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ザビ家

ザビ家(ザビけ、Zabi Family)は、「ガンダムシリーズ」のうち、アニメ『機動戦士ガンダム』にはじまる宇宙世紀を舞台にした作品に登場する、架空の人物の一族。ジオン公国の中枢を担う一族である。通常は劇中に登場した以下の7人を指す。声:永井一郎(テレビ版)/ 藤本譲(劇場版I)/ 柴田秀勝(劇場版III・特別版) / 浦山迅(THE ORIGIN) / 松山鷹志(ガンダムさん)ジオン公国公王。放映開始時の年齢は62歳。ジオン・ズム・ダイクンの死後ジオン共和国に公国制を敷くが、劇中の時点では実質的に隠居状態にある。政治的には穏健派の立場を取り、急進的なギレンと対立する。乗艦はグワジン級戦艦1番艦グレート・デギン(通常は量産1番艦がネームシップとなるが、公式にも「グワジン級」が形式名称)。ギレン(長男)、キシリア(長女)、サスロ(次男)、ドズル(三男)、ガルマ(四男)の5人の子がいる(テレビ版の準備稿ではミハル・ザビという娘もいた)。妻はナルスだが、子の母親に関しては諸説ある。漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』コミックス6巻でギレン、ドズル、キシリア、ガルマの母親がそれぞれ異なることをデギンがドズルに語っている。なお、サスロとナルスは一年戦争以前に死亡しているため『機動戦士ガンダム』には登場しない。かつてはジオン・ダイクンと盟友関係にあり、0058年のジオン共和国宣言時には地球連邦軍駐留部隊の切り崩しに尽力した。また、連邦軍に対抗するために、共和国宣言時に成立したジオン国防隊を0062年にジオン共和国軍に昇格させ、軍事力の強化に努めた。デギンの軍事拡張路線はダイクンにとって認め難いことだったが、連邦へ対抗するために容認せざるを得なかった(一方、漫画『THE ORIGIN』では、連邦政府との軍事衝突も辞さない強硬姿勢をとっていたのはダイクンの方で、デギンは非戦派だったという新解釈が採られている)。0067年に連邦政府のコロニー自治権整備法案が廃案となると両者の対立はより強くなるが、0068年にダイクンは急死する。これはデギンによる暗殺とする有力な風説があり、ダイクンの遺児シャアもこれを信じているが確証は存在しない(『THE ORIGIN』においては、ザビ家暗殺説はジンバ・ラルが主張するのみで明確な証拠はない。しかし、マスコミを牛耳る次男サスロを利用し、プロパガンダによってダイクンの不審死を連邦による暗殺に仕立て上げたことは事実である)。ジオン共和国初代首相だった病床のダイクンにより次期首相に指名され2代目首相となると、その後ダイクン派(旧ジオン派)を粛清して全権を掌握し、0069年8月15日には公国宣言を行い、ジオン公国初代公王に就任した。しかし、妻ナルスがガルマを生んだ際に死亡したことにより精神的な支えを失い、さらにはダイクン暗殺の報復として次男サスロが車に仕掛けられた爆弾テロにより暗殺(ジンバ・ラル謀略説、キシリア謀略説あり)されたことから、徐々に憔悴していく。また、ダイクンを打倒して頂点に立ってしまったことで功成り名を遂げた後の虚無感に襲われるようになり、全権を子供たちに譲り政治的に隠居した状態になってしまった。その後ギレンは軍事独裁路線を推し進めるが、デギンはこれをよしと思わなかった。ギレンだけでなく、ギレンと政治的に対立していたキシリアのことも好ましく思っていなかったようである。政治の表舞台から身を引く一方で、ギニアス・サハリン技術少将の提案したアプサラス計画を裁可して人員と予算を与えるなど、政治や軍事から完全に引退したわけではなかった。0079年1月3日、ジオン独立戦争(一年戦争)が始まるが、デギンにとってこの戦争の目的はあくまでジオン公国を地球連邦と対等な関係の、完全な独立国家としての主権を連邦に認めさせることにあった。ギレンは当初これを認めていたものの、後に完全に地球連邦を征服した上での、選ばれた優良種たるジオン国民による全人類の管理・運営を目的とするようになった。そのためギレンにとって父デギンは次第に邪魔な存在になっていく。ルウム戦役では座乗艦グレート・デギンを前面に突出させたギレンに対してキシリアが異論を挟んでおり、この頃から既に隙あらば亡き者にしようという意図があったことを暗示している。ギレンとの主張の相違などから、デギンは猛々しい性格のギレン・キシリア・ドズルを疎み、ガルマを溺愛していたが、戦争が予想外の長期にわたりガルマは地球で戦死してしまう。デギンはその一報を聞いた際に、持っていた杖を使者の前で取り落とすほどの衝撃を受けたと言われる。彼はガルマの密葬を望んだが、ギレンは国葬としてプロパガンダに利用し、両者は対立を深めていく。これ以降、デギンはギレンの独裁を抑えるため、ギレンとキシリアの政治的対立を防ぐために、首相のダルシア・バハロに命じ、密かに連邦との講和を図った。その後、ソロモン陥落に際し三男ドズルまでも失うが、ガルマの死で涙も尽き果てていたのか「ドズルにしてもっともなことであるよ」と呟くのみだった。ギレンによる軍事最優先主義が、遂には数百万人を超えるコロニー住民の強制疎開にまでエスカレートし、コロニー国家にとって国土そのものである宇宙コロニーを超大口径レーザー兵器に改造した事、そのソーラ・レイを使用した強引なア・バオア・クー最終決戦を目論んだ事などで亡国の危機感を強め、ギレンを旧世紀の独裁者アドルフ・ヒットラーになぞらえ「ヒットラーの尻尾」と揶揄している。「ヒットラー」については「所詮、敗者」「世界を読み切れなかった男」との観点から発言していた。ア・バオア・クーでの決戦の直前に至り、自ら和平交渉を進めるために独断で旗艦グレート・デギンに乗り込みレビルが率いる地球連邦軍の主力・第一艦隊との接触を図る。だが、自らの戦略に逆らう老いた父へ見切りをつけたギレンは、グレート・デギンの存在を承知の上で、ソーラ・レイをゲル・ドルバ照準に最終設定する。宇宙世紀0079年12月30日作戦時間21:05、指示通りゲル・ドルバ照準で発射されたソーラ・レイの直撃を受け、デギンは敵将レビルと共に光の渦に呑み込まれて死亡。小説版ではソーラ・レイの標的として狙われたのがキシリアとなっており、すでに傀儡と化していたデギンはギレンに存在を無視されていたのと自ら和平交渉に向かうような目立つアクションを起こさなかったことが幸いし、無事に生き残っている。