マルム・トラフィークIORE形電気機関車はスウェーデンのマルム・トラフィーク社で使用されている超大型の貨物用電気機関車である。マルム・トラフィークはスウェーデンのキルナ鉱山で産出する鉄鉱石をスウェーデンのルレオやノルウェーのナルヴィクといった港に運び出す貨物列車を運行している会社である。このような中でIORE形は老朽化の進む従来からの機関車(スウェーデン国鉄Dm3形とノルウェー国鉄El15形)を置き換えることを目的に製造された。親会社であるLK社が打ち出した鉱山の増産体制に対応するために従来型よりもさらに強力になり、世界最大の牽引力を誇る機関車である。製造にあたりボンバルディア・トランスポーテーションが展開する機関車標準規格「TRAXX」を採用した。また形式名の「IORE」とは(iron ore、鉄鉱石)から名付けられた。2000年から2004年にかけてと2010年から2011年にかけて2度にわたり合計26両が生産された。23m級の車体を2つを永久連結して1両を構成する46m級の超大型機関車である。前面のデザインはTRAXX規格に共通する傾斜をつけたもので、塗装は裾部を赤色それ以外を紺色としている。架線集電のためにシングルアーム式パンタグラフを搭載し、関節を各車体の中心にむける形となっている。雪国で運用されるため下部にはスノープラウが設置されている。最大で貨車68両、重量8,600tにもなる鉄鉱石を運搬しながらスカンディナヴィア山脈を越えなければならないという過酷な条件のために最高速度を犠牲にして牽引力を重視した設計となっており、牽引力は1200kN、短時間の過負荷ならば1400kNまで発揮できる、単体の機関車では世界最大級の牽引力を持っているが、最高速度は80km/hに抑えられている。粘着率の向上のため死重を搭載して機関車の重量を意図的に増やしたほか、車軸配置はCo'-Co'+Co'-Co'(UIC表記)で12軸全てを駆動輪とした。車輪直径は1,250mmで1,150mmまでの摩耗は許容される。電動機の制御にはGTO-VVVFを採用、1台の制御機器が900kWの電動機1基を駆動する方式で、車両全体では電動機12基を駆動することで10,800kWを発揮する。ブレーキは発電ブレーキを装備し最大375kN(1車体あたり)の力で作動させることが出来る。
出典:wikipedia
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