育児休業(いくじきゅうぎょう)とは、子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業のことである。事業所により就業規則などで独自の上乗せ規定を設けられている場合もあるが、本項目では、1991年に制定された育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)(通称:育児介護休業法)によって定められた育児休業について説明する。この説明は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律(平成21年法律第65号)による2010年6月30日(ただし一部の規定は、常時100人以下の労働者を雇用する事業主については2012年7月1日。調停については2010年4月1日、勧告に従わない場合の公表制度等については2009年9月30日)以降の制度に基づくものである。育児休業の期間中には、勤務の実態に基づき給与は支給されないか減額されるが、それを補うものとして、雇用保険法(昭和49年法律第116号)第61条の4の規定により育児休業給付金の支給を受けることができる。休業は法律により定められている労働者の権利であるため、事業所に規定が無い場合でも、申し出により休業することは可能であり、問題がある場合には事業所に対して厚生労働大臣から助言・指導・勧告がなされる。育児休業を取得するには、次の条件を満たすことが必要である。取得する者の男女は問わない。また、子が実子であるか養子であるかも問わない。家族などで事実上、子の世話が可能な者がいても、それに関係なく取得は可能である。労働者(日々雇用される者を除く)が対象となる。また、期間雇用者については次の2つの両者を満たす者が対象となる。育児休業は、子が1歳に達するまでの間に取得することができる(法5条1項柱書本文)。産後休業期間(出産日の翌日から8週間)は含まない。ただし、次のいずれかの事情がある場合には、1歳6か月まで取得できる(同条3項)。また、配偶者と交替する形で育児休業を取得することができる。ただし、1人の子について1回限りしか育児休業を取得できない(法5条2項)。子の氏名、生年月日、続柄、休業開始及び終了の予定日を明らかにして、1歳までの育児休業はその1ヶ月前、1歳から1歳6か月までの育児休業については、その2週間前までに申し出る。次の条件をすべて満たした場合、育児休業給付を受けることができる。支払われる育児休業給付金の金額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額である。ただし、各支給対象期間中(1か月)の賃金の額と育児休業給付金との合計額が賃金日額×支給日数の80%を超えるときには、当該超えた額が減額されて支給される。子を養育する労働者の取扱いなどについて、次の規定がある。公務員は、国家公務員の育児休業等に関する法律3条により、子が3歳に達する日まで育児休業をすることができる。育児介護休業法では育児休業は男女問わず労働者の権利として認められていて、雇用主は育児休業の申請に応じて雇用を維持しなければならないのだが、実際には正常に機能していない。日本の社会には、「男と女は異なる社会的役割がある。男は社会で働き家族を養う収入を得る。女は専業主婦として家事や育児をする。」という考えや、「育児休業を取得されたら、同じ職場で働く人にとっては迷惑でしかなく、また経営者にとっては甚大な損害である。」という考えを持ち、その考えに基づいて経営リスクを排除するため、結婚・妊娠・出産した女性を、様々な方法で退職に追い込んだり、降格および減給の対象とする暗黙の人事制度を実施している雇用主も多数存在する(マタニティハラスメント)。そのような雇用主が多数存在するので、結婚・妊娠・出産した女性の側も、そのような人事制度の職場に在職を続けても仕事と育児の両立は不可能であるので、そのような人事制度の職場を見限って、自分や子供の利益を守るために退職・転職する事例も多数ある。その結果、日本では、結婚・妊娠・出産以前や、子供が小学校高学年や中学生程度の育児負担が少なくなる以後と比較して、結婚・妊娠・出産から子供が小学校低学年の育児期の女性の就業率が低くなっている。育児休業の取得は、雇用主が法律の趣旨を認識し順守し、女性が結婚・妊娠・出産後も在職・仕事を継続したほうが企業や雇用主にとっても有益であるという考えを持ち、それを実施する意思がない限り、取得は不可能である。雇用主にそのような認識と意思があるかないか、意思を実施するかしないかは、大企業でも女性の結婚・妊娠・出産後の就業率が低い企業もあり、中小企業でも女性の結婚・妊娠・出産後の就業率が高い企業もあるので、企業規模の大小には関係なく、雇用主の認識とそれを実施する意思によって決まる。『平成27年版男女共同参画白書』によると、2013年度における男性の育児休業取得率は、民間企業で2.03%(前年比0.14%ポイント増)、国家公務員では2.77%(同0.73%ポイント増)となっている。しかしいずれも、女性(民間企業83.0%,国家公務員98.3%)と比較すると、依然として低水準にあり、男女間で大きな差がある。現在の日本では育児休業を取得している人の大部分は女性である。
出典:wikipedia
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