「トミノメモ」では、和平交渉の際ホワイトベースに立ち寄り、会談の後セイラ・マスを指名、ジオン・ダイクンへのデギンの賛意の不変、宇宙移民独裁と奴隷制度復活の罪などについて語り合うが、ギレンが放ったタブロー部隊により狙撃され死に至る。断末魔にシャアの名をつぶやいている。なお『THE ORIGIN』では、デギンは戦争による膨大な犠牲や連邦とジオンの国力差を懸念して、開戦前より強硬に戦争に反対していた解釈が採られている。ルウム戦役後、デギンは捕虜となった敵将レビルと面会し、レビルに早期和平の提案を持ちかけている。そのレビルが帰還後に恩を仇で返す形で戦争継続の声明を出した(「ジオンに兵なし」の演説)ため、激しく憤っている。その憤怒は演説の中継を映すモニタのリモコンを叩き壊し、さらに年を取ってからできた子で「軍人にすべきではなかった」とまで思っていたガルマに対して「徹底的に連邦を叩け」と発言したほどだった。なおこの救出作戦には、キシリアやマ・クベなどの継戦派も裏で手を回していたという説があり(事情を悟ったシャアが、レビルの脱出を見逃す事もあった)、ジオンが開戦時から一枚岩で動いていなかった事情が垣間見えている。デギンは、そのガルマとドズルをも戦火のなかで失って意気消沈してしまい、少しは自分を慕っていると信ずるキシリアに和睦を望む心中を語った。だがそのキシリアも実際はデギンの利用価値がなくなったと考えるのみであり、戦争の原動力たるギレンを断罪する許可を得たのち、ギレンに和平交渉に赴いたグレート・デギンが向かう宙域を打電、ギレンが父殺しを行なうお膳立てをした。すなわち権力を得るための生け贄として、残った家族全員に捨てられたというに等しい最期であった。ゲーム『ギレンの野望』においてはジオン編の全モード(ジオン公国、正統ジオン、新生ジオン、ネオ・ジオン、アクシズ)をクリアすると特別編として「デギンの憂鬱」というシナリオを体験できる。これはザビ家の内輪もめ、より封建国家という世界を強調した「お家騒動」のストーリーであり、キシリアの正統ジオン、ガルマ・ドズルの新生ジオンにジオン軍が別れて三つ巴の戦いを繰り広げるという設定になっている(デギン自身は登場しない)。デギンの容貌はテレビ版・劇場版では下膨れの顔立ちに半透明のサングラスを着用していたが、ORIGIN漫画版では細面気味で鼻が大きく描かれるようになり、ORIGINアニメ版では鼻はそのままでえらの張ったくびれ顎となった。またサングラスは完全な黒塗りとなって目と表情を覆い隠すようになった。なお、ガンダムエース誌の他作品に登場するデギンも、容姿はORIGIN版に準じている。声:田中崇(現:銀河万丈)ジオン公国の総帥にして階級は大将。デギンの長男。放映開始時の設定上の年齢は35歳。『THE ORIGIN』では45歳。身長190cmの長身。少年時代から政治活動に参加し、デギンの隠居後は、ジオン公国の実質的最高指導者(総帥)となっていた。ガンダムの世界において彼の唱えた政治思想や世界観は巨大な影響力を持ち、次世代にまで波及していった。乗艦は不明(グワジン級戦艦グワデン説あり。ただしグワランなどにも坐乗していたことがあるらしい)。 青年時代に父デギンと共に、ジオン・ダイクンの指導する革命運動に参加。ORIGIN版では、ランバ・ラルやサスロらとともに自ら銃をとったこともあった。小説版では当初はジオンの思想に傾倒し、それを支援するデギンを心の底から尊敬した、とある。デギンの隠退後は、ジオン公国の全権を掌握し事実上の最高指導者として君臨する。IQ240の天才で沈着冷静であるが、非情かつ高慢な性格。宇宙世紀0071年にサイド3国民の優秀さを讃え、彼らが選ばれたエリートであるとする選民思想の色合いが強い著書『優性人類生存説』を発表。アースノイドやスペースノイドの大多数には非難されたが、連邦政府の政策に強い不満を持っているサイド3国民からは熱狂的支持を受けた。雄弁家でもあり、アジテーターとしても超一流で、持てる才能を遺憾なく発揮していた。デギンの反対を押し切り、国民の戦意高揚のために末弟ガルマの国葬を利用したところにもそれが現われている。ニュータイプについては、スペースノイドが優良種たる根拠の一因には使えるとは踏んでいた様で、戦争をジオンの勝利に終わらせた後、自らが地球圏を管理・運営しながらゆっくり人類のニュータイプへの覚醒を待つつもりでいると語っている。しかし、その一方でニュータイプ部隊を方便とデギンに説明したり、キシリアからは「総帥がニュータイプの存在を信じてくれれば良かったのだ」と発言しており、ニュータイプの存在そのものは軽視していたことが窺える。ただ、小説版の描写によればギレンのニュータイプ観はダイクンの語ったものに近く、ニュータイプ部隊やキシリアの言うニュータイプを真のニュータイプとみなしていなかったとも考えられる。作中では、政略・戦略の観点から「木星帰りの男」のニュータイプ、シャリア・ブルを戦線に投入した。また『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するグレミー・トトは、彼の遺伝子とニュータイプの素養のある女性の遺伝子とで人工授精させて誕生した試験管ベビーであるという説がある。彼の政治思想は、一種の理想主義、選民思想である。スペースノイドは選ばれた民であり、さらにその中の優良種がジオン国民であると主張し、国民を煽動した。ギレンは総帥という立場から主に政治に専念することが多く、軍事については弟ドズル・妹キシリアに任せていた。しかし一年戦争開戦当初の電撃作戦や地球侵攻作戦、ア・バオア・クー攻防戦の発案者はギレンであり、その指揮も直接ギレンが執った。一年戦争初期には、サイド3(ジオン公国)以外のスペースコロニーに対する毒ガス攻撃を行い、さらにそのコロニー自体を質量兵器として地上に落下させる「ブリティッシュ作戦」により、地球圏総人口の半数を死に追いやった。このような大量虐殺作戦の背景には、地球環境の保全には選ばれた民による支配が必要であり、増えすぎた人口は調節されなければならないという思想がある。地球圏は選ばれた民により支配されなければならないとする考えは、後のティターンズ指導者ジャミトフ・ハイマンなどにも多大な影響を及ぼしている。しかし、彼に匹敵するスケールの政治ビジョンやカリスマ性を兼ね備えた指導者はその後現れていない。デギンからは「(世界を読み切れなかった)ヒットラーの尻尾」と酷評され、その己を省みぬままの急進ぶりを危惧されていた。また、妹のキシリアとは政治的に競合する立場にあり、反目し合っていた。