羽生世代(はぶせだい)とは、羽生善治と年齢が近い強豪将棋棋士を指す呼称である。羽生と同年代の強豪棋士たちを指す言葉だが、明確な定義はないため、メディアによってメンバーにはばらつきがある。一般的には羽生善治(1970年度生まれ)と同学年か1学年違いで、順位戦A級を経験した棋士を指す。村山聖と先崎学は順位戦A級は経験しているもののタイトル獲得経験がなく、羽生世代から除外されることもあるが、羽生世代が台頭してきた当初から活躍していたこともあって、羽生世代の一員とされることが多い。以上のように、各棋士が羽生世代に含まれるか否かを明確に線引きすることはできないが、一般的に羽生世代として紹介されている棋士を以下に列挙する。(生年月日順)後に「羽生世代」と呼ばれる棋士達のうち、10代から目覚ましい活躍をした羽生・村山・佐藤・森内の4人は、島朗によって「チャイルドブランド」と命名された(年上の森下卓(1966年7月10日- )も広義でチャイルドブランドの一人とされた)。「アンファン・テリブル」と呼ばれることもあった。4人のうち羽生・佐藤・森内の3人は、島が主宰する研究会「島研」で腕を磨いたメンバーであった。1980年代後半、彼らは先輩棋士達を打ち負かしていく。1988年度のNHK杯戦では、18歳の羽生が4人の名人経験者(大山康晴十五世名人、加藤一二三九段、谷川浩司名人(準決勝)、中原誠棋聖・王座(決勝))を破って優勝し、チャイルドブランドからの初の棋戦優勝者となる。1990年ごろからは、森内と先崎が全棋士参加棋戦で優勝。さらには、郷田が同一年度に谷川に3度タイトル挑戦し、うち、王位戦で最低段位記録となる四段で初タイトル。佐藤は七冠へ駆け上がる途中の羽生(当時五冠)からいったん竜王位を奪い、初のタイトル獲得を果たす。羽生を含む彼ら5名は早熟のため、A級昇級よりも優勝・タイトルが先行した。その後、村山と丸山も順位戦で昇級を重ねるなどして追随する。藤井は、B級2組(竜王戦は4組)に在籍していた1998年当時に、谷川をストレートで破って初タイトル・竜王を獲得し、一躍「羽生世代の一人」として認知されるようになる。丸山は2000年に佐藤を破って名人位を獲得する。1990年頃から現在に至るまで、タイトル棋戦やA級順位戦は、常に「羽生世代」の棋士達が主役となっており、各年度の7タイトルの過半数を占める状態が長らく続く("将棋のタイトル在位者一覧 (2)" を参照)。その結果、タイトル獲得数3期以上(九段昇段の基準の一つ)の者が6人、永世称号を持つ者が3人(羽生、佐藤、森内 = 2011年現在)もいるという、特異な世代となっている。名人戦では、1994年から現在まで毎年、彼らのうちの誰かが七番勝負に登場している。羽生対森内のカードが特筆して多く、名人戦で9回(第54、61-63、66、69-72期)対戦しており、大山康晴-升田幸三と並び名人戦の中で1番多いカードとなっている。竜王戦は創設翌年の第2期に羽生が獲得して以来、「羽生世代」の棋士が七番勝負に登場しなかったことが、ほとんどない。第17期(2004年度)で渡辺明が竜王を獲得して以降、05年に木村一基七段(当時)が挑戦した以外は、羽生世代の誰かが渡辺に挑戦する構図となっている。第26期(2013年度)で森内が竜王を奪還、渡辺の竜王10連覇を阻止した。2004年頃までは彼らより上の世代の谷川が孤軍奮闘した。彼らが30代になると、逆に、若手の前に立ち塞がる壁となる。しかし、下の世代では、2004年からは彼らより一回り以上若い渡辺が、佐藤、森内、羽生らを相手にして竜王の一冠を5連覇し、初代永世竜王の資格を獲得した。2006年には、佐藤が棋聖5連覇で永世棋聖の称号の資格を得、2007年には、森内が名人通算5期で羽生より一歩先に永世名人の資格を得る。2007年頃からは、渡辺に加え、深浦康市、久保利明、木村一基もタイトル戦の舞台に多く出場するようになった。1998年度の佐藤の名人奪取以来ずっと羽生世代の複数人がタイトル保持者だったが、2008年度棋王戦で佐藤から久保が棋王を奪取したことでタイトル保持者が羽生四冠(名人・棋聖・王座・王将)・渡辺竜王・深浦王位・久保棋王の四人となりついにそれが崩れた。そして2009年度王将戦では久保が羽生から王将を奪取し、タイトルの過半数を羽生世代以外の棋士が占めることになった。2011年度に入り、羽生二冠(棋聖・王座)が広瀬章人から王位を奪取。渡辺が羽生から王座を奪うものの、久保の持つ王将・棋王の座を、それぞれ佐藤康光と郷田真隆が奪還し、2年ぶりに羽生世代がタイトルを席巻した。(渡辺:竜王・王座、森内:名人、羽生:棋聖・王位、佐藤:王将、郷田:棋王)2012年度に入っても羽生と森内による名人戦(森内の防衛)、羽生の棋聖防衛、羽生と藤井の王位戦(羽生の防衛)、羽生の渡辺からの王座奪還、丸山による2年連続渡辺竜王への挑戦と、タイトル戦で羽生世代が席巻している状態が続いている。2013年以降もタイトル戦は「羽生世代対他の世代」「羽生世代対羽生世代」の構図となっており、該当しなかったのは2013年の棋王戦のみである(棋王渡辺明対挑戦者三浦弘行)。2014年には、羽生世代のすべての棋士が順位戦A級を経験した九段昇段者となった。色付きのマス目は獲得(奪取または防衛)。無色は挑戦または失冠。濃い色付きのマス目は永世位獲得。他の棋士との比較は"将棋のタイトル在位者一覧_(2)"を参照。羽生世代のすぐ下の世代(1973 - 1975年生まれ、歳~歳)には、羽生世代の後を追ってA級入り・タイトル獲得を果たした「ポスト羽生世代」と呼ばれる有力棋士達がいる。以下にその世代のA級経験者を挙げる。(括弧内は生年月日)屋敷伸之と深浦康市については羽生世代として紹介されることもあるが、屋敷は「羽生世代をも追いこしそうな存在」と紹介されることが多く、深浦も「自分を羽生世代とは認識していない」と述べており、羽生世代に含めないことが多い。もっとも、渡辺明は深浦を羽生世代の一人として扱う一方で、屋敷を羽生世代に含めないなど、扱いは定まっていない。なお、そのすぐ下の世代(1976年 - 1980年生まれ、歳~歳)の棋士からは、現在のところA級棋士・タイトル挑戦者・全棋士参加棋戦優勝者が現れていない。その世代の伸び悩みがしばしば指摘されるが、そのひとつの要因として、羽生世代・ポスト羽生世代の層の厚さを挙げられることがある。一方、さらに下の世代(1981年 - 生まれ、歳以下)からはタイトル獲得者を多く輩出しており、タイトル挑戦者、A級経験者、全棋士参加棋戦優勝者も多数存在している。こうした若手が、2010年代以降羽生世代を脅かす大きな存在となっている。色付きのマス目が獲得を表す。無色は挑戦または失冠。他の棋士との比較は"将棋のタイトル在位者一覧_(2)"を参照。羽生世代より少し年上の女流棋士である林葉直子・中井広恵・清水市代は「女流三強」と呼ばれた。
出典:wikipedia
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