『テグザー』("THEXDER")は、8ビットパソコン全盛期に発売されたゲームアーツ初作品のアクションシューティングゲーム。1985年に発売開始以降、絶大な人気を誇った。飛行機形態に変形可能なロボット「テグザー(綴りはTHEXDERだが、未来は発音が違うという設定)」を操作し、小惑星ネディアムの磁力線発生装置を破壊するという内容で、全16面+裏16面(画面の色合いが暗めになり、敵の耐久力が高くなる)、それ以降は裏16面のループ。滑らかなアニメーションと高速な8方向スクロール、戦略性の高さ、広大なマップ、FM音源(PC-8801版)によるBGMが人気を呼び、特に最初に発売されたPC-8801mkIISR版では、広告で、その人気を背景にしたものもあった。実際にはSR固有の機能は、然程使われておらず、高速な8方向スクロールは、背景をスクロール単位のマップパーツで構成し、実際に描画処理を行うのは、キャラクターと、スクロールによって変化する部分のみという設計にあった。その販売数またMSXなど日本の主要な8ビットパソコンに移植され、それらの機種でも人気を獲得した。海外ではゲームアーツからライセンスを受けたアメリカのシエラ社がApple IIGSに移植し、ヒットさせた。他にもIBM PCやTRS CoCoなどかなりの機種に移植され、当時の日本製PCゲームとしては珍しく海外でも知名度が高い。北米で発売されたApple II GS版のパッケージには「50万本を超える売り上げ」の宣伝文句が載っている。その後北米で1990年に発売された『Fire Hawk』のパッケージの宣伝文句によると「テグザー」の売り上げは100万本を超え、当時のパソコン用ゲームとしては世界で最も売れた作品の一つであったという。ちなみに、ゲームタイトルでありプレイヤー機の名でもある「テグザー」とは、開発にあたって影響を受けた3作品「テセウス」「エグゾアII」「グロブダー」を合成したものである。兵器開発船「レイピナ」が謎の小惑星「ネディアム」より発せられる磁力線に捕まり、離脱できなくなってしまった。外部からのレーザーやミサイルによる攻撃に対して絶大な防御力を示したネディアムは、調査により内部にある装置から磁力線を発していることが判明した。この磁力線は、レイピナのような大型の物体に対してのみ作用していたのである。このためレイピナは、磁力線の影響を受けない小型機による攻撃を行う必要があった。そしてこの計画に開発中の最新試作兵器ハイパーデュアルアーマー「THEXDER(テクザー)」が選ばれ、ネディアムに向け発進した。サイドビュー8方向自由スクロールで、敵を自動照準レーザーまたはバリアで接触破壊しながら前進し先に進むゲームである。基本的にエネルギーによるライフ制で、自機は後にも先にも試作機であるテグザーの一機のみ。セーブ機能は無く、どんなに苦労して先に進んでも、エネルギー切れで破壊されればそれまでである。武器は自動照準で自機正面180度の範囲で発射されるレーザー(16発でエネルギーを1%消費する)であるが、バリアボタンを押すと10%のエネルギーを消耗して、敵に一定のダメージを与えながら損耗する(放って置いても一定時間で消滅する)バリアを張る事ができる。また飛行形態ではロボット形態で受ける重力(一定の高さ以上にはジャンプできない)の影響を受けずに飛べるものの、自動照準機能は切れ、進行方向にのみレーザーが発射される。しかし複雑なマップや並み居る敵キャラが行く手を阻み、個性的な敵の行動を見極めて対処しなければ先には進めない。破壊するとエネルギーが得られる敵キャラクターが在る他、やはり破壊するとエネルギー上限(最大500%)が増える敵もあり、所々に大量のエネルギーを与える隠しキャラ(UFOやチューリップ・ヤマト・ミンメイ人形など)があり、これらを破壊しながら先に進む。各レベルをクリアする毎に最大エネルギー容量が10%ずつ増える。エンディングは自機が破壊されたときのみ流れるソナタ「月光」で、逆に破壊されないで先に進んでいくと、際限なく裏エリアを彷徨う事になる。レベル表示は最大99までとなっているが、それ以上は表示が崩れる(レベル114まで進んでも繰り返し)。この当時のゲームではゲーム記憶媒体の容量的限界もあって、ユーザーを長く遊ばせるために途中から無限ループとすることは良くあることだった。本作も無限ループ制だが、ゲームを終了するにはわざとゲームオーバーになるしかないことを逆手にとり、続編の『ファイアーホーク』では、試作機テグザーは磁力線発生装置破壊後にネディアム内で破壊されパイロットは行方不明となり未帰還、レイピナはパイロットもろともテグザーを見捨てて脱出したというストーリーが形作られた。なおこのストーリーのため、続編では本作との関係性を示すオープニングデモや一部共通するマップ、最終ステージの演出やエンディングが描かれている。操作は8方向(テンキーまたはカーソルキー)とレーザーとシールドの2ボタンで、ロボット形態の時は身長の約3倍程度のジャンプが可能で、下ボタンを押すと飛行形態に変形、進行方向と逆方向に方向操作をするか、壁に直角に当たるとロボット形態に変形する。ただし充分な高さが無い場所では飛行形態のまま180度転進しようとする。レーザーは前方約180度の角度で敵を自動的にロックして発射されるが、壁で遮られていてもロックされる。飛行形態ではレーザーは進行方向にのみ照射される。バリアは敵に接触したり、溶岩などに乗ったりした場合に受けるダメージを防ぐ事ができるが、代わりにバリアが損耗する。バリアが一定残量以下になったら、再度バリアを張る事ができる。横方向に接触した敵にのみ、バリアは敵にダメージを与えて破壊する事ができる。この時代、テレビゲームにプログラマが若干の隠し要素(裏技)を組み込む事が流行していたが、このゲームにも少なからずその要素が含まれる。また日本国外で米Sierra社によって発売されたPC/AT版は、若干ルールが異なり、一部の敵(パフィン)が8%のエネルギーではなく、2%のエネルギーしか手に入らない。またシールド未発生時の敵接触時のエネルギー損耗が異様に早かったり、ゲームアーツ版には無かった位置に隠しキャラクターがあるなどの差異が見られる。ちなみに、このゲームの作成に関し、ゲームアーツでは、電話帳1冊分の機械語を入力したという逸話がある。2009年にスクウェア・エニックスが発売したリメイク版。PlayStation Portable版が2009年10月1日、PlayStation 3版が2010年1月28日に、いずれもダウンロードゲームとしてPlayStation Storeで配信開始。グラフィックの強化やイージーモード・オンライン対戦などの新モードを追加し、PS3版にはオリジナルのテグザーも収録している。
出典:wikipedia
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