もっとも、ギレンは自らの才能と政治思想に絶対の自信を持っており、キシリアなど歯牙にもかけずに彼女が裏であれこれ画策するのを半ば放置していた。ただし、『THE ORIGIN』版では、父から「腹芸を身につけろ」と指摘されており、キシリアの策謀をそもそも感知できていない、という描写がなされている。また、「ヒットラーの尻尾」と酷評された時は、小説版やテレビ版などでは軽く受け流していたが、『THE ORIGIN』版では顔が引きつり、書類を持つ手が震えるほどの激しい怒りを露わにしており、超然とした態度を終始崩さなかったテレビ版などよりも人間臭さが加味された。一年戦争末期ア・バオア・クーにおいて連邦軍との最終決戦を目論むが、デギンは事態を憂慮し独断でグレート・デギンに座乗して連邦軍との和平交渉に赴く。自らの戦略に従わない老いた父を完全に見限ったギレンは、グレート・デギンの進路こそレビルが率いる連邦軍の主力・第一艦隊の進攻コースと読む。そして和平交渉が始まる前に事を決しようと、予定を大幅に前倒ししてソーラ・レイを「ゲル・ドルバ照準」に最終設定し作戦時間21:05に発射を指令、レビル将軍もろとも父デギンまでも謀殺した。しかし、ゲル・ドルバ線上からグレート・デギンの識別信号が確認されたとの報告を受け、ギレンが父を殺したと知ったキシリアにより、宇宙世紀0079年12月31日、「父殺しの男」としてア・バオア・クー攻防戦の作戦指揮中に射殺された。この際もキシリアに無防備に背中を見せ、銃口を向けられても「冗談はよせ」と一笑に付していたが、その余裕の姿勢が仇となった。これらの「お家騒動」はジオン敗戦の要因の一つとなった(ギレンの突然死によりア・バオア・クーの指揮系統が一時停止し、連邦軍に致命的な隙を作ることになった)。なお『THE ORIGIN』ではシャアの正体を探り出して知った上で喉元に刃を突きつけ、ザビ家への復讐心を棄てさせる約束で配下に加えるとともに、ジオングを与える。だがその直後、アニメに準じた最期を遂げている。家庭的には父・デギンを軽蔑し、弟妹達のことは歯牙にもかけていない。『THE ORIGIN』版ではドズルの死を「武張って短慮を起こしただけ」と冷徹に切り捨てており、それに対してデギンが劣勢ながらよく戦ったドズルを援軍も出さず見捨てたと非難している。ただし弟妹達に積極的に危害・策略を加えるような所はなく、あくまで兄としての愛情が欠如しているのみである。特に末弟ガルマに対しては父の希望を汲んで開戦後も可能な限り安全な場所(参謀本部など)に置こうと配慮しており(前線への配置は武功に逸る本人の意志と、キシリアの策略である)、ガルマ自身は恋人イセリナに対し、「ギレン総帥は皆が思っているような恐ろしい人ではない」「僕達のことはいずれわかってくれる」と語る程度には親愛感を抱いていた。またドズルに対しては彼の死を聞いても冷淡なデギンに対して怒りの表情を見せる一面があり、小説版でもドズルがザクで飛び出した噂を聞いて苦笑してたしなめるなど、ギレンがドズルを気に入っていたような解釈も見受けられる。優れた戦略家とされており、開戦当初のジオンの快進撃はギレンの主導によるところが大きい。またルウム戦役やア・バオア・クーの戦いでも優れた采配を見せ、前線司令官としても優秀であることが分かる。しかし、一方で四つのサイドに対する民間人への毒ガス攻撃・コロニー潰しを立案したのも彼であり、人類史上未曾有の50億人大量虐殺の張本人でもある。また、ブリティッシュ作戦やソーラ・レイのように、強大な一撃で連邦を殲滅する・強大な一撃さえ加えれば連邦は膝を屈すると見下した策に固執するなど、彼我の国力差や世界情勢を本当に理解していたのか疑問符の付く行動も多い。小説版では最終決戦時に宇宙要塞ア・バオア・クーではなく、サイド3のズム・シティで作戦指揮を執っている。ア・バオア・クーを囮にして、味方をも巻き込みつつマハルのソーラ・レイを放って政敵キシリアをも亡き者にせんとするなど冷酷ぶりが目立っていた。最期はシャアやカイらニュータイプを引き連れたキシリアにズム・シティへ乗り込まれ、彼女の「ビーム・ライフル」で射殺される。また小説版では、広大な宇宙に浮かぶコロニーを見て、人類の未来そのものに思いを馳せるという一面が描かれた。「トミノメモ」によれば、グラナダ陥落後キシリアの死後も生き続け、正面から連邦軍との戦いに臨んでいる。シャアの正体を知っても抹殺せず、使える限りは戦力と認める鷹揚さを見せ、積極的にニュータイプを前線に送り出している点などがテレビ本編とは異なる。その死後も、ギレンの思想を熱烈に信奉する集団によって動乱は続いた。宇宙世紀0083年には、エギーユ・デラーズ率いるジオン軍残党勢力デラーズ・フリートが決起し、コンペイトウ(ソロモン)宙域で挙行された観艦式の核兵器による襲撃に続いて北米へのコロニー落とし(星の屑作戦)を決行した(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。また、0088年の第一次ネオ・ジオン抗争においては、ネオ・ジオン(アクシズ)勢力内のグレミー・トトがギレンのクローンを名乗っている(『機動戦士ガンダムΖΖ』)。女性関係は希薄だったらしい。妻がいたとされるが不仲だったといい(小説版では「無能」と断言)、公の場には姿を現しておらず、記録も全く残っていない。小説版では秘書のセシリア・アイリーンと愛人関係であるとされている。なお、クラウレ・ハモンとも愛人関係にあったとする説もあるが、これは小説版から来た設定である。趣味嗜好については、『THE ORIGIN』の「シャア・セイラ編」にて自ら高所ばさみを手に庭園の手入れを行っているシーンや、刀剣(特に日本刀)を手に物思いにふけるシーンがある。アニメ版『THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』では庭園の手入れに代わって囲碁を嗜むなど、『THE ORIGIN』シリーズでは専ら日本的な趣味に耽溺している。膨大な人命を奪った一年戦争を引き起こし、国民を巧みな弁舌で扇動した事でアドルフ・ヒトラーと並ぶ独裁者と称されている。監督である富野はアフレコの際に声優の田中崇(銀河万丈)へ「ヒトラーのように喋ってくれ」と注文を付けている。『ぴあMOOK 愛と戦いのロボット 完全保存版』に掲載された読者アンケートにおける「一番極悪な悪役・敵役は?」の項目で、堂々の1位に選ばれている。出番は序盤と終盤のみの従来の悪役キャラの域を出ず、当時のシャアに比べれば突出した人気はなかった。