排気量は1.6LのV6シングルターボエンジン+ハイブリッドシステムに変更される。これにより、1988年以来途絶えていたF1におけるターボエンジンが復活する事となった。エンジンの使用基数に関しては特に制限が設けられていなかったことから、トップチームの中には、予選だけにパフォーマンスや耐久性の的を絞った「予選用エンジン」を使用するチームもあった。しかし、2003年に「予選と決勝を同一エンジンで走行すること」を皮切りにエンジンの使用についての制限が設けられるようになった。2004年には1レース(フリー走行から決勝まで)を1エンジンのみが、2005年から2008年までは2レースで1台のエンジンのみが認められた。2009年から2013年まで、テストを含めた1年間に使用できるエンジンの台数がテストを含めて1チーム20台に規制されていた。(ドライバー一人あたりレース用に8台、残り4台はテスト用)2014年からはレギュレーションが変更され、2014年のみ年間5台、それ以降は年間4台となった。(しかし2015年はその年復帰したホンダのみシーズン途中から特例で2015年に限り5台使用することが許可された)燃料としてはガソリンが主流であるが、1950年代には、過給時のノックを防ぐためにメタノールを燃料として使用するチームがあった。しかし、メタノールは発熱量が小さく、燃費が悪化する(1km/L程度)欠点を持っていた。その後、1980年代後半には耐ノック性が良く比重の大きいトルエンに、ノルマルヘプタンを混合したものが使用された例もある。出力向上を目的に、かつてF1マシン専用に各チームごとに調合された燃料(添加剤などが大量に含まれたいわゆる特殊燃料)が使用された。しかし、この燃料は悪臭などを撒き散らし、ピットレーンは異様な臭いや刺激にさらされるなどした。また、環境問題が叫ばれる近年、F1においても1992年途中から、使用する燃料はガソリンスタンドで購入可能なもののみに制限されている。慣性モーメントの減少や燃料の増減による挙動変化の減少を狙い、コクピットとエンジンの間に設置される。最小容量は特に定められていないが、2010年からレース中での燃料補給は禁止され、さらに2014年から1時間当たりの燃料流量が100kgに規制されていることから、容量は100~150Lと推測される。かつては、金属製タンクに燃料を入れていたが、クラッシュなどの衝撃で破損し火災につながりやすかった。それを防止するため、1970年からは簡単には破れない積層ゴムの使用が義務付けられた。さらに、導入時期は不明であるが、タンク1個当たりの容量上限を定め、タンクが破損した際の燃料漏れを抑えることとした。しかし、1978年からは燃料タンクを一つにまとめること(シングルセル化)が認められるようになった。1983年から1993年、および2010年以降はレース中の給油が禁止されているが、それ以外の年において、レース中にピットインし、給油作業を行うことは認められていた。特に1994年以降、レースの戦略を立てる上で燃料補給のタイミングや補給量の決定は重要なものとなった。ピットで給油ホースと燃料タンクを接続すると、毎秒12Lの割合で補給できた。ホースは二重構造になっており、外側のチューブから燃料が供給され、内側のチューブからタンク内の空気を排出していた。2009年から新たに搭載が可能になった、ブレーキング時のエネルギーを回収・蓄積し再利用するシステムである。レギュレーションは前進8速(2013年までは7速)と後進1速。セミオートマチックトランスミッション(クラッチ操作不要)によるパドルシフトを全チームが採用し、変速時に駆動力が抜ける時間を極限まで短くなる(シームレスシフト)ように各チームでの開発が進んでいる。なお、オートマチックトランスミッションや無段変速機(CVT)の使用はレギュレーションで禁止されている。パドルシフトが導入される以前は3ペダルの5段、6段式Hパターンのマニュアルトランスミッションが主流であったが1989年にフェラーリがF1カー初のパドルシフト車を導入後一気に広まった。1970年代まで、ギヤボックスメーカーとして有名なヒューランドからギヤボックスを購入し、そのままマシンに搭載しているチームが多数を占めていた。