スポック/ミスター・スポック(Spock / Mr. Spock)は、『スタートレック』シリーズの登場人物である。演じたのは、映画シリーズ第3作、第4作で監督も務めたレナード・ニモイ。映画シリーズ第11作以降では、この作品以降の世界のスポックをザカリー・クイントが演じており、ニモイも第10作目以前の世界のスポックとして出演している。ヴァルカン人(地球人とのハーフ)のエンタープライズ号技術主任兼副長。その後、同艦長を経て、連邦艦隊退役後は父サレクと同じ大使の道に進む。さらにその後、ロミュランとヴァルカンの再統合運動をしていたが、ある事件をきっかけに過去にタイムワープ、その宇宙でヴァルカン星が失われたため、残されたヴァルカン民族再建のため働いている。当初は厳格なヴァルカン人として振る舞い、地球人とのハーフであることや感情を指摘されることを嫌悪し拒絶していたが、カーク、マッコイらとの交流と経験を通じて、自分の人間性を肯定的に扱えるように成長し、人間が使うような詭弁や嘘を操る事もできるようになった。彼とは対照的に行動的なカーク、感情的なマッコイとは友情で結ばれ、任務におけるカークからの信頼は厚い。マッコイとは軽口を叩き合う関係である。ヴァルカン人は感情を完全に抑制し表情に出さず、また正当防衛以外では他人に手をあげない非暴力主義者だと設定されている。だが、パイロット版や第1シーズンにおいては設定が固まっておらず、スポックの喜怒哀楽や自分から暴力を振るうシーンが見られた。また、スポックに限らず、他のヴァルカン人でも時折、感情を表に出してしまう描写がある。(詳細はヴァルカン人を参照。)口癖は「船長、それは非論理的です」、「魅惑的だ(片眉を上げながら)」など。また、ヴァルカン式挨拶(ヴァルカン・サリュート)である「長寿と繁栄を(片手をあげて、第二第三指および第四第五指をそれぞれ着けた状態で、双方の間隔を空けて)」を劇中で最初に行ったのもスポックである。艦隊での認識番号はS179276ST。TOSでの階級は海軍少佐で、職務は一等航海士兼科学主任。司令官用の金色の制服ではなく、科学・医療部門用の青の制服を着用する。劇場版第1作と第2作の間に艦長(大佐)に昇進していたが、その数十年後の設定である『新スタートレック』にはヴァルカン大使として登場した。賞罰はバルカン星科学名誉勲章、武勇勲章、宇宙艦隊司令官賞2回授賞。2230年にヴァルカン人の外交官のサレクを父に、地球人の科学者のアマンダを母とし、ヴァルカン星でヴァルカン人として育った。その出生は度々迫害の原因になり、自分の居場所を求める辛い少年時代を送ったようである。ヴァルカン科学者の最高権威であるヴァルカン科学アカデミーに合格するが、ハーフの自分への差別意識と排他性に反発して、史上初めてアカデミー入りを辞退したヴァルカン人となり、連邦艦隊を自分の居場所と定めて入隊した。この事件はその後、父サレクとの長い確執の原因となった。他に肉親として異母兄のサイボックがいる。2230年、バルカン人の父・外交官のサレクと地球人の母・科学者のアマンダ・グレイソンとの間に生まれた(但しTOS第2話「光るめだま」では祖先が地球の女性と結婚したとも発言しており、初期には設定が固まっていなかったと見られる)。幼少時代をバルカン星で過ごし、バルカン人として育てられたため、感情表現を抑えることや論理を優先する考え方など、振る舞いは一見バルカン人そのものである。内面ではハーフであることへのコンプレックスがあったと見え、自らの地球人的な性向を否定する局面が随所で見られた。バルカンに婚約者がいたものの、彼女が破談を望んだ結果、彼女の代理人として指名されたカークと決闘する羽目に陥った事がある。その際、死亡したと思っていたカークの無事を知り、思わず満面の笑顔で「ジム!」と叫んでしまったが、すぐに我に返った(TOS第34話「バルカン星人の秘密」より)。宇宙艦隊へ入るにあたり、自分と同じ道を歩むものと決めつけていたサレクに反目し、以後、エンタープライズでの任務中(TOS第44話「惑星オリオンの侵略」)に再会・和解するまで、18年間サレクとは会話しなかった。同エピソードでは父を尊び、母を敬う意外な「孝行息子」ぶりを披露し、侵入者の凶刃に倒れたカークに代わって艦の指揮を執っているとき、心臓病で倒れたサレクを救うために輸血をしてくれとアマンダに頼まれ、「輸血をするなら私は職務を放棄しなければならない(つまり、艦と部下を見捨てなければならない)。自分のせいでそんなことになったら、お父さんは喜んでくれますか」と苦悩の色を見せた(この窮地は、カークが重傷をおし隠して艦長席に復帰したことで打開された)。