今日のカリスマ的悪役としての人気を確立しえたのは、ひとえに劇場版3部作(第1作と第3作)の影響である。またゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでその名をタイトルに冠されている。ギレンがガルマ国葬やア・バオア・クー防衛戦時の演説で、国民・将兵・信奉者の士気を鼓舞するために叫んだ言葉「ジーク・ジオン(Sieg Zeon)」は、かつてヒトラー率いるナチスのスローガンだった「ジークハイル(Sieg Heil:ドイツ語で「勝利万歳」の意)」にちなんだものである。OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』でも出演し、前述の演説が新規収録されている。なお、主人公アムロとは直接の接点や対峙がまったくないまま終わるという、当時のロボットアニメにおいてきわめて珍しい敵役であった。ただし「トミノメモ」に語られる52話想定の最終回にあっては、追い詰められてアムロの銃撃によって倒される結末が用意されてはいた。声:小山まみ(現:小山茉美) / 渡辺明乃(THE ORIGIN) / 広橋涼(ガンダムさん)ジオン公国軍突撃機動軍司令で階級は少将。デギンの長女。年齢はアニメ版が24歳なのに対し、『THE ORIGIN』では35歳に再設定された。ギレンとは政治的に、ドズルとは軍事的に対立していた。乗艦はグワジン級戦艦グワジンあるいはグワリブ。『THE ORIGIN』では紫色のチベ級戦艦パープル・ウィドウ、地球降下時はザンジバル級機動巡洋艦キマイラで降下している。初期設定にあってはギレン以上の政治的手腕をもち、サイド6の中立化政策も彼女の画策したものとされる。末弟のガルマに対しては、自分への忠誠心を持つようにある程度優しく接しながら利用していたようでもある。常に顔の下半分を覆うマスクを着けている(公式には宇宙線などによる肌荒れを防ぐため)が、その理由は戦場の血の臭いを嫌悪しているからだとも、女を捨てたからだとも言われている。兄であるギレン同様、家族を始めとする他者を政治的な力関係でしか判断しない冷徹な人物と見られるが、少なくともガルマの葬儀になかなか出ようとしないデギンに労わりの言葉をかけ、ギレンが父デギンを暗殺したことを知った際に見せた怒りは演技ではないと思われる。その点では、ギレンよりは多少人間性の強い側面を持っていると言える。もっとも、父を大切に思う娘の気持ちはしっかりと伝わっていたとは言いがたく、デギンはギレンに対する忠告を行なった際に「キシリアは何を考えるのか」と独白している。なお、腰だめ撃ち用のレーザーガンはキシリアとシャア・アズナブル以外には装備を確認された人物はいない。将官で普段からヘルメットを着用しているのも例を見ない出立である。もっともこれらは、『THE ORIGIN』劇中では装備する士官も見られるようになっている。漫画『THE ORIGIN』では、ジオン黎明期から政争に明け暮れた冷酷非情な野心家でアニメ版以上の悪役になっている。ザビ家の関わったあらゆる陰謀の黒幕的存在として描かれている。次兄サスロの暗殺への関与疑惑、キャスバル暗殺のために無関係な乗客を巻き添えにした宇宙船の爆破、ミノフスキー博士の亡命を連邦軍への示威行動に利用し内通者や反対政治家の暗殺、など容赦がない。キシリア機関と称される独自の諜報機関を指揮し、ジオン軍内部の綱紀粛正を行っており将兵から恐れられた。また、女を捨てたと評されるアニメ版に対して、奔放な男性関係を伺わせる描写がされ、自らも変装し工作活動に従事もしていた。その一方で地球至上主義者のマ・クベ(本作では中将)を抜擢。戦争継続のために南極条約調印交渉の全権を与えたのみならず、和平交渉決裂後に行われた地球降下作戦の指揮権を与えた。信任の証として自らの本心を語り、末弟ガルマ・ザビの身柄を預けている。なお、「シャア・セイラ編」の頃は髪が短く両側に跳ね上がっているなど容姿が若干異なり、マスクも付けず堂々と行動し、「ルウム編」からアニメ版のスタイル(手袋が黒になるなど若干の変更あり)になっている。父デギンに対しては敬愛している姿が強調されるが、アニメ版のように心底からの愛慕ではなく、デギンから「いざというときはギレンを止めてくれ」と嘆願された折、兄ギレンの父殺しを確定させるため和平交渉に向かった父の座乗艦グレート・デギンの座標情報をリークしており、間接的に殺害に荷担している。若くして政治的な野心を持ち、長兄ギレンに対抗するため軍事力や政治ルートなどを独力で確立する必要があったが、自身よりも年上で、すでに政治に身を投じていたギレンに対し、正攻法では困難だった。そのためか、モビルスーツやニュータイプなど新しいものに目をつける傾向が見られる。大佐時代の宇宙世紀0078年10月にはモビルスーツ中心の軍備増強を主張して、宇宙艦隊を重視していた三男ドズルと激しく対立し、両者とも自説が容れられなければ軍籍を離脱するとまで発言している。その結果、ギレンの調停により、ジオン公国軍はドズルの指揮する宇宙攻撃軍とキシリアの指揮する教導機動大隊をベースとした突撃機動軍に分割されることとなった。なお、一年戦争中にも戦略海洋諜報部隊の本拠となるキャリフォルニアベースの取り扱いについてドズルと対立しており、ドロス級大型輸送空母ドロワ(ただし未完成)を譲ることで彼の譲歩を得ている。長兄ギレンと政治的に反目する過程で、自己の政治勢力を拡大することに腐心していった。月の裏側、グラナダ基地を根拠地とし、末弟ガルマ麾下の北米方面軍によって北米大陸を押さえる一方、そのガルマの死に憤るドズルに左遷されたシャアを登用してマッドアングラー隊(大西洋潜水艦隊)を預けたり、腹心マ・クベ大佐を地球に派遣して中央アジア(オデッサ)を中心に鉱物資源を採掘させるなどした。テレビ版18話ではマ・クベと共にアッザムに搭乗して自らガンダムと対戦、その性能を目の当たりにしてドムなどの新型モビルスーツ配備を急ぐ様になる。ニュータイプに対しても一定の理解があり、フラナガン機関を創設した。とはいえ、これはニュータイプの概念を理解したというよりも、兄ギレンに対抗する政治的発言力を強化するための手段としか考えていなかったようである(少なくともシャアはそのように考えており、この点でキシリアはシャリア・ブルを政争の道具にしていたギレンと変わりはない)。また、『THE ORIGIN』では連邦軍によるソロモン攻略戦の際、テレビ版においては見殺し同然に扱っているドズルの元へ一個軍団を擁する空母ドロスに自ら搭乗して向かうが、連邦軍やギレンの動きを巡る政治的駆け引きによりシャアの讒言に乗り、ドロスを援軍として送ることを中止する。