『MM9』(エムエムナイン)は、山本弘による怪獣小説(サイエンス・フィクション(SF)小説)作品、およびそのシリーズ。東京創元社の『ミステリーズ!』2005年8月号から2006年12月号にかけて連載され、単行本も同社から2007年に刊行された。『SFが読みたい!』2009年版国内編第2位、第29回日本SF大賞候補作品。2010年6月に創元SF文庫で文庫化され、テレビドラマ版の放送開始と同じ7月7日にiPad版電子書籍の配信が開始された。2009年1月ごろ、アニメ化の企画があったが、凍結中である。全26話予定で、このとき用意されたアニメオリジナルエピソードが、『MM9―invasion―』と『トワイライト・テールズ』に再利用された。2010年2月から2011年2月まで、同社のウェブマガジン『Webミステリーズ!』上で本編の続編『MM9―invasion―』が隔月連載された。連載終了翌々月の2011年4月から2012年8月まで、同誌上で、第2部『MM9―destruction―』が隔月連載された。1話完結の本編と異なり、『invasion』『destruction』それぞれで1つの話である。『MM9―invasion―』は2011年7月に単行本化された。『MM9―destruction―』は2013年5月に単行本化された。2010年7月から10月まで、テレビドラマ『MM9-MONSTER MAGNITUDE-』が放送された。設定・登場人物は一部変更、エピソードは全てドラマオリジナル。2010年8月から2011年2月まで、角川書店『ザ・スニーカー』で背景世界を共有した番外編の連作短編『MM9 怪獣がいる風景』が連載。2011年11月に、書き下ろし短編を加えて角川書店から『トワイライト・テールズ』と改題して単行本が刊行された。2012年には、アメリカ・Vizmedia社の日本SF翻訳レーベルHAIKASORUから英訳版『MM9』が刊行された。本作品の舞台となっているのは、現実の地球によく似ているが、いわゆる「怪獣」が実在し、その被害が自然災害として気象庁の災害対策の管轄になっているという世界である。作品世界の中では「怪獣災害」には普通の人間が対処しなければならない。そのため主役となるのは気象庁の職員であり、その仕事内容は自衛隊のように直接怪獣と戦うのではなく、怪獣の早期発見と能力や行動の分析が主軸となっているのも特徴である(実際に怪獣と戦うのは自衛隊であり、後述の「気特対」のアドバイスのもとに作戦活動をすることとなっている)。一方、『MM9―invasion―』『MM9―destruction―』では、本編で登場したヒメに精神生命体ジェミーが憑依することで、ヒメがウルトラマン的な役割を担い、彼女が戦いの中心となる。そもそも、自重を支えられないはずの巨体や異常な攻撃能力を持つ「怪獣」が科学的にありえないという指摘は、本作品以前から『空想科学読本』などで行われていた。結果的に、怪獣を主題として扱ったSF小説は少なかったのである。本作品はこの問題に対するひとつの回答として、「多重人間原理」という架空の理論を掲げ、科学的にありえないはずの怪獣が大暴れする世界に合理的な説明をつけている。またこの理論は、怪獣の実在する世界に対するもう一つの疑問、すなわち「怪獣という現実と大きく異なる要素を持つ世界が、なぜ現実世界とほぼ等しい文化・文明を持っているのか?」という点についても本編中で回答を示している。本作品の根幹には、過去の特撮作品に対するオマージュがある。例として、作中世界で1923年に起こったとされる「関東大怪獣災害」が、映画『ゴジラ』をモデルとしていることは、作者自身が自サイトの宣伝ページで語っている。作中で言及される他の「過去の怪獣災害」も、モデルとなる映画が存在しているが、これらは単なる過去作品への敬意というだけでなく、物語としても意味があるということが作中で明かされる。なお、本作品第1話に登場する怪獣の正体が、同じ頃に発表された有川浩『海の底』と似通っており、作者の山本自身がネタにしている(そして、『海の底』の方が面白いと自嘲している)。2009年に山本が有川の『レインツリーの国』文庫版で解説を担当した際にもこの話題に触れている。また、『海の底』文庫版で解説を担当した大森望もこの話題に触れ、山本の発言を「同業者から贈られる最大の賛辞」と評している。「怪獣○号」、「固有名」についてはMM9#用語 を参照。なお、作中では実際に登場した怪獣の他にも「過去に出現した怪獣」として名前や存在のみが挙がる怪獣が多くあるが、それらの怪獣は基本的に過去の特撮作品などに登場した怪獣のオマージュとなっている。外国の怪獣など、気象庁による番号や固有名が付いていない怪獣は、作中で主に使われた呼び名を載せる。この他にも名称不明の怪獣が複数普及されている他、かつて出現した牛御前や神社姫などの大型の妖怪や、モケーレ・ムベンベなどのUMAも怪獣に分類されている。怪獣7号の事件(本編ラスト)より6年後が舞台である。本編からは気特対メンバーや伊豆野が登場する。短編集のため、1冊を通した登場人物はいないが、2編に気特対メンバーが登場する。いずれも『MM9―invasion―』からの登場ないし言及。ビッグバン宇宙の宇宙人には恒星間旅行に必要な超光速飛行が不可能なため、地球を訪れる宇宙人はいずれも物理法則に拘束されない神話宇宙の宇宙人である。2010年7月7日より毎日放送ほかにて『MM9-MONSTER MAGNITUDE-(エム・エム・ナイン モンスター・マグニチュード)』のタイトルで、全13話がテレビ放送された。石橋杏奈と尾野真千子のW主演。本作品は毎日放送のテレビ放送と連動する形で、同時刻より情報端末iPad・iPhone向けにも本編が無料配信される予定となっていたが対応アプリの審査が間に合わず、とりあえずiPad専用ストリーミングで開始した。、その後、第4回放送からiPadアプリ「MM9 for iPad」が公開され、公開時には1週間限定で第一話から第三話まで視聴可能になったほか、iPadではスピンオフ作品「MMY」が先行配信されていた。エンディングでは原作に登場した全怪獣の影絵が登場しているが、この影絵を製作した飯塚定雄は『ウルトラマン』OPの怪獣影絵の製作者でもある。放送時には各話サブタイトルはなく「第一話」等のナンバリングのみだった。「(樋口監督が)映画しかやったことがないので」付け忘れたとして、DVDでは公募したサブタイトルが使われた。作者の山本は原作のそのままの映像化が難しいことは承知していたため、「自由にやってください」とドラマスタッフに内容を一任しており、そのため原作とは基本的な設定が共通しているだけで、ストーリーもキャラクターの設定も全く異なったドラマオリジナルとなっている。Mが登場しないエピソードや、登場しても固有名が不明なエピソードもある。「M○号」と「怪獣○号」は同義と思われる。※括弧内は話数DVD BOXがキングレコードから「期間限定版」として発売。Blu-ray BOXがキングレコードから発売。スピンオフのショートコメディシリーズ。3人の男性職員、室町・森橋・山際を中心に据え、気特対本部で残業をする彼らの様子をコミカルに描く。タイトルのMMYは彼らのイニシャル (Muromachi Morihashi Yamagiwa) である。1話約10分で、話数は本編と同じ全13話。iPadアプリとして配信された。DVD BOX、Blu-ray BOXに映像特典として収録。
出典:wikipedia
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