太田 仲三郎（おおた ちゅうざぶろう、1887年（明治20年） - 1945年（昭和20年）3月10日）は日本の実業家・作家。東京府出身。号は西涯。明治大学卒業後に中国・上海に渡り、綿花貿易で財を成すも、1929年（昭和4年）の世界恐慌で破産し、これを機に東京に戻りタクシー運転手として生活をするが、1945年3月10日の東京大空襲により焼死する。学生当時、東京帝国大学と明治大学で教鞭をとり、小説『坊っちゃん』（1906年（明治39年）発表）の構想中だった夏目漱石と交流があったとされている。上海より東京に戻ってから太田西涯と名乗り、自分こそが『坊っちゃん』の主人公・多田のモデルであると言い、多田は太田の捩りであるなどとと主張した。『明治蹇蹇匪躬録』を執筆・発表したが、当時の人々には顧られることはなかった。しかし、この『明治蹇蹇秘窮録』は、後に関川夏央と谷口ジローの『「坊っちゃん」の時代』の原作として、陽の目を見ることとなった。荒畑寒村、森田草平等とも交流があった。

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