シャアとは、「幼い頃に遊んでやった」間柄でもあり、後にその正体を見破るが、彼の目的がザビ家打倒からジオニズム実現へと移行しているとの言質を取った上で、逆に自分の懐刀として使うことを伝えている。キシリアが「シャア=キャスバル」であることを悟った際の心理は小説版で詳細に描写されており、劇場版もこれに準じている。幼いキャスバルの聡明さを愛していたせいか、その正体を知りながらもシャアに対する信頼は篤く、政治的計算の他にも期待するところが大きかったようである。『THE ORIGIN』では、11歳にしてダイクンの後継者として毅然とした態度を見せたキャスバルに少なからず恐れを抱き、後に成長した彼のジオン入国を察知して暗殺命令を出した際には、「無名で朽ち果るつもりなら生かしておいたものを」と独白したことからそれを伺わせている。ガルマの戦死後、軍籍を剥奪されたシャアを捕縛し尋問するが、シャアの持ちかけた取引に応じて以後は部下とする。後にシャアの正体を知った際に、ガルマを殺した男と手を結ぶ事に対して自己嫌悪の感情を示しており、悪役ぶりが強調された『THE ORIGIN』の中で、唯一、人間味が増した描写となっている。宇宙世紀0079年12月31日、長兄ギレンが父デギンを謀殺したことを知り、これを機に宇宙要塞ア・バオア・クーの戦いの最中に司令部でギレンを射殺。兄に代わって総司令となるが、皮肉にもそれまで優勢だった戦況がこの暗殺による指揮系統の混乱をきっかけに暗転。さらに連邦軍の猛攻によるドロス、ドロワを始めとする基幹部隊の壊滅やデラーズ艦隊の戦線離脱等々による防衛線の崩壊によってジオン軍の敗色が濃厚となる。『THE ORIGIN』では、ギレンによるデギンの謀殺もキシリアが情報をリークした事によるものであり、最初からギレン抹殺の目的をもって援軍とともにア・バオア・クー宙域に赴き、ドロスの圧倒的な火力で連邦艦隊に致命的打撃を与えたところで、司令塔に向かい予定通りの凶行を行う。この時点では軍事的優位に立っていたが、予想外の人物であるアルテイシア・ダイクンを担ぎ上げた叛乱部隊の蜂起によってキシリアのシナリオは狂わされ、結果的に彼女の旗下に寝返った将兵と共にシャアの凶弾に倒れることとなる。戦局が絶望的となった時点で、司令部のトワニング大佐(准将、少将説もあり)に事後処理を任せ、ザンジバル級機動巡洋艦(『THE ORIGIN』ではチベ級)で脱出を図るが、発進寸前に(部下を見捨てて逃げるキシリアの不人情を許せないと判断した)シャアがブリッジに向けて放ったバズーカ砲の直撃によって死亡。最期の瞬間、自分に砲口を向けるシャアを確認したときの表情は驚愕に充ちたものだった。これはこのとき、キシリアはシャアが搭乗していたMSジオングからの識別信号が途絶した報告を受けており、彼を戦死したものとみなしていたためである。乗艦していたザンジバルもその直後に連邦軍艦の集中砲撃を受けて轟沈し、公式記録ではこれによる戦死とされている。一年戦争終結当時、キシリアの死をもってザビ家の血筋は絶えたと思われたため、ザビ家とジオン公国は完全に崩壊したと見られた。小説版では、ソロモンではなくグラナダが連邦軍の進攻ルートとして狙われ、キシリアの采配のまずさもあってあっさりとグラナダを奪われ、ア・バオア・クーに合流。その後の防衛戦ではランバ・ラルとハモンから受けた警告に従ってア・バオア・クーの宙域をただちに離脱したことにより、ギレンが連邦軍とキシリアを同時に屠ろうとしたソーラ・レイの直撃を辛くも逃れている。その後、怒りに燃えてシャアやカイ達ペガサスのクルーと共にズム・シティへ乗り込み、追い詰めたギレンをシャア専用リック・ドムの掌上から「ビーム・ライフル」で射殺。しかし、その直後にシャアが文字通りリック・ドムの「掌を返し」たため、地上に墜落死するという最期を遂げている。なお、小説版ではキシリア自身にもニュータイプの素養があったとされている。昔、幼いころのキャスバルとアルテイシアを見て「自分も金髪碧眼の男性と結婚し、こういう子供を授かってみたい」と感じていたという心境も描写された。「トミノメモ」に記された予定では、ギレンを排除する暇もなくグラナダで連邦軍と交戦し、自らも宇宙用アッザムでシャアとともに前線に出るものの敗北してシャアに刺殺され、生涯を閉じる。テレビ版と同じくシャアの正体を見抜いていたため、無抵抗のまま彼に討たれた。OVA『MSイグルー2 重力戦線』では、声のみながら登場。第1・2話の冒頭で、地球降下作戦時のキシリアの演説が流れている。『モビルスーツバリエーション』では、一年戦争末期にジオン軍のエースを集めて編成した部隊「キマイラ隊」を設立。ゲーム『めぐりあい宇宙』内の「ジョニー・ライデン編」にて、その様子が映像化された。ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』では、ザンジバル級機動巡洋艦キマイラに乗船し、ライデンなどに護衛されながら地球降下する様子が描かれている。また、漫画『ガンダムパイロット列伝 蒼穹の勇者達』では、ライデンが少女時代のキシリアに助けてもらったことがあり、ジオン軍パイロットに志願するきっかけになった憧れの女性としている。こうしたストーリーの性格上、キシリアの容貌は従来のきつい年増風の顔ではなく、マスクをした美女のように描かれた。ゲーム『ギレンの野望』では、キシリアを指導者とした「正統ジオン」をプレイ可能。ニュータイプに積極的に興味を示していた劇中の設定が反映され、ニュータイプのパイロットたちを最初から使用できる。24歳という設定だが、彫りの深い外見からガンダム関係の漫画(『機動戦士ガンダムさん』など)ではしばしば年増呼ばわりされるネタとなっている。なお、アニメ最終話でシャアのバズーカによって射殺されるシーンは、原画を担当した板野一郎によって、現実性を重視するあまり首がちぎれ飛ぶだけでなく内臓や腕も飛び散る様子が描かれているが、これを見て「やりすぎだ!」と激怒した富野は効果をかぶせることで、あまり見えないように修正している。声:藤真秀(THE ORIGIN)デギンの次男。年齢などの詳細は不明(宇宙世紀0068年没説あり)。アニメの準備稿に設定として存在し、世間一般には小説版で初めて名前が登場した。一説には安彦良和のキャラクター原案のラフスケッチが流出し、そこから生まれたキャラクターともいわれる。