古今著聞集(ここんちょもんじゅう)は鎌倉時代、13世紀前半の人、伊賀守橘成季によって編纂された世俗説話集。単に『著聞集』ともいう。事実に基づいた古今の説話を集成することで、懐古的な思想を今に伝えようとするものである。20巻30篇726話からなり、『今昔物語集』に次ぐ大部の説話集である。建長六年(1254)10月頃に一旦成立し、後年増補がなされた。今昔物語集・宇治拾遺物語とともに日本三大説話集とされる。古今著聞集序には「字県亜相巧語之遠類、江家都督清談之余波也」とあり、宇治大納言物語や江談抄の遠類としてまとめられた。さらに実録を補う事が意図であることを述べ、勅撰集の部類に倣ったその構成は実に整然としている。古今著聞集の序や跋文によると、橘成季が、官を辞めて閑暇をえて編纂したものである。説話収集にあたっては、『台記』『中右記』『江談抄』といった家々の記録を調べ、いろいろな場所を訪ね、人から話を聞いたとしている。現在流布しているものは、すべてが橘成季の手になるものではなく、後年に江談抄、十訓抄などから追記されている。六国史の後、平安中期から鎌倉初期に至るまでの説話700余編は、神祇・釈教・政道忠臣・公事・文學・和歌・管絃歌舞・能書・術道・孝行恩愛・好色・武勇・弓箭・馬藝・相撲強力・書圖・蹴鞠・博奕・偸盗・祝言・哀傷・遊覧・宿執・闘諍・興言利口・恠異・變化・飮食・草木・魚虫禽獣の30編に分類され、百科事典的性格を持っている。各篇の冒頭には、その篇に収録されている説話に応じた、事の起源や要約的な内容が記され、それに続いて、説話が年代順に記されている。題材を多く王朝社会に仰ぎ、尚古傾向も著しい。後鳥羽院、鳥羽法皇、欽明天皇、用明天皇、推古天皇、神功皇后、待賢門院、藤原歓子、円融院、九条良経、小式部内侍、文屋康秀、藤原頼長、藤原忠実、藤原家隆、藤原実国、藤原師実、藤原孝時、藤原頼通、藤原実定、藤原宗輔、藤原実能、藤原忠通、藤原師長、藤原隆方、藤原伊通、藤原定家、藤原顕輔、藤原璋子、藤原季通、藤原公実、藤原清輔、藤原斉信、藤原貞敏、源雅定、源有仁、源経仲、源俊房、源博雅、俊恵、性空、勝覚、弘法大師、藤原家隆、橘正通、藤原俊家、飛鳥井雅経、柿本人麻呂、為平親王、中院通方、孔子、白楽天、玄宗 (唐)、養由基、など。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。