radiko(ラジコ)は、2010年4月よりサービス開始したIPサイマルラジオサービス、radiko.jp(ラジコ ドット ジェイピー)の略称・愛称。および同サービスの運営会社、株式会社radiko("radiko Co., Ltd.")である。「radiko.jp」は、日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信(ライブストリーミング)する、IPサイマルラジオ(Internet Protocol simulcast radio)サービスである。このサービスが開始された背景としては、などラジオ業界が抱える諸問題が挙げられる。その対応・打開策として、インターネットのIP通信を利用し、地上波ラジオ放送と原則同じ内容をサイマル配信するサービスが考案された。「IPサイマルラジオ協議会」として2010年3月15日から実用化試験配信を行い、翌12月1日、在京・在阪民間放送局と電通の計14社で「株式会社radiko」を設立し本格運用を開始した。開始当初は在京・在阪の一部局のみが参加していたが徐々に増加、2012年4月にはラジオNIKKEI・放送大学が全国配信を開始し、聴取エリアが全都道府県に拡大。都道府県域のローカル配信は、2016年9月29日時点で44の都道府県を対象に81局が行っている(以下「基本サービス」と記す)。基本サービスは、ラジオ放送の広告形態の問題から、地域制限がかけられているが、2014年4月からは多くのローカル局のエリア制限を撤廃し全国で聴取可能とする有料サービス「radiko.jp プレミアム(エリアフリー聴取)」も開始(以下「radikoプレミアム」と記す)、フリーミアムサービスに移行している。今後、radiko本体は全民放ラジオ局の参加を目指すとしているが、未配信の放送局の中にはradikoサービス自体に否定的な局や、参加したくても参加費用の都合で参加できないままの局も存在している。AM放送についてもラジオチューナーの問題点としてあったノイズの問題が解消されており、着うたフルと同等レベル(HE-AAC48kbpsのステレオを採用)の音質で聴取できる。なお、非会員・プレミアム会員を問わず、録音機能サービスは現在まで敷設されていない。radikoで放送される番組音源を録音するにはライン出力により別機器で録音を行うか録音のためのソフトを別途用意する必要がある。radiko公式は放送番組を後から再生する「タイムフリー聴取」を実証実験として2016年10月11日より開始する。東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の被災者への情報を提供するため、2011年3月13日 17:00からエリア制限を解除。当時radikoに参加していた全13局が全国で聴取可能となった。2011年3月25日から当初の予定通り中京地区各局でも本配信が開始されたが、これについても全国に配信された。この制限解除は近畿・中京地区各局は同年3月31日まで、関東地区各局については同年4月11日まで続けられた。同年4月28日12:00より順次、被災地の全7局のラジオ放送をエリア制限なしで全国に配信した。この7局については通常のradiko.jpとは異なり、「radiko.jp復興支援プロジェクト」で、番組情報・楽曲情報表示がない状態で配信していた。また開始当初は被災局からメディアセンターまでのIP回線が引けなかったため、既設の中継回線を使用してデータセンターに音声を送っていた。対応機種はPCとスマートフォン以外にも、復興支援プロジェクトの配信に対応した機種やアプリでも聴取可能であった。対象局のうち茨城放送は、4月12日から通常のradikoでも茨城県域にて配信を開始したことにより、両サービスで配信された。地上波で放送される番組のうち、『天使のモーニングコール』など一部番組は配信されなかった。また、FM3局ではCMを流さずフィラーに差し替え、ラジオ福島ではいわき局のCMが配信されていた。プロ野球中継については、IBC岩手放送・ラジオ福島はすべて配信休止、東北放送はKスタ宮城などで行われる東北楽天ゴールデンイーグルスの主催試合に限り配信、茨城放送は地上波と同内容を配信した。配信は同年10月末までの6ヶ月程度を予定していたが、2012年3月31日まで延長して配信された。2016年9月29日現在、81の放送事業者により84のラジオ局が参加している。地域・放送局名の表記はradikoで表記されるものに可能な限り合わせている。都道府県別の配信局一覧は公式サイトの配信エリアのページを参照。