1970年代後半のグラウンドエフェクトの開発により、マシン後端に位置するギヤボックスがディフューザーの設計を妨げてしまうことが判明した。そのため、ギヤボックスの外装(ケーシング)をチーム独自で開発し、ギヤなどの内部部品を購入するパターンが増加した。ケーシングの材質は、アルミニウムやマグネシウムが主流であったが、軽量化の観点から、カーボンファイバーやチタンを採用するチームもある。ギヤの配列に関しては、横置き(ギヤの回転方向が車軸と同方向)と縦置き(ギヤの回転方向が車軸と直角方向)の2種類がある。1998年に車体幅の縮小がレギュレーションで実施されて以来、ギヤボックス自体の横幅を狭くすることができる縦置き配置が採用されている。ドライバーの安全確保や、強度的・空力的な観点からコックピット開口部が過度に小さくなることを防ぐために、1972年から開口部の最低寸法が定められている。ドライバーがレース用の装備で外部から助けを得ずに5秒以内にコックピットから脱出できるように規定されている。衝突時に頭が振られてコックピットの縁に強打することを防ぐため、1995年から後方部分に、1996年からは側面部分にエネルギー吸収パッドが装着されている。1994年モナコグランプリにおいて、ザウバーのカール・ヴェンドリンガーがクラッシュで頭部を強打し、一時意識不明に陥ったことが設置のきっかけである。加速・旋回・減速時に4G(重力の4倍もの力)程度の力を受け止める必要があるため、シートは各ドライバーに合わせて作られる。ドライバーが運転姿勢の状態でウレタンフォームによって型取りをする。そして、それを基にカーボンファイバーなどで製作される。軽量化のためシートは極端に薄くできているので、気温が高い場合にシート裏に耐熱性のシートを貼り付ける場合もある。また、運転中にドライバーの姿勢が変わらないように、6点式シートベルトで固定される。シートベルト装着にはメカニックの手助けが必要になるが、脱出時には容易に取り外せるようになっている。シートベルトはHANSの固定にも利用される。モノコックには2本のボルトで固定される。さらに、ドライバーをシートに固定したままマシンから引き出せるように、シート側部にはストラップが取り付けられている。1980年代後半までは、ステアリングは非常にシンプルなものであり、ボタンが数個あるだけだった。1990年代以降、コクピットにつけられていた計器やボタンなどがステアリング上に移され、チームによってはコクピット側に計器類が全くない場合もある。これは、ドライバーが操作する際にステアリングから手を離さなくて済むためや、視認性を向上させるためであると言われている。ステアリングに機能が集中していることから、非常に高価なものになっているが、機能が集中しているためにトラブルの際にはステアリング自体を交換して解決する場合もある。カーブを曲がるのみで右左折の必要がないので飛行機の操縦桿同様、握りは環状ではない。トラブルなどの際、マシンからドライバーが素早く脱出できるようにステアリングは着脱が可能となっている。通常、1つのマスターシリンダーで4輪を制動するが、F1の場合、片方の系統が壊れた時のバックアップのためにブレーキ系は2系統搭載することが義務づけられている。これを利用して、前後の制動力配分の調節を行っている。最初期はドラムブレーキが主流であったが、ドラムブレーキの構造上、熱がこもりやすいなどの問題があり、その後鋳鉄製のディスクブレーキに取って代わられ、1980年代まで主流であった。現在はカーボンファイバー製のディスクブレーキが全てのチームで使用されている。カーボンファイバー製ではあるが、モノコックなどに使われているもの(C-FRP)とは違い、C/C(炭素繊維強化炭素複合材料)という材質が使われている。その製法が複雑なこともあり、高価である。カーボンファイバー製のディスクブレーキには、摩擦係数が大きいので(0.5程度。鋳鉄製のブレーキの場合、0.2 - 0.3程度)制動距離を短縮することができ、鋳鉄ブレーキよりも軽量なので、バネ下重量を軽減できるという利点がある。また、900度程度まで耐えることができる耐熱性も有している(フルブレーキング時のブレーキの温度は800℃程度である)。欠点としては、高価な点と温度管理が難しい点、寿命が短い点である。