Microsoft Windows 1.0(マイクロソフト ウインドウズ 1.0)とはマイクロソフトが1985年11月18日に発売したMS-DOS上に動作するオペレーティング環境である。IBM PCなどx86系のPCはもともとDOSやBASICなどのようにキャラクタユーザインターフェース (CUI) のOSを採用していたが、1984年に登場したAppleのMacintoshではOSが当初からグラフィカルユーザインターフェース (GUI) を備えていた。そのような中、マイクロソフトはMS-DOSにGUI環境を追加するアドオンの開発を1983年から進めており、1985年にリリースした。これがWindows 1.0である。動作には別途MS-DOS(日本語版では Ver. 3.1以上)が必要であり、この制限はWindows 3.xまで続いた。テレビコマーシャルではスティーブ・バルマーが熱狂的にWindows 1.0を宣伝し大きな印象を与えた。しかしIntel 80286で搭載されたプロテクトモードには対応していなかったために、メモリ利用の上限サイズが640KBになっている。またウィンドウがタイル表示だったこともあり、結果として米国での発売発表当時(1983年)の騒ぎとは逆に、発売後の評判はあまり思わしくなかった。日本ではMS-DOS Ver. 3.1と共にバンドルOSとしてNEC製パソコンPC-9801VX4/WNに採用され、1986年12月に発売された。1987年にマイクロソフトのロゴが変更されたため、起動画面のマイクロソフトのロゴがバージョン1.03までは旧ロゴ、バージョン1.04以降は新ロゴとなっている。Windows 1.0 - 2.xはリアルモード用のアプリケーションしか動かせないため、リアルモードのサポートされたWindows 3.0までは一応の(メモリ管理上の)互換性は保たれたものの、Windows 3.0以降でプロテクトモードアプリケーションが主流になる頃には事実上の製品寿命を終えていた。しかし当時のマイクロソフトでは明確なサポート期限という概念が存在せず、製品寿命を過ぎてフェードアウトした製品についてはサポートもうやむやになっているような状況だった。しかし企業向けの売り込みでWindows 95からの置き換えに成功したWindows 2000の登場が転機となり、サポート期間に対する問い合わせが相次いだことから、後付けでサポート期限が設けられた。その結果、この時点で事実上の製品寿命を迎えていたWindows 95以前の製品について一律に2001年12月31日にサポートが打ち切られ、Windows 1.0も16年に及ぶ歴史に正式な幕引きが行われた。スタイルは現行Windows製品の原型となったWindows 95や、その前身であるWindows 3.1とは大きく異なっている。擬似マルチタスクオペレーティング環境で、各ウィンドウはタイル状に展開され、後年のように「ウィンドウを重ね合わせて利用する」ということができず不評であった。ただしコントロールパネルの個々の設定項目などのようにダイアログボックス程度の小さなウィンドウであれば重ねて表示されることもあった。ちなみにタイル状のウインドウについては、当時のハードウェア的な制約によるものという説がある(Windows 1.0が動作する最低限の環境では仕組みが重荷すぎる)が、開発者は「重なったウインドウは複雑なので、ユーザーインターフェースの観点からあえてそうした」と主張している。。個々のウィンドウはタイル表示のほかに最大化や最小化(アイコン化)も可能である。この意味ではアプリケーションにはアイコンが存在するが、あくまでタスクアイコンであり、後述のようにファイルとしてのアイコンは無い。アプリケーションのウィンドウは最大化しない限りは常に下部に隙間を残す形になり、デスクトップの一部が見えている状態になる。Windows 3.x以前のデスクトップは基本的にタスクアイコンの置き場であり、このデスクトップ下部領域はちょうどタスクバーの役割があった。特にWindows 1.0のデスクトップは2.0-3.xのデスクトップとは異なり、下部領域はウィンドウの表示領域とは機能的に独立しており、より95以降のタスクバーに近いものだった。ウィンドウ表示領域は常に何らかのウィンドウが占拠しており、意図的にすべてのウィンドウをタスクアイコン化しない限りはデスクトップ背景が見えることが無い。このデスクトップ背景にタスクアイコンをドラッグすればそのタスクのウィンドウが開くため、下部領域以外のデスクトップにアイコンを置くことはできない。