『友よ、静かに瞑れ』(ともよ、しずかにねむれ)は、北方謙三原作の小説、及び日本映画。1989年にフジテレビで2時間半ドラマも作られている(『友よ静かに瞑れ』)。1985年6月15日、映画公開。角川映画。東映セントラルフィルム配給。藤竜也主演、監督は崔洋一。併映は、渡辺典子主演『結婚案内ミステリー』。医師の新藤剛(藤竜也)は、沖縄の多満里地区に東京からはるばるホテルフリーインの経営者である旧友の坂口(林隆三)に会いに来た。しかし地元の住民からはフリーインの場所を聞いただけで胡乱な目で見られ、フリーインの客と言うだけで嫌われる。しかも当の坂口は警察の留置場にいた。下山建設の社長下山(佐藤慶)が、刑事の徳田(室田日出男)らと共謀して、坂口を留置場に入れたのだ。坂口は下山建設による開発の進む多満里地区でたった一人だけ立ち退きに反対していた。寂れるばかりの多満里の将来を考え、地価が安い多満里地区を高い値段で買い取り、住民の移転先の面倒も見る温情のある会社として通っている下山建設だが、実際は多満里の人間も最初は立ち退きに反対した中で、現金で買収したり、ヤクザや警察を使い、立ち退きを強要していた。それでも近隣住民は、下山は面倒見がいいと言い、フリーインは村八分のような形に追い込まれていたのであった。そして下山はフリーインに対してもヤクザを使い、窓ガラスを壊す、息子竜太(六浦誠)の飼っていた犬を殺したりと嫌がらせをする。フリーインにも前はもっと住人がいたのだが、下山の嫌がらせで人が逃げ出していた。竜太も同級生から笑い者にされ嫌がらせを受けヤクザに脅される。新藤は多満里にいる間に徳田や下山から決定的な証拠を聞きだそうとするが、徳田からは聞きだせず、下山にもヤクザを使って竜太を誘拐した事実などをつきつけるが全く動じず、収穫は無い。残ったフリーインの住人達は徳田の脅し、イヤミに屈せず、牙を向けるが、その後町中をヤクザがうろつき始め、多満里の住民亀井(草薙幸二郎)、石森(常田富士男)がフリーインに来て、新藤に多満里から出て行けと言う。新藤は出て行く気はないとつっぱね、新藤のもとにもヤクザ(中西良太)が送られる。そんな中、新藤は下山建設の高畠(原田芳雄)と殴り合い、下山の机から徳田の金銭借用書を手に入れ、徳田に突き出す。それが決定的な証拠になり、徳田は坂口を釈放し、ついに新藤と竜太は坂口と再会する。馬鹿みたいと父親をけなしていた竜太も、なにか言いたそうにはにかみ、笑みをうかべる。少し経ってから下山の乗った車がやって来る。下山と握手を交わす多満里の住民(飯島大介ら)。坂口は新藤と竜太を見つめ、その横を通り、下山の前に立つ。坂口に「このたびはどうもどうも」とあいさつする下山。だが坂口は不穏な空気を発して黙ったまま懐に手をいれる。すべてがスローモーションになる・・。恐怖に慄いた下山は拳銃を取り出し、引き金を引く。下山の放った弾丸は坂口を直撃、それに驚く住民。竜太はその瞬間新藤の胸に顔を埋めるが、父親の死の瞬間を見せるかのように、新藤は胸から竜太の顔を引きはがす。消防車のベルの音、そして走る刑事たち。坂口は懐に手を入れたままその場に倒れる。坂口が握っていたのはレモンだった。レモンは坂口の手からこぼれ、道路に転がる。新藤はそのレモンを拾い、坂口の死体の近くでじっと立つ竜太の手にレモンを握らせ、フリーインの宿泊費を精算してその場を後にする。新藤が去った後、竜太は父親の死体を見つめ、自分の好物でもないレモンをかじるのだった。
出典:wikipedia
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