後のギレンとドズルの原型となるらしいスケッチ画が残る。一年戦争時にはすでに死亡していたため、アニメ『機動戦士ガンダム』作中には登場せず、小説版でも文官としての資質が高かった旨が語られるのみで、その人物像は不明。また、小説版ではギレンがダイクン派との抗争で暗殺されたサスロの死を惜しむ場面があることから、兄弟の中で唯一ギレンが評価していた人物だと言える。サスロは漫画『THE ORIGIN』シャア・セイラ編で、ザビ家の次男として初めて本格的に描かれた。その作中での容姿は、デギン譲りの顔立ち(特に鼻)にギレンの目つきの悪さ、ドズルの屈強な体格を併せ持っていた。激情家で気性は荒く、感情を率直に表現する表裏のない性格。ジオン・ズム・ダイクンの非合法活動期には、兄ギレンやランバ・ラルとともに地下活動家としてダイクンに従い暗躍していた。そしてサスロは、勃興期のジオンでムンゾ国民運動部長としてマスコミを牛耳り、ザビ家の支配拡大のための世論操作などを行っており、その仕事ぶりの良さは兄弟も評価するところであった。その一方で、ダイクンの遺児たちを軽視して野放しに取り逃がした妹キシリアを容赦なく咎めて平手打ちにし、弟ドズルにはやりすぎではとたしなめられる一幕もあった。しかしサスロとしてはキシリアの慢心を諌めるための行動との意識をもち、逆にドズルへお人好しすぎると叱責するなど、不器用ながらに家族を気遣っている。その矢先の爆殺によるサスロの死は、マスコミ操作により世間ではザビ家と対立するジンバ・ラルの謀略と流布された。この件をジンバ・ラルは、むしろギレンの陰謀ではないかと述べていたが、ランバ・ラルはギレンがサスロの才能をむしろ買っていた事から否定している。前述の平手打ちの一件から、彼に怨恨を抱いたキシリアが首謀者と思わせる描写があるが、真相は定かではない。その死についてギレンは、後に冷淡であったキシリアに対し「サスロの冥福でも祈ってやれ」と発言している。ドズルはサスロ暗殺事件の際に負った顔の傷をあえて残し、「パーティーなどの派手な行事に参加するのは嫌になった」と語っている。安彦はサスロはザビ家の中では平均的な人物で、安定感のある人間がいなくなったことによりザビ家の不和が際立っていったと語っている。妻子については不明だが、ドズルの子ミネバが戦後のザビ家唯一の血筋だったことから子供はいなかったと見られる。漫画『ギレン暗殺計画』ではジオン建国に多大な貢献をしたホト・フィーゼラーの口から、サスロは政才に富み、民衆の中に自ら入り意見を汲み上げていたゆえ、まったく逆に単独で熟考を重ねるギレンとは国民からの支持を二分する恐れがあり、国の分断を避けるためザビ家の指示によって暗殺されたと語られ、『THE ORIGIN』とは相反する描写となっている。ただし本作自体が二次創作であり、内容は公式のものではない。本作ではホト・フィーゼラーの回想の中でデギンやドズルに似た輪郭のシルエットとして描かれている。声:長堀芳夫(現・郷里大輔 / テレビ版・劇場版I)/ 玄田哲章(劇場版III・特別版)/ 辻親八(SSゲーム版) / 三宅健太(THE ORIGIN)ジオン公国軍宇宙攻撃軍司令で階級は中将。身長210cmの巨漢。加えて、顔には名誉の負傷による縫合跡や傷痕がいくつも残る強面。アニメ版の年齢は28歳。『THE ORIGIN』では39歳に再設定された。ザビ家の三男。なお、小説版では年齢は明かされていないがキシリアが姉でドズルが弟である。少年時代には不良仲間の頭目として治安部隊に鉄拳を見舞う姿も見られたが、その行動は弱者の味方としての彼なりの正義感によるものであった。初期設定には「女性に弱い」との記述も見られる。なお、軍服の肩のトゲは威嚇用であるとも、従来のロボットアニメの“典型的な力押しタイプの悪役デザイン”の名残であるとも言われている。ドズルは父であるデギンからは不当に冷遇されている。アニメ版では彼の戦死を聞いたデギンは「ドズルにしてもっともな事であるよ」と述べるにとどまっている。『THE ORIGIN』では、ガルマが士官学校の生徒達と蜂起した「暁の蜂起事件」の際、ジオン士官学校校長だったドズルは後に妻となるゼナ・ミア候補生に足止めされて身動きがとれずに終わり、事件後デギンから「役立たず」と罵られ、ガルマ達の責任を全て負う形で辞任させられている。ただし全く父から愛されなかったわけではなく、彼の戦死後デギンはわずかに残っていた戦意を殺がれ落涙、ただちに連邦との停戦を決意する(上記の通り、アニメ版とは描写が逆)。本作での性格は父デギンに最も近く描かれており、戦争に大きな犠牲を払うことに悔恨し、無用な殺生を好まない。身内に寄せる愛情は深く、ひとたび事が起こると短気を発する激情家といった側面が極めて相似している。乗艦はグワジン級戦艦グワラン(小説版ではガンドワ)、ルウム戦役時はシャアに譲渡する目的で竣工され、将官用ムサイ級カスタム軽巡洋艦ワルキューレとも言われるムサイ級軽巡洋艦ファルメル。搭乗したMSはドズル・ザビ専用ザクIIで、コクピットは彼の巨体に合わせて拡大され、両肩に刺がつき、カーキベースの金縁模様、ヒートホークはランバ・ラル専用ザクIと同じ大型タイプという、いかにも高級カスタム機らしい風情である。また同じく専用の、両肩と手の甲を棘で飾ったリック・ドムをも所有していたとされるが、観艦式などで士気を鼓舞する目的外の使用は稀だといわれる。ただしこれらは設定上の話で、彼の専用艦船やMSはアニメ本編には登場していない(グワランはソロモン防衛戦で出撃したが彼が乗っていたわけではない)。テレビ版第11話と劇場版Iでは、ガルマの葬儀に出席するためにズム・シティに帰還する際は一般型のムサイに乗艦している。ルウム戦役後は、サイド1の空域に建設された宇宙要塞ソロモンに駐留する。ザビ家には父のデギンをはじめ、ギレンやキシリアといった政治力に長けた人物が多いが、ドズルは政治に関与せず、純粋な武人として振舞っていた。指揮官としての統率力・指揮能力も十分にあり、部下の信望も篤い。また愛妻家としても知られており、家族に深い愛情を注いでいた。『THE ORIGIN』では、妻ゼナに向かって権力の増大とともに人間味を失っていく肉親たちを嘆いている。彼女との出会いは暁の蜂起事件に加わったゼナに個人的相談を持ちかけられ、その実拘束されたことによる。事件後、引責辞任で校長職を失った後に求婚している。妻のゼナとの間に娘ミネバがおり、ザビ家の直系として一年戦争後も彼の血脈だけは続いた。当初はモビルスーツを軽視していたものの、一週間戦争の戦果によりそれを認めるようになった。