群狼作戦(ぐんろうさくせん、)は、第二次世界大戦中にドイツ海軍潜水艦隊司令 () カール・デーニッツ少将(後に海軍総司令官)が考案した、複数の潜水艦(ドイツではUボート)が協同して敵輸送船団を攻撃する通商破壊戦術の一つである。ウルフパック (英: Wolfpack) ともいう。また、狼群戦術(ろうぐんせんじゅつ)と呼ぶ場合もある。群狼作戦は複数の潜水艦(3隻以上)により執り行う作戦である。まず先発の潜水艦が、偵察機から送られてきた情報から進行方向を予測し、予測海域で待ち伏せをし、輸送艦隊が海域に侵入したのを確認したら各艦で包囲陣形を取り、これを撃滅するという方針である。この方法により、潜水艦の被害は少なくなり、撃沈数は増加した。また、これは作戦と言うよりも戦術であり、そのため群狼戦術と翻訳される場合もある。潜水艦による連携攻撃はアメリカ海軍も取り入れており、大戦中に日本の輸送船団に対して使用している。潜水艦は3隻を1グループとし、また、攻撃方法は包囲殲滅よりも波状攻撃が主であった。アメリカ海軍の狼群戦術は、公式には「調整攻撃グループ」("coordinated attack groups" )と呼ばれ、通常は3隻の潜水艦で一部隊となって哨戒し、出港前に3隻の中から先任の指揮官による統制に服するよう組織化された。は戦術を工夫し、1943年10月1日、最初のアメリカ潜水艦による狼群 - セロ("SS-225")、シャード("SS-235")、グレイバック("SS-208") - を率いて出撃した。なお、アメリカ海軍はによる暗号解読情報を展開中の各艦に通報するなどの支援を行っていた。当時のアメリカ海軍は個人での日記記録を厳禁しており、公式記録以外の個人での狼群戦法の記録は殆ど残っていなかった。しかし、ユージーン・B・フラッキー(Eugene B. Fluckey)少佐が艦長を務めたバーブ("SS-220")の一魚雷員が戦後30年経過してから秘密日記をつけていたことを少佐に告白し、同少佐が回顧録を書く際その内容を具体的にすることに成功した。そのフラッキー少佐の著書を元に講演を行った糸永新によれば、アメリカ軍の狼群戦法をまとめると下記のようになる。伊藤英敏によると、アメリカ潜水艦が積極的に浮上攻撃を実施したのは日本側の警戒の薄さを知った上での行動である可能性も指摘している。その傍証として、航空機による警戒がつけられていた場合でも、レーダー、逆探が装備されておらず、夜間の捜索は目視に頼るしか無かったこと、九六式陸上攻撃機以外の対潜機は下方視界が不良であったことなどを挙げている(専門の対潜機である東海は投入が1945年で数も少なかった)。また、伊藤氏はアメリカ軍が夜間7:昼間3の割合で攻撃を実施し、航跡の残るMk14魚雷を躊躇せず使用し続けたことも挙げている。なお、バーブの戦果は1945年1月24日、グアムに置かれた太平洋艦隊前進司令部の日例会議で報告されたが、アメリカ海軍のチェスター・ニミッツ長官は「潜水艦作戦の内容を公表するのは少なくとも60日後とする」と命じた。これは、以前ある政治家にブリーフィングしたところ、その政治家は報道陣に「日本海軍の爆雷調定深度は浅いためアメリカ潜水艦の被害は少ない」と喋ってしまい、その後アメリカ潜水艦の被害が激増し10隻ほどを喪失した経験によるものだったという。実際、戦争中期まで本当に日本の爆雷調定深度は浅く、下記のような状態で沈降速度も連合軍の使用した爆雷に比較して遅いものだった。これに対してアメリカ潜水艦は次のような性能を持っており、戦争期間を通じて全般的に性能で優越した艦を投入した。マスコミに暴露されるなどの障害があったにも拘らず、なお勝利に結びつけた理由は、物量の他、このような質の面での差も影響している。狼群戦術の使用は冷戦期になると下火となった。近代化された潜水艦は遥かに改良された兵器を搭載するようになり、水中速力も第二次大戦期の潜水艦より向上したためである。潜水艦が大きな部隊を構成する必要はなくなった。代わりに、アメリカ海軍は個々の空母戦闘群に1隻、(稀に)2隻の攻撃型潜水艦を随伴させたのを除いて、攻撃型潜水艦を個艦で哨戒任務に従事させた。弾道ミサイルを搭載した潜水艦も常に単艦で行動した(ソ連の弾道ミサイル搭載潜水艦は入念に防御された海域で行動した)。しかし、2003年3月のイラク戦争の緒戦で"Wolfpack"という言葉は再度脚光を浴びることとなる。この言葉はアメリカ・イギリスの原潜が紅海に展開し、トマホークによるイラク内の目標への攻撃を実施した際に使われた。プロビデンス("SSN-719" )は全ミサイルを発射した最初の艦であり、「紅海狼群の大きな犬」("Big Dog of the Red Sea Wolf Pack")と言う仇名を戴いている。
出典:wikipedia
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