子供の頃はセレットという猫ほどの大きさの熊を可愛がっており、5歳の時に友人から地球人との混血と言われ泣いた事がある。『宇宙大作戦』製作初期には、とがった耳や皮膚の色などの「悪魔的な外見」や、テレビドラマにおいて異星人がレギュラーになった前例がない事などから、局側はレギュラーから外すよう求めた。しかしプロデューサーであるジーン・ロッデンベリーは、人類以外のキャラクターを置くことでエピソードをより発展させられると考え、スポックのキャラクターを残すこととした。宇宙船エンタープライズ号の副長兼科学主任として、エンタープライズに配属されたのはカークより早く、当時の艦長はクリストファー・パイクだった。カークたちに対しては彼なりに友情を抱いているらしいが、普段は地球人の感情に基づく言動を「非論理的」と否定している。特に感情的なドクター・マッコイとの意見対立、そしてカークによる調停はストーリーの定番であった。また、理論より実践肌のチャーリー技術主任との関係も微妙なものがあり、ミスター加藤ら他の幹部からも、尊敬されても敬愛されているとは言いがたかった。とはいえ後に、軍規違反のリスクを冒してでも元上司のパイクをタロス4番星に送り届けるよう計画・実行したり、カークに気の利いた誕生祝いを贈るなど、きわめて人間的な思慮深さが行動の根底にある。カークの許では副長として絶対的な信頼を得たのはよく知られる通り(小説「ファーストミッション」では、エンタープライズに赴任したばかりのカークに対し、パイクと比較して下に見る傾向にあったと描写されている)。一方、カーク不在の折には自ら指揮を取ることもあったが、その指揮ぶりは理性的すぎ、冷徹すぎ、完璧主義すぎる上に、部下にも理性と冷徹と完璧を要求する傾向が強く、時に非情で横暴に見えることもあり、指揮官としては部下の不評もあった。第78話で過去にタイムスリップしたスポックはある女性と出会い(タイムスリップの影響で過去のバルカン人同様に感情に支配されていたため)激しい恋に落ちる。後に書かれたオリジナル小説のうち2作品に、この時できたとされる彼の息子ザールが登場するが、あくまで小説内のみでの設定である。その後は提督への昇進記録はなく、艦隊を辞して父と同じく外交の道に進む。『新スタートレック』では惑星連邦の大使として登場。バルカン人とロミュラン人の再統一を目指してロミュラス星で活動する姿、そしてかつてのカーク以上の独断専行ぶりが描かれた。ベンダイ症候群で苦しんだサレクの死に目には会えなかったが、臨終の場に居合わせたピカードとの精神融合を通して、ロミュラスで亡き父のカトラに触れることができた。「スポック」というのは本名ではない。正統なバルカン名は地球人には発音できないとされるため、付けられた呼び名である。また苗字は脚本家D・C・フォンタナが、無理にアルファベット表記すると "XTMPRSQZNTWLFB!" である、としている。当初、マーティン・ランドーにオファーされていたが、役柄がランドー自身のキャラクターに合わないとして断られ、ニモイにオファーされた。その後ランドーは『スパイ大作戦』のローラン・ハンド役で出演したが、そこでもニモイは出演料などの契約の食い違いで降板したランドーの後を継いで、グレート・パリス役で『スパイ大作戦』に2年間出演した。TOSは久松保夫、TNGは矢田耕司、TOS追加収録部分とDS9は菅生隆之。劇場版は瑳川哲朗 (TMP-ST3テレビ版)、大木民夫 (ST4テレビ版)、仁内建之 (ST5機内上映版)、吉水慶 (ST6ソフト版)、菅生隆之 (TMP-ST6再録版、STXI-STIDのスポック・プライム)、喜山茂雄 (STXI-STID)。『まんが宇宙大作戦』 (TAS)は阪脩。なお仁内はST6ソフト版にマッコイ役、吉水は『新スタートレック』第1-2シーズンにピカード役で出演している。『』第104話「伝説の時空へ」にも再登場するが、これはシスコらが『宇宙大作戦』43話「新種クアドロトリティケール」の過去に行ったという設定で、当時の映像の編集・合成。声は原語版では俳優本人が声を演て、吹き替えではカーク役の矢島とウフーラ役の松島のみオリジナルと同じ。余談ではあるが、「スタートレックVI 未知の世界」のVHSビデオソフト版吹き替えに於いて、カーク役を大塚明夫、スポック役を吉水慶が担当している。このコンビは、『新スタートレック』(TNG)の吹き替えにおける艦長ジャン=リュック・ピカード(吉水)と副長ウィリアム・T・ライカー(大塚)の立場を逆転させたものとなっている。また、同バージョンには後に吉水からピカード役を引き継ぐことになる麦人も出演している。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。