『THE ORIGIN』ではこの通説と異なり、開戦前からモビルスーツの開発を主導したことになっている。以後は司令官としてだけに留まらず、ザクIIF型(S型説もある)を改修した専用機を操り前線に出向くこともあった。これはポーズに過ぎないが、前線兵士の士気高揚に大きな効果を上げたという。小説版では、ルウム戦役で戦場視察を名目に実戦に飛び出したことが描かれた。この時には幕僚が慌てて三戦隊を差し向けたというが、戦果は記録されていない。母ナルスの面影を強く残す弟ガルマを溺愛しており、彼の能力を高く評価して、ドズル自身をも使いこなすような将軍になれと言う程その成長を楽しみにしていた。そのため、ガルマの戦死後には彼を守りきれなかったとしてシャアを左遷した。彼自身はシャアの処刑を主張していたが、デギンの裁定で左遷となった経緯がある。またガルマの仇討ち部隊としてランバ・ラル隊を地球に派遣している。また、左遷の後キシリアに登用されたシャアを牽制するために、サイド6に寄港したホワイトベースに対してコンスコン少将指揮下の機動部隊を派遣している。地球連邦軍のチェンバロ作戦(ソロモン攻略戦)が開始される前にギレンへ援軍を要請するが、ソロモンに送られてきたのは試作モビルアーマー「ビグ・ザム」1機のみだった。通信での会議の席でビグ・ザム1機で2~3個師団にも相当するはずと豪語するギレンに対し、ドズルは思わず「戦いは数だよ」と不満をぶつけている。宇宙世紀0079年12月24日、ついにティアンム提督指揮下の連邦軍によるソロモン攻略戦が始まる。突撃艇パブリクによるビーム撹乱幕によって要塞据え付けのビーム砲を封じられるも冷静に対処、拮抗を保ち連邦主力艦隊を警戒する余力もあったが、量産MSジムやボールによる熾烈な攻撃に加え新兵器ソーラ・システムにより甚大な被害を受け、劣勢に追い込まれる。もはやソロモンを支えきれないと判断したドズルは、妻子を脱出させた後にソロモンの放棄を命令し、自らはビグ・ザムに搭乗して出撃。残存兵力が撤退する時間を稼ぐため、連邦艦隊の中心部へ特攻をかけた。このとき、ドズルは一般兵用のノーマルスーツで出撃したが、安彦はドズル用ノーマルスーツの案を持っていたものの、テレビ版制作当時、過労で入院していたため実現しなかった。なお『THE ORIGIN』では、ドズルはスパイクのついた肩が特徴的な専用ノーマルスーツを着用。ドズルの操るビグ・ザムは強力な磁界(後のIフィールド)を張り巡らせて長距離ビーム砲を無効化し、大型メガ粒子砲でティアンム提督の旗艦「タイタン」を撃沈、さらに拡散ビーム砲の斉射によって連邦軍のサラミス級巡洋艦やモビルスーツを多数撃破した。この圧倒的戦果に自信を得たドズルの「ビグ・ザムが量産化できれば連邦に勝てる」という意味のセリフは印象的であり、現在でも引用されることが多い。しかし、Iフィールドジェネレーターによるバリアシステムの弱点を見抜いたスレッガー・ロウは、自らが操縦するGファイター(劇場版ではコア・ブースター)とアムロ・レイの操縦するガンダムを合体させ、攻撃が有効となるギリギリの距離まで接近しての攻撃をかける。この捨て身の攻撃でスレッガーは戦死したが、ビグ・ザムはガンダムのビームサーベルで撃破され、ドズルは戦死した。その直前、ドズルは「たかがモビルスーツ一機にこの大戦の趨勢を決められてたまるか、やらせはせん」と叫びながら単身ノーマルスーツ姿で無反動ライフルをガンダムに向けて発砲しているが、アムロはドズルの背後に立ち昇る悪鬼のような人間の情念を目の当たりにして戦慄している(劇場版ではもっと抽象的な黒い霧のような存在に描き直されている)。小説版では「こんなのがいるから戦争が終わらないんだ」と吐き捨てられた。小説版でもテレビ版と同様にビグ・ザムで出撃し、ガンダムとの戦闘後に戦死しているが、いくつかテレビ版と大きな相違がある。まず戦場がソロモンではなくコレヒドール宙域(ソロモンとア・バオア・クーの中間点)であること、次いでスレッガーは戦死せず一年戦争を生き延びていること、死に際に彼の脳裏に浮かんだ妻の名がゼナではなく「ナルス」となっていることなどである。ペガサス隊の猛攻によってドズル艦隊は壊滅し、ドズル自身もビグ・ザムで発進したがアムロ隊のGM一機をガンドワとの波状攻撃でかろうじて撃破したのみで、直後にアムロのG-3ガンダムに撃墜される。ドズルは策略家だったギレンやキシリアとは異なり、ザビ家の中ではもっぱら現場第一主義だった。戦略的視野に欠けた司令官として批判されることもあるが、基本的に有能な指揮官であり、前線の兵士のこともきちんと考えていたため、部下にも敬愛されている。また、連邦軍の戦力や兵器を過小評価したこともない。「戦いは数だよ」という発言や、『THE ORIGIN』における士官学校校長としての訓示などにその一端がうかがえる。機を見るに敏感なところもあり、陥落を予見し妻子を逃がしたのみならず、早々に放棄を決定し多くの将兵を逃がした。『THE ORIGIN』では、ザビ家の政敵ラル家の惣領(ランバ・ラル)の手腕を高く評価し、三連星と共に抜擢。モビルワーカー(後のMS)開発に従事させた経緯が詳細に描かれている。非人道的なブリティッシュ作戦遂行を巡って対立したものの、ガルマ戦死に際して仇討ち部隊指揮官に再抜擢しており、ラルからは男にして貰った恩義があるとされ、ザビ家では例外的な武人として評価されている。更に連邦側の反攻作戦である「V作戦」の危険性にいち早く気づき、地球降下作戦従事のため、マ・クベに引き抜かれるところだったシャアに独立部隊を与えて調査に当たらせるなど先見の明に長ける。ソロモンが連邦軍のソーラ・システムにより危機に陥った際も、二射目を阻止するために早々に手を打ち、指揮官のティアンムを戦死させている。だが、終生一軍人に徹したがゆえにそれぞれの派閥を作る親兄妹から孤立してしまい、ソロモンの危機に際しても、援軍を出したのはギレン一人で(それも未完成の試作モビルアーマー1機)、キシリアの援軍は到着せず、デギンもソーラ・レイの開発を政治家として嫌がり(「父上はソロモンに落ちろと言うのか」と言っている)結果としてドズルは孤立無援のままソロモン戦を迎えた。この点について『THE ORIGIN』では兵の決死の労を称えつつ、これに「ギレン、キシリアが政治の対立で数万の将兵を見殺しにした」と激怒し、「彼らの内紛がジオンを滅ぼす禍根になる」と自身の死後を予言した言葉を残している。