西部方面普通科連隊(せいぶほうめんふつうかれんたい、JGSDF Western Army Infantry Regiment(Light):WAiR)は、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に駐屯する陸上自衛隊西部方面隊直轄の普通科連隊(軽)である。部隊は通称西普連と呼ばれることが多いが、英語表記の頭文字からWAiR(ワイアー、ウェイヤー)と呼ばれることもある(連隊隊舎入口にはWAiRと表記されている)。五島列島の方言「バラモン」(「活発で元気のいい」の意)からバラモン部隊とも。自衛隊唯一の水陸両用部隊である。離島対処即動部隊であり、島嶼防衛を主な任務とする。島嶼の防衛、奪還を目的とした上陸作戦訓練を、海兵隊と重ねる報道もある。主任務としては隠密裏の潜入、遊撃による陣地構築の妨害、通信の遮断、情報収集および逆上陸部隊の誘導であり、アメリカ海兵隊武装偵察部隊に類似した性格を持つ。レンジャー小隊に限らず、通常の隊員もレンジャーの有資格者が多く、一線に立つ隊員のほぼ全員が、水路潜入訓練など特別な訓練を行っている。運用に関しての詳細は公開されていないが、防衛白書の広報文によれば、海岸から10km程度離れた沖合いからゴムボートを使って水路潜入したり、ヘリコプターによるヘリボーンで島々を移動するとされている。同連隊を特殊部隊として位置づけるかは資料によって異なるが、所属隊員の一部に対しては、特殊部隊向けの給与制度である「特殊作戦隊員手当」が適用されている。西部方面隊は九州、沖縄の防衛を担任しており、対馬から与那国島までの南北1,200km、東西900kmにも及ぶ広大な守備範囲を持つ。有人無人合わせて2,600あまりの島を抱え、不安定の弧の東端である朝鮮半島、中華人民共和国、台湾と海を挟んで接している。離島が敵対勢力に攻撃される場合、未然に上陸を防ぐのは困難な場合があるため、占領された離島を奪還するための先遣部隊として2002年(平成14年)3月に創設された。創設前から西部方面隊担任地域にある島々の地誌について組織を挙げて情報収集し、密林と山岳地形が特徴である日本の離島でのゲリラ戦に対処する特殊部隊として注目されてはいたが、創設から間もない2002年5月~7月にかけての時期に3人の陸曹の自殺が明らかになったため国会議員の調査が入り、その過程で特殊部隊としての性格が大きくクローズアップされることとなった。当初は、米中間における軍事的衝突の潜在的可能性がある沖縄県に駐屯する計画であったが、中国や沖縄県内での軍事活動に過敏な沖縄県民に対して刺激が強すぎるとの政治的配慮に基づき、縦深性を確保しつつ、五島列島や男女群島、壱岐島、対馬を臨み、艦艇やヘリコプターによる緊急展開にも有利な長崎・佐世保市に落ち着いた。創隊にあたっては、地元の商店街からの要望で、商店街を通過する記念パレードが行われた。当初は小銃も携帯する予定だったが、長崎の被爆地としての歴史認識を考慮し、徒手での行進として実施された。後に、本来の姿を見てもらいたいという部隊の意向により、第1空挺団の観閲行進時と同様の保持要領で携行してパレードを行っている。2002年3月27日に新編される。2005年1月からは米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンを中心に実施される上陸演習である「アイアンフィスト(鉄拳)」に参加する。これ以降、毎年1月に同演習に連隊は参加する。2013年の「アイアンフィスト13」では連隊から約280人、米国海兵隊は約500人が参加する過去最大規模となっている。自衛隊イラク派遣では連隊の隊員が派遣部隊に参加している。2010年12月に実施された日米統合演習の中に、日出生台演習場において第1空挺団と初の共同訓練を行う。2013年6月10日から26日まで米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンおよびサンクレメンテ島にて実施される米軍単独であった統合訓練「ドーンブリッツ13」に初めて参加する。事前に機能別訓練が同年5月29日から6月10日まで実施されている。他に海上自衛隊の護衛艦「DDH-181 ひゅうが」、「DDG-177 あたご」、輸送艦「LST-4002 しもきた」が、航空自衛隊からは航空総隊が参加、初めての統合運用による本格的島嶼上陸訓練が実施される。演習期間中である同月15日に小野寺五典防衛大臣は「離島防衛のために水陸両用部隊が必要だ」と発言している。同演習期間中の6月24日にはカナダ軍とニュージーランド軍の水陸両用車も参加する大規模のものとなっている。平成29年度末、西部方面普通科連隊を発展的に改組し、新設予定の水陸機動団の第1連隊とする計画がある。また、連隊内に、離島防衛に関する教育専従部隊を設立することも決まっている。西部方面普通科連隊には第1空挺団の「基本降下課程」のように正式な教育課程が複数存在しており、特に水陸両用課程については西部方面普通科連隊の隊員全員が取得する課目となっている。なお、「水陸両用き章」、「洋上潜入き章」、「艇長き章」をすべて付与された隊員には「水路潜入き章」が付与される。660名で構成されており、後方支援職である本部管理中隊を除き、隊員の約7割がレンジャー有資格者である他、海上自衛隊のスクーバ課程の教育も受けている。部隊は、連隊本部のほか、本部管理中隊、3個普通科中隊で構成され、本部管理中隊を除き第1から第3の各中隊はレンジャー小隊を擁しており、自衛隊初の常置レンジャー部隊となった。中隊の編成は、小銃小隊(レンジャー小隊1個を含む)3個、対戦車小隊、81ミリ迫撃砲小隊および120ミリ迫撃砲小隊各1個からなる。部隊の火力支援を行う部隊として、西部方面対舟艇対戦車隊の1個射撃小隊が対舟艇・対機甲火力を支援する。第1空挺団では、36歳までに空挺レンジャー課程を履修できなかった空挺隊員の転属先として、本人の希望があれば優先的にまわされる部隊でもある。イラク派遣時に防暑帽4型として正式採用される以前からブッシュハットを使用しており、防弾機能の無いプロテック社製ヘルメットの使用や、部隊単位、個人単位で購入したとされるチェストリグ、マガジンポーチなどの装備も確認されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。