『少女たちの羅針盤』(しょうじょたちのらしんばん)は、水生大海の推理小説である。第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作品。駆け出しの女優による過去の殺人を暴こうとするものたちの行動を通し、演劇に没頭する女子高生たちの青春を描くミステリ。2009年に書籍化され、2010年に映画化された。推理作家の島田荘司の出身地である広島県福山市が主催する「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で、2008年に開催された第一回の応募作品であった。最終選考まで残り、受賞は逃したが特別に優秀作に選ばれた。当初の題名は『罪人いずくにか』であったが、島田荘司のアドバイスにより改題され、2009年7月に原書房から出版された。2011年、映画化に合わせ、スピンオフ的な短編「ムーンウォーク」を加えた新装版が刊行。2012年、光文社文庫より文庫版が刊行。2010年にも長編の続編として『かいぶつのまち』が刊行されている。新進女優の舞利亜(まりあ)は、主演する作品の撮影現場で監督から伝説の女子高生劇団「羅針盤」の元メンバーではないかと指摘される。舞利亜は否定するが、自分が「羅針盤」に関わっていたことは誰も知らないはずの過去だった。撮影が進む中、舞利亜は書きかえられた台本が自分に届かず、新しいストーリーは主役が過去に殺人を犯したことを示唆するものに替わっていることを知る。さらに控室には、舞利亜自身の殺人の過去を暴こうとするメッセージがあった。4年前。高校の演劇部に所属する楠田瑠美(くすだ るみ)は、先輩や顧問の渡見(わたみ)と対立したことを機に、同部員の北畠梨里子(きたばたけ りりこ/通称:バタ)や来栖かなめ(くるす かなめ)とともに自分たちだけの劇団を作ろうと決意した。他校の演劇部員で卓越した演技力を持つ江嶋蘭(えじま らん)をなかば強引にスカウトして、劇団は活動を始めた。4人の氏名の漢字に東西南北がそれぞれ含まれることから、劇団名は「羅針盤」と決まる。「羅針盤」はストリートで活動し、試行錯誤を重ねながら観客の人気を得てゆき、演劇フェスティバルに出場する。自分の性に違和感を抱えリストカットを重ねるバタ、タレントの広瀬なつめ(ひろせ なつめ)を姉に持つがゆえにいじめられた過去を持ち、「羅針盤」にも嫌がらせを受けるかなめ、私生児として生まれ経済的に苦しい母子家庭に育った蘭。それぞれの悩みを抱えながらも4人は真剣に演技に取り組み、満場の拍手を浴びて舞台を成功させる。しかし、誰もが確実と思われたグランプリは審査が出来レースであったために取れず、ストリート活動にはなぜか通報が相次ぐようになり、「羅針盤」の活動は難しくなってゆく。その頃、蘭は母と実父から演劇活動を辞めるよう強要される。自分を私生児として生ませておきながら平然と母と再婚しようとする資産家の父への反発もあり親からの自立を望んだ蘭は、女優として生きていくため映画のオーディションを受ける。ところが、付き添いだったかなめの方が注目され合格してしまった。かなめはこのチャンスに挑戦しようと希望を燃やし、メンバーたちもそれを応援するのだった。だが、その矢先にメンバーの一人がレイプに遭い、さらに執拗な嫌がらせを受ける。そして、練習場だった社宅の廃墟で彼女は転落死した。この事件により「羅針盤」は消滅してしまう。そして4年後の現在、撮影隊の去った現場で待つ舞利亜の前に、その過去を知るものたちが姿を現す。『少女たちの羅針盤』は、ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の入選作で商業出版された二番目の作品であり、初の映画化された作品である。長崎俊一が監督し、ロケは広島県福山市で行われた。福山ばら祭の会場で発表され、主人公達の女子高生役に成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有を起用。また高校生などのエキストラは地元から公募された。2014年8月31日に122年の歴史に幕を降ろした福山市の映画館・シネフク大黒座の最終公演としてこの映画が上映のトリを飾った。映画のストーリーは、ほぼ原作通りであるが以下のような相違点がある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。