民間ラジオ放送局(県域・広域)102局のうち、不参加はAM5局、FM15局ある。不参加局は東北・中国・四国・九州地方にあるのに対し、北海道・関東・東海・近畿地方は全局参加している。また、秋田・香川・佐賀の3県は地元県域局が参加しておらず、それらの県における通常時の基本サービスではラジオNIKKEIと放送大学の2局3波しか配信されない。また、AM局は2016年9月現在、radiko以外の手段も含めてインターネットによるサイマル再送信を全く行っていない。対象地域でパソコンかスマートフォンが使用可能であれば、登録なしにradiko.jpの公式ウェブサイト・公式アプリ・radikoに参加している各放送局の公式ウェブサイトより即座に利用できる。配信の対象は、主なものとしてパソコンやスマートフォンがある。聴取には専用サイトにWebブラウザからアクセスするか、「radikoガジェット」「radikoアプリ」など公式の対応アプリケーションソフトを利用する。専用サイトには各局の番組表が当日・翌日の2日分あり、確認することができる。実用化試験配信期からユーザー登録は不要(プレミアム利用時は除く)、さらにOSやブラウザソフトによる制約も少ない。これ以外にも各種対応機器が順次発売されている(後述)。専用サイトはインターネットへの接続地域によって表示される内容が異なる。対象地域外や対象機器以外からアクセスすると、「サービス地域外のためラジオを聴くことができません」と表示され、聴取できない。地域の判断はIPアドレス(スマートフォン・タブレットはGPSと併用)で行うが、環境によって実際の住所と異なる地域が表示されることがある。そのため、対象地域内でも利用できない場合もある一方、対象外でも対象地域と判別され利用できる場合や、別の対象地域と判別されることから本来の対象地域のラジオ局が聴取できない場合もある。後者の例として企業内LANや携帯電話などのモバイルブロードバンド、広域でインターネット事業を行っているプロバイダ(接続元情報に地域名を含まないプロバイダ)などでこの現象が発生している。このようなエリア制限は「実質的な放送エリアに沿った対象地域内での配信を前提として、権利者や広告主から合意を得ている」という事情がある。試験配信中から「エリア外聴取環境の提供」や「収益を得るもの」などradikoの存続を危うくする行為が一般化すると実用化が困難になる可能性もあるため、それらに対し、かつて運営側だったIPサイマルラジオ協議会はしかるべき措置や適切な対応を行う方針としていた。その一方で、ユーザーに対するアンケート調査では「エリアの枠を越えて聴取を行いたい」という要望があった。これを受ける形で2014年4月1日より、エリアフリー聴取が可能となる有料サービス「radiko.jpプレミアム」を開始。radikoプレミアムでも地域判定は行われており、基本サービスを提供する地域の判定に使用されている。radikoのサイマル配信による遅れ時間(タイムラグ)は地上波放送と比べた際、当初の試験配信中は20秒程遅れていたが本配信開始と同時に改善され、AM局でおおよそ5秒程度、FM局ではおおよそ2秒程度の遅れとなっている。時報や緊急地震速報は地上波よりも遅れる事象が発生する。対策については、マスター設備にそれらを含まない音声系統がない局も多いため、各局で時報前後の処理対応が異なる。緊急地震速報も前述の理由により、地上波と比較して必ず遅れを生じることから、ほとんどの局で速報音をカットして対応しているが、J-WAVEなど一部の局ではそのまま配信している。radikoで掲載される番組表や番組紹介は、配信を行う放送局が個別に作成している。特に、各局へのネット番組は局によって作成具合が大きく異なり、番組名と放送時間のみの場合もあれば、番組説明まで詳細に記載したり、パーソナリティの写真を掲載している場合もある。システムメンテナンスなどの事情により、試験サイマル配信を一部停止することがある。radikoの聴取傾向は、試験配信初期において「夕方から深夜帯」「週末」に聴取者が多いデータが出ており、地上波ラジオの聴取傾向と一部異なる部分がある。また、北海道の傾向として難聴取地域が多かったAIR-G'を聴くため、中継局整備が追いついていない道北や道東沿岸部で使われることが多い。2014年4月1日開始の定額有料会員制サービス。基本サービスは無料で利用できるのに対し、350円(税別)を支払うことにより放送対象地域以外の放送を聴取できるサービスである。株式会社radikoでは、このサービスの開始を、「radiko.jpにおける『第1フェーズ』(新規参加局の増加・サービスエリアの拡大・配信システムの充実)から『第2フェーズ』(新しいラジオの楽しみ方の提供・ユーザーサービスの向上)」と位置付けている。