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フィレオフィッシュ

フィレオフィッシュ()は、ファーストフードチェーンのマクドナルドが販売しているハンバーガーメニューの一つである。フィレ「Filet」は骨のない魚の切り身を意味している。あっさりとした白身魚のフライにタルタルソースがかけられ、スライスチーズと共に、レギュラーバンズ(パン)に挟んで提供される。また、バンズは、スチーマーで蒸したものを使用する。またスライスチーズは半分にカットしたものが使われる。1959年よりオハイオ州シンシナティでマクドナルドのフランチャイジーとして店の経営にあたっていたルー・グルーンは、開業当初から経営難に直面していた。理由の一つとして、地域の宗教上の問題があった。グルーンの店の周囲には、カトリックの信者が多く暮らしており、「肉を食べてはいけない」金曜日になると客足が遠のいていた。また灰の水曜日から復活祭までの約40日間も売上が大きく落ち込んだ。グルーンは、近所にあったビッグボーイのチェーン店が、魚のサンドイッチを提供していることを知った。これを、ヒントに独自の魚フライのホットサンドイッチを試行錯誤を始めた。1961年、グルーンはオヒョウの切り身のフライとタルタルソースを使った最初にフィレオフィッシュを完成させた。そして、マクドナルド本社のレイ・クロックに、店での販売許可を得ようと交渉に出向いた。しかしレイ・クロックは、「店が魚臭くなる」という理由で、当初この提案を却下した。グルーンは諦めず、粘り交渉を続けていくと、ある時、レイ・クロックは「フラ・バーガー(Hulu Burger)」を売ってみたらどうかと逆提案した。クロックが提案した「フラ・バーガー」はパイナップルの上にチーズを載せて焼いたものを挟んだホットサンドイッチだった。グルーンとクロックは、どちらのメニューが売れるか賭けをすることになった。1962年のある金曜日、グルーンの店で「Hulu Burger」と「フィレオフィッシュ」のどちらが売れるか、テスト販売が行われた。結果、「Hulu Burger」は売上げ6ドル、「フィレオフィッシュ」は350ドルを売り上げた。クロックは負けを認めた上で、魚のレシピをメニューに加えることに同意した。ただしフィレオフィッシュに使う魚をオヒョウではなく別のものにすることを求めた。オヒョウは、漁獲高の増減が大きく値段の変動が大きいためアメリカ全土に展開するには不適格であったためである。代わりとなる海産物をテストしたところ、当初は、ハマグリにパン粉をまぶしたものが適しているという結論がでた。このレシピに「ディープ・シー・ドーリー」と名前をつけてテスト販売したが、調理法が難しく、断念することになった。最終的にタイセイヨウダラをフライにしたものを「フィレオフィッシュ」と命名し、全米のマクドナルドのメニューに載ることになった。アメリカでは、アラスカでのタラ類の漁獲高の減少により、1996年9月26日にフィレオフィッシュをメニューより外し、高級指向の「フィッシュ・デラックス(Fish Delux)」を加えると発表した。しかし、顧客から、フィレオフィッシュを復活を要望する内容の手紙や嘆願書が多く寄せられ、1998年3月22日にメニューに復帰した。日本マクドナルドでは、2001年に問い合わせに対して、使用している白身魚の種類をスケトウダラであると回答した。また日本以外では、マダラや、深海魚のホキ、メルルーサも使用されていると回答。2015年現在、公式サイトでは、アメリカベーリング海のスケトウダラを使用しているとしている。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は2009年9月10日付で、一時期はマクドナルドだけで年間約7,000t(1,500万ポンド)のホキを消費していると報じた。またこのような食用のための漁獲により、ホキは絶滅の危機にあり、ホキの漁獲量の制限が行われているとした。2013年1月、マクドナルドは、全米で販売するフィレオフィッシュはすべてアラスカ産のスケソウダラを使用すると発表。またこのスケソウダラは海洋管理協議会(略称:MSC)から、持続可能性な漁で流通されているという認定を受けた。この認定は、全米で展開するレストランチェーンで初のことだった。しかし、ベーリング海でのスケソウダラ漁は底引き網で行われており、絶滅の危機にあるオヒョウを混獲していると指摘されている。

出典:wikipedia

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