『アンデルセン童話 にんぎょ姫』(アンデルセンどうわ にんぎょひめ 英文タイトル:"The Little Mermaid")は、日本のアニメーション映画作品である。製作は東映動画(現・東映アニメーション)。カラー。ワイド。68分。ハンス・クリスチャン・アンデルセンの没後100年を記念した追悼作品として、彼の代表作『人魚姫』を題材に製作され、1975年3月21日公開の『春の東映まんがまつり』にて上映された。アンデルセン原作の東映アニメ映画は、1968年3月公開の『アンデルセン物語』以来だが、『アンデルセン物語』は話の中にアンデルセン童話を挿入する形式であったため、単一原作作品としては本作が史上初である。アニメ映画化するにあたり、原作では名前が無い「人魚姫」と「王子」にそれぞれ「マリーナ」と「フィヨルド」と名付け、アニメオリジナルキャラクターとしてイルカのフリッツを加えた。またデンマークでロケを行い、その実写映像を物語導入部の演出に用いた。マリーナ役の声優には女優の樫山文枝を、フィヨルド役の声優には俳優の志垣太郎を起用した。またフリッツ役の声優には、1958年10月公開の東映アニメ映画第1作『白蛇伝』以来の声優起用となる宮城まり子を、マリーナの姉役の声優には、『人魚姫』をモチーフにした東映動画のテレビアニメ『魔法のマコちゃん』の主演声優である杉山佳寿子を起用した。作品公開前年の1974年に東映動画社長が登石雋一から今田智憲に交代したことで、本作の製作名に今田の名が初クレジットされた。以後、今田は1993年に同社会長に就任するまでの間、多数の東映動画劇場作品に関わった。文部省推薦作品および沖縄海洋博協賛作品である。海の生き物たちが平和に暮らす海の楽園・海底王国。五人の姉を持つ人魚の姫マリーナは姉妹の中で最も好奇心が強く、王国で一番の美しい歌声を持っていた。彼女は親友のイルカ・フリッツと遊んでいる最中に、美しい人間の王子フィヨルドと出会う。嵐に襲われて海に投げ出された王子を救って以来、彼のことをどうしても忘れられないマリーナは、人間に姿を変えて彼の元へ行こうと決意する。しかし、彼女には哀しい運命が待ち受けていた。2011年11月21日発売のDVDソフト『復刻!東映まんがまつり 1975年春』に収録された。これが本作初の映像ソフト化である。
出典:wikipedia