数学において算術幾何平均(さんじゅつきかへいきん、Arithmetic-geometric mean)とは、2 つの複素数(しばしば正の実数)に対して算術平均(相加平均)と幾何平均(相乗平均)を繰り返し用いて作られる数列の極限のこと。formula_1 である複素数 formula_2 についてと定めれば数列 formula_3 と formula_4 は同じ値に収束する。その極限を formula_2 の算術幾何平均と呼ぶ。ただし、幾何平均 formula_6 の根号の符号は算術平均 formula_7 の側にあるものを選ぶものとする。formula_8 の場合、算術幾何平均は次式の楕円積分で表される。formula_9 の場合は、次式になる。&=frac{pi}{2}igg/int_{0}^{pi/2}frac{d heta}{sqrt{left(frac{a+b}{2} ight)^2-left(frac{a-b}{2} ight)^2sin^2 heta}}\&=frac{pi}{2}igg/int_{0}^{pi/2}frac{d heta}{left(frac{a+b}{2} ight)sqrt{1-left(frac{a-b}{a+b} ight)^2sin^2 heta}}\formula_2 が正の実数である場合、が成り立ち(相加・相乗平均の関係式)、となることからという関係が成り立っている。{"a"} は下に有界な単調減少数列であり、{"b"} は上に有界な単調増加数列であるので、それぞれが収束する。{"a"} の極限を α とし、{"b"} の極限を β とすると定義の漸化式からが両立しなければならない。2 式とも整理すれば α = β となるので、2 つの数列 {"a"}, {"b"} は "n" → ∞ とした極限で同じ値に収束することが確かめられる。正の定数 formula_11 に対しが成り立つ。この数列の収束はを満たすので、1回のステップで精度が2倍になる。また次のことが知られている。右辺の積分は、楕円積分であり簡単には積分できない。しかし、算術幾何平均の収束が速いので、数値計算による円周率の計算に用いられることがある。複素数 formula_2 の算術幾何平均が収束することは、以下によって証明できる。formula_13となるように formula_6 の根号の符号を決めると約束したので、である。formula_15 を formula_7 の階差とすればである。したがって、級数 formula_17 は絶対収束する。すなわち、数列 formula_3 は収束し、数列 formula_19 は formula_3 と同じ値に収束する。算術幾何平均と楕円積分の関係は以下によって証明できる。ただし、formula_2 は正の実数とする。&=int_{0}^{pi/2}frac{d heta}{sqrt{(a^2cos^2 heta+b^2sin^2 heta)(cos^2 heta+sin^2 heta)}}\&=int_{0}^{pi/2}frac{d heta}\formula_22 と置換すると、&=int_{0}^{infty}frac{dx}{sqrt{a^2x^2+b^2x^2+b^2x^4+a^2}}\&=int_{0}^{infty}frac{dx}{sqrt{(a+b)^2x^2+(bx^2-a)^2}}\&=frac{1}{2}int_{0}^{infty}frac{dx}{xsqrt{left(displaystylefrac{a+b}{2} ight)^2+left(displaystylefrac{bx^2-a}{2x} ight)^2}}\formula_23 と置換することによって、となる。したがって、=frac{pi}{2M(a,b)}\formula_2 が複素数である場合は、積分路 formula_23 と実軸との間に(留数をもつ)極がないことを確かめなければならない。formula_27, formula_28 とすれば、&=frac{(b/a)x^2-1}{(1+b/a)x}=frac{(u+iv)x^2-1}{(1+u+iv)x}\&=frac{(ux^2-1+ivx^2)(1+u-iv)}{left((1+u)^2+v^2 ight)x}\&=frac{(u+u^2+v^2)x^2-(1+u)+ivx^2+iv}{(1+2u+u^2+v^2)x}\これに formula_29 を代入すると&=frac{ivfrac{1+2u+^2+v^2}{u^2+v^2+u}}{(1+2u+u^2+v^2)sqrt{frac{1+u}{u+u^2+v^2}}}\&=frac{iv}{sqrt{(1+u)(u+u^2+v^2)}}\であり、formula_30 となるように幾何平均の根号の符号を決めると約束したので、積分路は極 formula_31 の間(原点に近いところ)を通る。また、formula_32, formula_33 とすると、&=frac{(u'^2+v'^2)(u'+iv')x^2-(u'-iv')}{2(u'^2+v'^2)x}\これに formula_34 を代入すればであるから、積分路は極 formula_35 の間を通る。formula_1 である複素数 formula_2 について算術平均と調和平均を繰り返して得られる数列である。つまり、算術調和平均は formula_2 の幾何平均に等しい。このことはから明らかである。formula_1 である複素数 formula_2 について幾何平均と調和平均を繰り返して得られる数列である。つまり、調和幾何平均と算術幾何平均の積は幾何平均の自乗に等しい。このことは、formula_41 を逆数にしてから明らかである。
出典:wikipedia
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