カーボンファイバー製のディスクブレーキの寿命は約400kmとなっており、1レースごとに交換する必要がある。また、1セット(1台分)で60万円と高価なこともあり、F1以外のレースシーンではインディカー・シリーズ、ル・マンプロトタイプで使用されているだけである。温度管理に関しては、作動領域まで温度を上げないと本来の性能を発揮できず、温度が上がりすぎると急激に磨耗し、性能が低下してしまうため、ブレーキダクトの設置などといったセッティングはシビアである。磨耗が鋳鉄製ブレーキよりも早いことから、1980年代後半までコースによっては鋳鉄製ブレーキと使い分ける場合もあった。しかし、1990年代以降では一時期の例外を除いて現在はカーボンブレーキのみが使用されている。ブレーキキャリパーは、軽量化のためにアルミニウムで製作され、制動時のキャリパーのゆがみをなくすために左右一体構造として高い剛性を確保している。ブレーキの配置は大きく分けてインボード(シャーシ側にブレーキを設置し、車軸のない前輪はトルクロッドと呼ばれる部品によって車輪と結合させる)とアウトボードの2種類に分けることができる。当初はアウトボードタイプが主流であった。しかし、バネ下重量軽減のためにインボード化が進んだ。しかし、インボードタイプはブレーキと車輪に間に存在するトルクロッドに負荷がかかりやすく、ブレーキング時に捻る力によって破断してしまう可能性があった。特にレーシングカーであるF1マシンでは、極限まで軽量化されていたため、強度的にもぎりぎりのものであったという。1970年イタリアGPで発生したヨッヘン・リント死亡事故は、このロッドの破損が原因であるといわれている。また、1970年代後半からグラウンドエフェクトという考えが広まり、車体下部に設けられたディフューザーと干渉することから、インボードタイプのブレーキは空力的に邪魔となり、再びアウトボード化された。アウトボードブレーキは、ホイール内部にブレーキが設置されるために放熱性に劣る場合が多い。そのため、ブレーキの冷却には細心の注意を払う必要がある。ちなみに、ディスクブレーキの径が大きいほど放熱性に優れ、厚みが大きいほど耐熱性に優れるが、その分コストが上がる。現在は、厚み:28mm以下、直径:278mm以下に制限されている。前後ともダブルウィッシュボーン式サスペンションを全車が採用している。クラッシュ時のサスペンション部品などの飛散を防ぐため、1999年からはモノコックとサスペンションやアップライトはテザーと呼ばれるひも状のもので結ばれている。以下のようにレギュレーションでも装着が定められている。2011年からは、2009年のFIA F2選手権におけるヘンリー・サーティースの死亡事故や2010年のF1世界選手権におけるクラッシュ時のタイヤ飛散による危険性に対する懸念から、テザーの本数が増やされる予定である。1990年代に入って、空力の観点からフロントノーズを持ち上げたほうがより良い(ハイノーズ化)ということがわかり(詳細は#エアロダイナミクスの項で述べる)、各チームに広まっていった。しかし、モノコックの下部に接続されていたサスペンションのロアアームの行き場がなくなってしまった。そのため、モノコック下端から板状の部品(キール)を伸ばしてそこにロアアームを接続する方法をとった。フロントサスペンションアームの配置から、「ゼロキール(キールレス)」、「シングルキール」、「Vキール」、「ツインキール」などが存在する。現在、ゼロキールと呼ばれる、モノコック側面に(キールなどを介さず)直接サスペンションアームを取り付ける方法が主流である。また、サスペンションアームは、扁平な形状となっている。アームが気流中に露出するので、できるだけ周りの空気の流れを乱さないように細長いカバーが装着されている。また、ステアリングタイロッドをサスペンションアームのカバー内におさめるマシンもある。以前はダンパーを車体の外に露出して配置するアウトボードタイプだったが、空気流を乱し抗力を増やすなど欠点が多いとしてインボード化され、後述するがその後にスプリングもコイルスプリングからトーションスプリングに変わった。インボードタイプにも、ダンパーを作動させるロッドの配置から、ロッキングアーム形式、プッシュロッド形式、プルロッド形式に大別される。