月額利用料の支払い方法は、クレジットカード決済のほか、携帯電話会社による合算決済・「フレッツ・まとめて支払い」がある。登録を済ませたユーザーは、公式サイト・アプリからのログインを経て、「エリア選択」の画面から聴取したい対応局を選ぶことによって番組を聴取できる。運用開始の時点ではユーザーの所在地域を対象にしていないCMや情報も基本として放送と同時に配信されるが、配信局によっては一部クライアントのCMをフィラーに差し替えるケースがある。また、地上波放送や基本サービスで配信している番組の一部はプレミアムでは配信されない(#サイマル配信できないコンテンツ参照)。また、公式サイトやアプリからの聴取では、エリア内での聴取と比べて約20秒程遅れての配信となる。同様のラジオアプリケーションと違いCMもラジオと同様にほとんどそのまま流れるのが特徴。その一方で、プレミアムに対応しない配信局(非対応局)のサービスエリア内で大規模な災害が発生した場合には、「時限措置」として非対応局からプレミアム会員に向けて情報を配信することがある。以下にRCCラジオでの例を挙げる。2016年(平成28年)10月11日正午より開始したサービスで、当初は実証実験として、無料で過去1週間の番組をいつでも後から聴取可能になる。聴取する番組を再生開始後3時間の「聴取可能時間」を設けており、その時間内であれば早送り・早戻し・一時停止などが可能となる。聴取可能局は基本サービスと同様に、基本的に自分のいる地域で利用可能な放送局となるが、プレミアム会員の場合はエリアフリー聴取同様に全国の放送局が聴取可能となる。気に入った番組をソーシャルメディアを通じて知らせて共有し、タイムフリーで聴取するようにする『シェアラジオ』の機能も同時に開始しており、気に入った番組をWebやアプリ上にある「シェアボタン」を押すことでソーシャルメディアにその番組を聴いている時点が定められたURLと共に通知でき、URLをクリックすることでその時点から再生することが可能となっている。なお、特定のタレントが出演する番組やスポーツ中継など、権利上の問題で一部聴取出来ない番組があるほか、放送局ごとの編成判断で当該番組の配信が停止される場合もある。このため、エリアフリーで聴取可能でもタイムフリーでは聴取出来ない番組が発生することでもある。以下のコンテンツが放送される場合、BGMにのせて「大変申し訳ありませんが、現在お聴き頂いているこの時間は、番組の配信を停止しております。ご了承ください」というコメントが放送枠いっぱい流れる(ナレーション:一丸志帆)。IPv4のユニキャストを採用。試験配信開始時の採用コーデック・ビットレートは全局統一でHE-AAC v2 48kbpsのステレオで、着うたフルと同等レベルとしていた。パソコン向け配信システムにはAdobe Flash Media Serverを採用し、HE-AAC 48kbpsでエンコードされ、Flash形式で配信されている。音声レベルは規定レベル-20dBfsでは音が小さくなりすぎるため、平均-6dBfs、ピーク時-3dBfsに調整されている。スマートフォン・タブレット向けの配信システムはこれとは異なる内容で構築されている。音声については、ほとんどの局でステレオ音声を採用。2016年4月時点でモノラル音声を採用しているのは、RAB青森放送、IBCラジオ(「radiko.jp復興支援プロジェクト」による配信時から)、FBCラジオ、RKC高知放送の4局で、いずれも各局のマスター設備の都合である。ステレオ放送の運用を終了した局や、ステレオ放送を実施しなかった局も地上波のモノラル放送とは異なり、radikoではステレオ音声で配信している。また局舎の移転やマスター設備の更新などを機にモノラルからステレオに切り替えた局もある(CRT栃木放送、MRO北陸放送ラジオ、宮崎放送、ラジオNIKKEI)。但し、AM局を中心にキー局発のラインネット番組や一部中継放送番組(プロ野球中継など)はモノラル音声となる場合がある。聴取方法はAdobe Flashを利用したサイト上のプレーヤー、もしくは対応アプリケーション・ソフト(後述)で再生を行う。パソコンからの音声出力はアナログ出力、USBオーディオ、光デジタル出力などで聴くことが可能であり、そこから私的録音することも可能である。出典 IPラジオ研究協議会が運営する有線ラジオ放送として運営。送信所に設置されているモニター用受信機で受信した音声を再送信するという形で、各社が自社内で音声をエンコード。NTT西日本フレッツ光の地域IP網(大阪府内限定)を通じて、IPv6マルチキャストで配信。