くる病(Rachitis : くるびょう、佝僂病、痀瘻病)とは、ビタミンD欠乏や代謝異常により生じる骨の石灰化障害である。典型的な病態は、乳幼児の骨格異常で、小児期の病態を「くる病」、骨端線閉鎖が完了した後の病態を「骨軟化症」と呼び区別する。語源はギリシャ語の背骨を意味する "rhakhis" に由来する。17世紀の英国で初めて報告された病気で、ビタミンD欠乏症のひとつ。見た目の変化として脊椎や四肢骨の弯曲や変形が起こる。小児では骨端部(epiphysis)成長板(growth plate)軟骨の骨化(endochondral ossification)障害を、成人では骨軟化症を引き起こし骨粗鬆症の原因となる可能性がある。ヒトだけでなくイヌ・ネコ・ネズミ・トカゲなど若年の脊椎動物でも起こりえる。カルシウムの摂取が少ない一部の発展途上国でもくる病が発生しやすい。ヨーロッパ人の白い肌は欧州の少ない日照に適応した結果であり、黄色人種や、肌の黒いインド系や黒人が日射量が少ない高緯度地域に移住した場合、乳幼児にくる病がしばしば発生する。戦前の日本では、背むしとも呼ばれていたが、現在では差別用語として新たな使用は控えられることが多い。後天的な原因としては、カルシウムまたはリン酸の摂取不足、吸収低下、代謝異常、ビタミンD効果への抵抗性により起こる可能性があるほか、1000g以下の低出生体重児や1500g以下の極小未熟児においても頻発する。また、先天的な理由の遺伝性ビタミンD依存性くる病が複数タイプ存在している。遺伝性、摂取不足以外の原因としては腎尿細管疾患、低リン酸血症、慢性代謝アシドーシス、副甲状腺機能亢進症などで、抗てんかん薬の副作用として発症する事もある。後天的要因の典型的な原因は誤った生活習慣や食習慣で、紫外線(日光)の照射不足によるビタミンD欠乏によりカルシウムの吸収が進まない事や、副甲状腺機能亢進症よるリン酸排泄量の過剰による。人体では、ビタミンDはプロビタミンD( 7-"dehydrocholesterol" )と波長290-315 nmの紫外線により体内で生合成されるため、日光に当たらない人に起きやすい。臨床症状の発症に至る場合、通常は、紫外線(日光)への暴露およびビタミンD摂取が不十分な状態が同時に起きている。従って、ビタミンD欠乏症を起こしやすい人は、とされる。日本では発生数が増加傾向である。背景として紫外線による皮膚癌発症のリスク低減や美容を目的として、過度に紫外線を避ける生活習慣が広まった事が指摘されている。つまり、妊婦がビタミンD欠乏症であると、胎児にも欠乏症が起きる。人工乳を使用せず母乳のみを利用した授乳(完全母乳栄養)、アレルギー疾患対策として不適切な除去食による摂取量不足が原因となる事例が増加している。また、未熟児を母乳だけで育てた場合にも発生しやすい。全ての年齢層で、筋肉痛、筋力低下、骨の痛みなどが起きる可能性がある。その他に、低成長、蛙腹、不穏などの症状を引き起こす。ビタミンDの投与。但し、乳幼児の場合、22,000IU/日を超える投与は危険性があると指摘されている。
出典:wikipedia
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