ロッキングアーム形式は1961年のロータス 21で初めて採用された。アッパーアームとダンパーを作動させるアームを共用した形式である。これが1970年代まで主流であった。しかし、グラウンドエフェクトが開発された1970年代後半から、ダウンフォースの発生量が急激に増加する。そして、ロッキングアームの欠点である、アッパーアームの歪みによるサスペンションの働きの低下が顕著になってきた。ロッキングアーム形式に変わって、サスペンションの作動に専用のロッドを使用するプッシュロッド形式とプルロッド形式が新たに採用された。ダンパーの連結されているロッドの配置方法から、分けられている。現代のF1マシンでは、床下の空力を重視するためにシャーシ側のロッドの位置が高くなるプッシュロッド形式を採用しているマシンがほとんどである。しかし1990年以降においても、低重心化や空力デザインの優先のためにプルロッドを採用するチームも少数派ながら存在する。2010年代に入ってからは「フロントはプッシュロッド、リアはプルロッド」という構成を取るマシンが増加傾向にある。1990年代には、左右の車輪から延びるロッド2本で1本のダンパーを共有するモノショックと呼ばれる形式が採用されたこともあった。これは、コーナリング中の車体のロールをなくすことによって安定したダウンフォースを発生させる意図をもって採用されたものである。しかし、採用するチームは少なく、普及することはなかった。1990年代までコイルばねが主流であったが、モノコックのスリム化や内部スペースの拡大に伴い、より小型なトーションバースプリングが現在の主流である。後述するグラウンドエフェクトの導入によって、マシンの姿勢変化によるダウンフォース発生量の変化が嫌われるようになったため、徐々にスプリングは硬くなり、ストローク量もきわめて小さくなっている。部品の抵抗を利用したフリクションダンパーもごく初期に使用されていたが、オイルの粘性を利用したオイルダンパーが主流である。ダンパーのストロークが小さいため、少しの動きで減衰力が発生するような工夫がなされている。Jダンパー、イナーシャルダンパーとも俗称され、ケンブリッジ大学のマルコム・スミス教授が1997年に発明した。ちなみに、JダンパーのJは特に意味を持っているわけではない。ダンパーという名称を持つが、見かけ上のばね上質量=イナーシャを増加させて、路面のバンプによるばね上の姿勢変化を抑制する装置である。ダンパーに外力が加わってある方向にシャフトが移動すると、そのシャフトに刻まれた溝に沿って内部のフライホイールが回転する。次に、逆方向にシャフトが動こうとすると、その回転している錘がシャフトの動きを妨げる。通常のダンパーでは、速度に比例して力が発生するが、イナーシャルダンパーでは加速度に比例して力が発生する点が大きな違いである。2005年サンマリノグランプリでマクラーレンがマクラーレン・MP4-20に搭載してデビューさせた。1980年代に各チームで開発がなされていたが、1994年に使用が禁止された。1950年代は、ワイヤースポークタイプのホイールが使用されていた。しかし、ホイールの軽量化はバネ下重量の軽減、そして運動性能の向上につながる。そのため、1960年代以来マグネシウム合金(比重がアルミニウムの約3分の2と軽量)がホイールの材料として使用される。ただし、マグネシウム合金は耐蝕性や反応性に難があるため、マンガンなどを混ぜて耐熱・耐食性を向上させたり、表面に耐熱性のある塗料を塗るなどの方法がとられている。1990年代までは鋳造のマグネシウムホイールがほとんどであったが、BBSホイール(ワシマイヤー社が製造)は、鋳造に比べて20%も軽量である鍛造のマグネシウムホイールを持ち込んだ。現在は鍛造品が主流となっている。一時期、カーボンファイバーホイールが開発されていたが、現在はコスト削減などの点でレギュレーションではホイールは均等な金属材質で作られなければならないと定められているため、使用することができなくなっている。2006年にフェラーリが248F1で採用したホイールの外側に装着するホイールカバーは、車輪が回転してもカバーは回転せず乱流を減らす効果があるという。そのため、各チームに徐々に普及していった。