既に何らかのウィンドウが占拠していた場合は既存のウィンドウとの分割表示(タイル表示)になる。このときタスクアイコンをドロップした位置によってウィンドウが縦に分割されるか横に分割されるかが決まる。ウィンドウは上部にタイトルバーやメニューバーを備えており、これらはその後のWindowsと同様である。この頃から既にタイトルバーの左端の四角い部分(95以降では小さなアイコンが表示される個所)にもプルダウンメニューを備えており、そこをダブルクリックすることでウィンドウを閉じる機能も、この頃から搭載されている。しかしウィンドウには後のような太いウィンドウ枠は存在せず、ウィンドウ枠を直接ドラッグすることはできなかった。ウィンドウ間の境界位置を変更するにはタイトルバーの右端にある四角いボタンのようなものをドラッグする必要があった。このボタンはダブルクリックでウィンドウをフルスクリーン(最大化)にする機能もあった。タイトルバーの右端のボタンはこれ1つだけであり、後のようにウィンドウを閉じたり最小化したりするボタンは無い。それらの操作はタイトルバーの左端のプルダウンメニューから行う必要があった。マウスの操作は当時のMacintoshに近いものだった。例えばプルダウンメニューを出してもマウスのボタンを離すと消えてしまうため、クリックしたまま移動(ドラッグ)させることで目的の選択肢を選び、ボタンを離すことで決定する必要があった。この操作方法はその後のWindowsでも一応可能である。Windows 1.0から2.xまで使われたシェルプログラムが、MS-DOSウィンドウ (MS-DOS Executive) である。日本語版では「MS-DOS ウィンドウ」という名称だが、紛らわしいことにDOS窓とは別物であり、あくまで後のファイルマネージャやエクスプローラに相当するユーザーインターフェースである。ただし表示される情報はMS-DOSのDIRコマンドの表示と大差なく、ドライブ名(アイコン)とボリュームラベル、カレントディレクトリのパスおよび、ファイル名が羅列されるだけのものだった。すなわちファイルにはアイコンが用意されておらず、ファイル名を直接ダブルクリックすることでプログラム(データファイルの場合は関連付けられたプログラム)が起動する。要するにMS-DOSにおけるコマンド入力の一部をマウス操作でも可能にした程度のものだった。なおメニューバーからはファイルやディレクトリ、ディスク関連の操作メニューがいくつか用意されているが、ファイルはドラッグすることができず、複雑なファイル操作にはキーボード入力が必要だった。MS-DOSウィンドウの表示形式には、ファイル名だけの「ショート」と、タイムスタンプやファイルサイズの情報を含む「ロング」があり、前者はDIRコマンドで言うところの「/W」オプションでの表示に近い。これらは後のファイルマネージャの表示メニューで言うところの「名前のみ」と「すべての情報」に、エクスプローラの表示メニューでは「一覧」と「詳細」に、それぞれ相当する表示形式である。表示順は「名前」、「日付」、「サイズ」、「拡張子」でソート可能なほか、プログラムファイルのみの表示や、ワイルドカードによる指定ファイルのみを表示することもできた。ディレクトリツリーを表示する機能は無いものの、複数のMS-DOSウィンドウを同時に立ち上げることができ、異なるドライブやディレクトリを同時に参照することができた。新しいウィンドウを立ち上げる実行ファイルは「MSDOS.EXE」で、名称こそEXE形式だが、バイナリはRET命令のみの1バイトというCOMファイル相当でしかなく、MS-DOSウィンドウが呼び出されるショートカットのような存在だった。これはWindows 2.xでも同様になっている。MS-DOSウィンドウはシェルであるため自動で立ち上がり、すべてのMS-DOSウィンドウを閉じればWindowsも終了する。当時から搭載されていた主なアクセサリやツール類には以下のようなものがある。FD運用の場合にデスクトップアプリケーションディスクに含まれるプログラムを主として挙げる。実行前にはショートカットのようなタイトル名は表示されていないため、実行するファイル名を示した。括弧内はタイトルバーでのタイトル。以下のほか画面ハードコピーを行う「WHCOPY.EXE」がWindowsのシステムディスク側にあった。
出典:wikipedia
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