利用にはモニター登録が必要で、1000人限定・大阪府内在住・フレッツ光プレミアムに加入・Windows Vistaが動作するパソコンを使用しているのが条件であった。朝日放送(ABC)にメディアセンターを設置し、在阪6社は光回線(ダークファイバー)を使い非圧縮ベースバンド伝送、在京7社は各局任意のインターネット回線でVPNを構築し各局所有のIPコーデックを使ってAES/EBU信号(PCM 1.6Mbps)を伝送。メディアセンターが音声をエンコードし、コンテンツデリバリネットワークを通じてユニキャストで配信した。メディアセンターまでの伝送は3系統あり、在阪6社の光回線・在京7社のA系(本線)のインターネット回線は従来通り。新規参加局と在京7社のB系(バックアップ)はradiko独自開発のIP音声伝送専用機器を使って、NTT東日本・西日本のフレッツVPNワイドでAES/EBU信号をメディアセンターに伝送。なお2011年4月から、東日本地域の放送局は東京都港区新橋のヘッドオフィスへの伝送に順次変更され、ヘッドオフィスからメディアセンターまではradikoが所有する局間伝送装置によって伝送されている。そしてメディアセンターでAES/EBU信号をエンコードし、NTTスマートコネクトのデータセンタの配信システムを経由し、コンテンツデリバリネットワークを通じて配信。実用化試験配信開始当初の公式周辺サービスは「番組表」「choose your favorite(サイトの色変更)」程度だったが、のちに以下のようなサービスがリリースされた。以後、順次各種モバイル端末向け公式アプリケーションをリリースすることやネット利用の放送連動サービスを検討している。本格運用では、公式ソフト・アプリケーションによるradiko独自の広告収入を想定している。対応機器はパソコン・スマートフォン以外にも、下記のような各種機器が順次発売されている。非公式アプリケーション・ソフト・サービスについて、かつてradikoの運営側だったIPサイマルラジオ協議会では「黙認するつもりはない」としているが「ラジオの楽しみを広げるためのさまざまなアプリを排除することが目的ではない」と見解を示し「権利者に不利益が、また当協議会と権利者との向き合いに支障を来たすものに関しては、対応策を検討中」「リスナーの皆様が聴取不能になるような配信障害を引き起こす恐れのあるサービスに関して、アクセスの制限かけさせていただきます」としており、当時の協議会では公式アプリケーション・ソフトの公開や各種サービスの実施など公式サービスの充実、セキュリティ強化のようなシステム面などの対応策を随時実施する方針としていた。非公式な周辺サービスはAPI未公開にも関わらず、個人開発者などによって開始から数日後にradikoを便利に使うための各種ソフト「Webブラウザ起動不要でradiko聴取可能なソフト」「radiko予約録音対応ソフト」「radikoと匿名掲示板やTwitterを連携・連動させて利用可能なソフト」などが続々とリリースされ盛り上がっている。2010年4月6日にはiPhone用アプリケーションとして非公式(個人ユーザー開発)の無料アプリ 「iRadiko」と「iラジ朗」が同時に公開され使用可能となっていたが同年4月7日16時に実施されたセキュリティ強化によりエリア外聴取機能が制限されたため、その影響を受ける無料アプリは使用制限・困難・不可状態となった。2010年4月20日未明(19日深夜)の『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)サイマル配信時にアクセスが集中してサービスに接続不可となる不具合が発生、当時radikoの運営側だったIPサイマルラジオ協議会で調査した結果「配信システムの増強を行ったにも関わらず、このような事象が起きた原因を調査した結果、特定の録音アプリケーションからの過大なアクセス集中(ループ状態)が原因」と判明したことで不具合発生の恐れがあるサービスに対してアクセス制限が行われた。スマートフォン(Android)向けの非公式アプリも存在しており、中には「Raziko」「Radiko Player」「録音ラジオサーバー」などのようにradikoとNHKネットラジオ らじる★らじるがシームレスで選局可能なアプリもある。radikoの試験配信開始時点においても、他のシステムを利用したサイマル配信やサイマル放送が既に行われている。
出典:wikipedia
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