ホイールのスポーク部分を覆う単純な円形ではなく、タイヤの部分まで拡大されたホイールカバーもあるが、空力やタイヤ交換作業の簡略化などの関係で2010年以降レギュレーションで使用が禁止された。2010年シーズンにおいて、少しでもホイールカバーに近い効果を出すため、スポーク部分にリング状のパーツを取り付けたり、リム部分を太くするなどの工夫がみられる。F1カーのタイヤの特徴は、何タイプかの異なるタイヤセットをピットに用意しておき、レース中であっても天候変化や磨耗度合いに応じてタイヤを交換することである。雨天と好天では溝の有無で違いが顕著であり、雨量に応じて異なるパターンのタイヤを用意しており、また、路面の温度などによっても最適なタイヤは異なる。各タイヤは基本的に一度切りのレース走行を前提に設計・製造されていることから耐久性はあまりなく、トレッド面は磨耗と粘着によって急速に失われてゆくため、レース途中でのタイヤ交換がほとんどの場合、前提とされている。レースに使用されるタイヤはタイヤメーカーがそれぞれのチームへ独占的に供給しており、これらのメーカーによってチームが使用するホイールに装着され、ホイールバランサーによってバランスを整えた後に戻される。F1カーは4輪すべてのホイールの脱着が同時に迅速に行えるように設計されており、レーシングチームはその作業手順に習熟するよう訓練が重ねられる。タイヤは使用後にチームから回収され、たとえ未使用であってもホイールに一度装着されたタイヤは廃棄される。1960年代までは、トレッドパターンが刻まれたタイヤが使用されていたが、1971年以降、スリックタイヤが主流となった。その後、1998 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2008年の間のみであるが、速度低減を目的としてタイヤに4本(1998年の前輪のみ3本)の溝が掘られたグルーブドタイヤの使用が義務付けられた。通史的な全体的な傾向としては、1960年代以前は時代が古くなるほど断面が円に近く、一般車両のタイヤに近いものとなる。これはタイヤ(ホイール)を厳しく垂直に立てなくても良いことを意味し、たとえばサスペンションの設計に自由度を与えていた。1970年代以降は前述のスリックタイヤ化とともに、ロープロファイル化・ワイド化が進行し、現代に至ってはかなりの扁平タイヤである。サスペンションには常にホイールを垂直に保つことが求められるようになり、他の要素ともあいまってサスペンションは極端に堅くなっている。タイヤの軽量化は車速の向上に直結するため、タイヤメーカーではタイヤ各層の薄型化や軽量素材の開発・利用を追求している。一般車用タイヤでは縁石にぶつけたり乗り上げたりした時にもすぐにはパンクしないようにサイドウォールを強靭に作っているが、F1においては、サーキットで縁石に当てる恐れが少ないために極限まで薄く作られている。また、一般タイヤではスチールベルトを用いるところをカーボンファイバーやグラスファイバーが採用されることがある。通常のタイヤは路面と乾いた状態で接して単純な摩擦によってグリップ力を発生させるが、F1タイヤはそれに加えてタイヤのトレッド面(路面と接する部分)のゴム素材に特殊な高分子素材などを混ぜて高温で容易に半流動化するようにしておき、この粘弾性によるグリップ力の向上を利用している。2008年シーズンからは、タイヤコンパウンドの違いがはっきりとわかるように色で区別がなされている。2008年から2010年シーズンまでは、レースに持ち込んだ2種類のタイヤの内、柔らかいほうに白色のマーキングがなされていた。2011年シーズンからピレリが供給するタイヤは、サイドウォールのロゴの色によって区別できるようになっている。。バイアスタイヤとラジアルタイヤの違いは、タイヤに中心とカーカス(タイヤの表面〈コンパウンド〉の下側にある、タイヤの骨格となる部分)の繊維方向が斜め(バイアス)か直角(ラジアル)かによって分けられる。かつてはバイアスタイヤが主流であった。1977年からF1に参戦した仏ミシュラン社は、ラジアルタイヤをF1に初めて持ち込んだ。ラジアルタイヤは、その構造からタイヤ構造の強度が高かった。