ショクヨウガヤツリ（"Cyperus esculentus"）は、カヤツリグサ科カヤツリグサ属の多年生植物である。栽培型には「ショクヨウガヤツリ」、雑草型には「キハマスゲ」の和名をあてることがある。日本には本来分布していない外来種。ヨーロッパ、北アフリカ原産。北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの世界各地に移入分布する。ハマスゲよりも草丈が高く、0.3-1.2mになる。小穂は黄褐色で、15-30個の鱗片が2列につく。地下茎は、白色と赤褐色の縞模様となる。種子と塊茎により繁殖し、1個の塊茎から600個の塊茎が生産されるほど繁殖力が強い。日本では1980年頃に栃木県那須の酪農家の圃場で、除草剤に著しく抵抗力のあるカヤツリグサ類として初めて確認された。その後も、1986年に石川県で、1988年に京都府で、1990年に熊本県で次々と生育していることが判明した。現在は東北地方から四国・九州までの各地に分布が拡大している。輸入乾草に混入して導入されたと考えられている。地中海沿岸域や西アフリカなどでは塊茎を食用にするために栽培されているが、一方で世界各地では防除の難しい雑草として問題化している。日本でも、トウモロコシ畑や水田に侵入して問題を起こしている。病害虫の観点からも問題視されており、さまざまな感染症を伝播させ、日本では同じく外来種のイネミズゾウムシが本種に好んで産卵することが報告されている。外来生物法により要注意外来生物に指定されている。塊茎は食用となる。本種と人間の関わりは非常に歴史が古い。古代エジプトでは珍重され、食後のデザートや大麦の飲料に甘みを加えるために用いられたといわれており、実際に墓から塊茎が発掘されている。近年ではタイガーナッツ（Tiger Nuts）と呼ばれ、健康食品として注目されている。いくつかの変種がある。

出典:wikipedia