そのため、グリップを失う瞬間が唐突であることや、コントロールしにくいなどといわれたが、ターボエンジンによる大出力や、グラウンドエフェクトによる車高の変化を嫌う考え、変形の小ささによる発熱の少なさによって、よりやわらかいコンパウンドを採用できるようになることなどから、徐々に浸透していった。1984年からは、バイアスタイヤを供給し続けてきたグッドイヤーもラジアルタイヤに切り替えた。現在、F1ではラジアルタイヤが採用されている。フォーミュラ1カーの大半は4輪であり、前輪が操舵輪、後輪が駆動輪である。これはレギュレーションで「車輪は4つまで」、「四輪駆動(4WD)の禁止」、「四輪操舵(4WS)の禁止」と定められているためである。6輪車はタイヤの回転で発生する乱気流を減らす、四輪駆動はウェットコンディションでの走行安定性を向上させる、四輪操舵は横滑りしにくく内輪差を小さくできるというメリットがあるが、設計や空力などの面で前輪操舵、後輪駆動の方が有利であると考えられている。ダウンフォースの考えが生まれたばかりの1960年代末は、四輪駆動車が複数台参戦した。ティレル・P34は実戦投入された唯一の6輪車であり、1970年代後半には複数のチームが6輪車の開発に着手した。ベネトンは1993年日本グランプリに四輪操舵システムを搭載したB193Bを投入した。マシンにはレギュレーションに基づき最低重量と車両全体の重量配分が設定されている(2013年はドライバーを含めて642kg,前後配分292:343+自由設置分7kg,左右配分50:50)。しかし実際はそれより軽く作られるため、バラストを配置して規定を満たす。マシンは軽いほどバラストを設置する際の自由度が高くなり、レース毎に細部の重量配分を調整できるメリットがある。1960年代以前は、空気抵抗の低減が求められ、マシンは葉巻型が大半を占めた。また、ドライビングポジションを寝かすことや、シャーシのスリム化による前面投影面積の減少も図られた。ウイングといった空力パーツを使用しているチームは皆無であった。1960年代に入ると、軽量化による車重の減少やエンジンの高出力化によって、駆動輪であるリヤタイヤが簡単にホイールスピンをおこしてしまい、動力を確実に伝達することが困難になってきた。それを防ぐためには、駆動輪を路面に押し付ける力が必要となる。一番簡単な方法は、車重を増やすということである。しかし、同時に慣性力も増えてしまい加速やコーナーリング速度が落ちてしまう。そこで考えられたのが、ダウンフォースの利用である。1968年にフェラーリやロータスがウイングを実戦に投入した。このウイングは、飛行機の翼を上下逆さまにしたような形状をしている。それが各チームに急速に広がっていった。一旦ウイングの効果が明らかになると、効率をよくするため、空気流の乱れが少ない、つまりマシンから離れたどんどん高い位置に装着されるようになった。また、サスペンションの理論上明白なことだが、ウイングが発生するダウンフォースにより車体を下に押さえつけるのではなく、いわゆる「バネ下」となるサスペンションのホイールに近い側に直接ウイングを取り付け、直接ホイールを押さえつけたほうが良い。さらに、ダウンフォースによる効果が大きい高速コーナーではウイングを立て、抗力を減らしたい長い直線ではウイングを寝かす、あるいはコーナーにおいて左右で角度を変えるなどといったことも考えられ、そういった方式を実践したチームも多かった。しかし、強度に難があったりでレース中の脱落が発生するなどし、危険とFIAが判断、1969年のシーズン中には規制が入り、1970年以降現在まで「(バネ上の)車体に固定しなければならない」「走行中に可変であってはならない」という原則と、取り付け高さや最大寸法の制限がルール化されている。1970年代以後、マシンの形状は葉巻型からウエッジシェイプ型と呼ばれる車体全体で空気を上に押し上げ、ダウンフォースを得る方向に変わっていき、現代の車体前後にウイングが装着されるスタイルに落ち着いた。しかし、空気の流れの分力でもってダウンフォースを発生させることは、空気抵抗の増加にもつながった。そこで、空気抵抗を増やさずに大きなダウンフォースを発生させる方法としてグラウンドエフェクトが導入された。ダウンフォースを得るため、マシンにはウイングがどんどんつけられていった。しかしウイングはダウンフォースと同時に空気抵抗を発生させてしまう。そこでより大きなダウンフォースを効率よく発生させるためにシャーシ下の空気の流れが研究された。車体と地面の間に空気を流し、それを車体後方からスムーズに引き抜くことでダウンフォースが発生する地面効果(グラウンドエフェクト)が発見された。具体的には、車体下面をベンチュリ管形状に整形させ、車体側面にサイドスカートを設置して外部と遮断することによって車体下面を負圧にし、ダウンフォースを発生させる。1978年のロータス 79で本格的に使用され、各チームにも広まっていった。しかし、サイドスカートが路面に引っかかってダウンフォースが急に抜けたり、 ポーパシング(ダウンフォースの増減が短い時間で繰り返されることによる車体姿勢の変化)が発生したりするなどのトラブルもあり、1983年以降はフラットボトム規制(前輪後端から後輪前端までのシャーシ裏は平らであること)が導入された。さらに1995年以降は、ステップドボトム規制が導入された(シャーシ裏に段差を設けることでさらにシャーシと地面の距離を大きくすること)。1990年代からは上記の技術の熟成と、乱気流の削減によって多くダウンフォースを発生させる時代になった。また、CFDや風洞によるシミュレーションにより、マシンの形状が複雑化していくようになった。2000年代中盤にかけて、マシンには小型の空力パーツが多数取り付けられるようになり、マシンの空力的な性質が敏感になっていくこと(乱気流内を走行しているマシンの挙動が変化し、前方のマシンを追い抜くことが困難となるなど)が問題となった。そこで2009年には大幅なレギュレーション改定が行われ、空力パーツの一部禁止が行われた。規制が厳しくなる中、以下の技術や機構が開発、研究された。マシン後端下部に装着されている、後ろ上がりに傾斜した板状の部品。これにより車体底面の空気を引き抜き、ダウンフォースをより多く発生させる。2層構造にすることによって開口部を拡大したマルチディフューザー、排気を吹きつけて内部を流れる空気の量を増加させたブロウンディフューザーなど、より多くのダウンフォースを発生させる方法が試されたがいずれもレギュレーションで禁止された。前述の通り、ウェッジシェイプ型のボディは空気を上に押し上げることでダウンフォースを発生させるために採用され普及した。しかし空力が研究されるにつれ、車体の底面や後方でより多くの空気を利用できる方がより多くのダウンフォースを発生させることが出来て、そのためにはノーズの下に空気を流すことが有効であることが分かった。ティレル・019やベネトン・B191が先駆けて採用すると、1990年代後半からほとんどのコンストラクターが採用した。さらにノーズ下により広い空間を確保するために、サスペンションの位置は引き上げられノーズは薄型化していった。ウイングなどの空力的付加物は一部の例外を除き走行中に動いてはいけないことが規定されているが、各チームは抜け道を探し続け、2000年代後半から2010年代にかけて、走行中に空力的特性(ダウンフォース重視か最高速重視か)を変化させるデバイスが開発された。代表的なものには、がある。F1カーは、通常は最高速度を追求しない。レースごとに、そのコースで最速タイムを出すようなセッティングにするため、最高速度をあえて落とすことも多々ある。また、タイヤが剥き出しになっていることやウイングなどが発生する空気抵抗の多さなどから、元々最高速度の高記録は出しにくい性質の車ともいえる。レース中に記録された最高速度の中で最速の記録は、370.1km/hである(2005年イタリアGP決勝 マクラーレン・MP4-20/キミ・ライコネン)。サーキット以外の場で、あえて最高速度を狙うなら400km/hを超えることも可能である。2005年にはホンダF1(旧B・A・R)が、最高速度を競う大会(ボンネビル・スピードウェイ)に向けた走行をアメリカ合衆国カリフォルニア州モハーヴェ空港で行い、そこでホンダはB・A・R 007をF1レギュレーションに適合している範囲で改造し、最高速度415km/hを記録した。

出典:wikipedia

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