しかし、そのドズル自身も、弟の仇討ちを理由にキシリアの勢力圏にろくな調整もなくランバ・ラルを送り込みマ・クベとの対立を招く(ラルからも「ザビ家の個人的感情から出た作戦」と断言された)、キシリアとシャアへの当てつけを目的にコンスコン隊に艦4隻にドム18機(劇場版では艦3隻とドム12機)を与えて送る、盗聴の危険性が大きい直接通信でギレンに怒鳴り込む、「物笑いの種になる」との理由でキシリアへの援軍要請を拒む、キシリア配下のマ・クベによって提案された統合整備計画を開戦まで黙殺するなど、私情を優先した行動が多く見られた。また小説版ではソロモンではなくグラナダが連邦軍に狙われるのだが、ドズルはキシリアに援軍を出さず見殺しにし、その後連邦軍に「無視」されたのに怒って追撃するという戦略性・協調性のなさも見せた。逆に戦略家である兄ギレンに対し自らの頭脳が劣るとの思い込みから、開戦時には兄の仕組んだブリティッシュ作戦を無批判に実行したこともあり、ラルの離反や自らの行為への悔恨を招く結果にも繋がった。彼の元にはシャア・アズナブル、シン・マツナガ、アナベル・ガトー、ランバ・ラルなど多くのエースパイロットが集まった。ザビ家ではギレンやキシリアのように肉親をも手駒となす非情さを持たず、それゆえにやがて孤立して戦いの中に散った悲劇の人とも言える。『THE ORIGIN』ではより人間味のある部分が強調されており、ルウム戦役で殿を務めた僚艦の撃沈に涙したり、ルウム戦役の終結時には全軍に「すべての戦死者への敬礼」を命じる描写がある。ブリティッシュ作戦を実行後、我が子の寝顔を見て「何億人ものミネバを殺した」と号泣したり、家族皆揃って過ごした昔を懐かしむなど、ザビ家では最も家族想いである。また、ゲーム『ギレンの野望』では、ルウム戦役で捕虜になった敵将レビルに敬礼するシーンもあり、武人としての礼節を重んじる一面もあったようである。ゲームなどの声優はテレビ版の声優の郷里の起用が多かったが、ときどき劇場版IIIの玄田が起用されることもあり、劇場版の特別編製作に当たっても劇場版Iを含めて玄田に統一されている。2010年1月に郷里が急逝した後の『ガンダム無双3』で玄田が起用されている。声:森功至 / 柿原徹也(THE ORIGIN) / 興津和幸(ガンダムさん)ジオン公国軍地球方面軍司令。階級は大佐(『THE ORIGIN』でも大佐)。デギンの四男(一部では三男とする説もある)。放映開始時の設定年齢は20歳。『THE ORIGIN』では23歳(士官学校時は22歳)。主な乗機は専用ドップ、ガウ攻撃空母。ジオン公国の士官学校を首席で卒業。ジオン公国の御曹司にして美男子ということでジオン国民の人気も兄弟の中で高く、父デギンや兄ドズルからもその将来を嘱望されていた。基本的に優しくナイーブな青年で、育ちが良いせいか疑うことを知らず他人を信用し過ぎるため、ガルマを溺愛していた父デギンは彼が軍人の道を選んだ事をかなり心配していた(『THE ORIGIN』では気性が優しいガルマに対して「学者にでもすれば良かった」と心配するシーンもある)。また、右手で前髪をいじる癖がある。シャアのガンダムシリーズを通してのただ一人の友人で、士官学校以来の付き合いである。シャアはザビ家への復讐のためにガルマに近づいたのだが、「お坊ちゃん」「坊や」と精神的な甘さを指摘する一方、「いい友人」とも発言する。一年戦争ではジオン公国軍の地球方面軍司令官として北米に拠る。北米は豊富な工業力と食料地帯を有する上に南米の連邦軍本部ジャブローを牽制する要地でもあった。しかし、実質的に地球方面軍は姉キシリア率いる突撃機動軍の麾下であり、彼はあくまで名目上の司令官でしかなかった。またその権限も実質的にジオン地上軍第2軍(北米軍)司令官程度の物に限定されている。これは年齢が兄弟の中で一番若いガルマを無闇に前線に出したくなかった父デギンの配慮のためであった。占領軍の司令官としては割合有能で、軍規の維持に成功していたのみならず、現地の住民とも友好的な関係を築いていた。また、占領地として赴いたニューヤーク(『THE ORIGIN』ではロサンゼルス)の前市長エッシェンバッハの娘、イセリナとは結婚を誓い合う仲だった。しかし父エッシェンバッハは2人の仲を最後まで認めなかった。ガルマは司令官でありながら、ブラウンに塗装された専用戦闘機であるドップに搭乗し、前線に出撃することも多かった。地球降下作戦にはザクIIFSに搭乗したという説がある。ガルマがモビルスーツ操縦技能を持っていたかは劇中で語られていないが、シャアは「モビルスーツに乗って出撃したか?」と兵に聞いている(第6話)。また後付け設定として愛機に描かれたパーソナルマークが存在している。シャアに「ジオン十字勲章」ものの獲物だとそそのかされ、いくどとなくホワイトベースへ攻撃を仕掛けるものの、ガンダムに搭乗するアムロの奮闘と新米指揮官らしくないブライトの奇策によってホワイトベース隊に連敗する。ホワイトベースが北米大陸を抜け、太平洋に出ようとする第10話で「親友」シャアの口車に乗り、囮となってあらぬ方向へ逃走するガンダムをガウで追跡するよう誘導され、待ち伏せしていたホワイトベースおよびガンキャノン、ガンタンクに総攻撃を受ける。その際、シャアから裏切りを告げられ、愕然としながら初めて「親友」の正体と本性に気づく。嘲笑するシャアの声が響く中、ガウ攻撃空母の舵を自ら取り180度回頭させてホワイトベースを道連れにすべく体当たり攻撃をかけるも間一髪でかわされ、爆発四散するガウの中で戦死する。脳裏にイセリナを思い浮かべつつ叫んだ最期のセリフは「ジオン公国に栄光あれ」である。なおシャアがガルマを間接的に謀殺したという事実は表には出ていないが、シャアはガルマを守りきれなかった責任をドズルに問われ、左遷(予備役編入)されている。ガルマの葬儀は国威発揚・戦意高揚のための国葬として、ギレンによって大々的に利用される。しかし、父親であるデギンは、身内のみでの密葬を望み、最後まで国葬に難色を示していた。また、テレビ版第11話ではイセリナが、ガルマの部下・ダロタと共に敵討ちに向かう。その後、仇討ち部隊としてドズル麾下のランバ・ラル隊が地球に降下し、ホワイトベース追撃の任務に当たることになる。小説版ではあくまでも純粋にホワイトベースとの戦いの中で戦死した。その際のシャアの独白から、シャアに謀殺の意図はなかったことが伺える。セイラもアムロとの会話の中で(結果としてザビ家の人間を一人殺せたとは思ったかもしれないが)意図的に親友のガルマを殺そうとするはずがないと述べている(セイラはシャアから手紙でガルマとの深い友情を知っていた)。放送当時、その容姿から女性ファンにはシャアと並ぶ人気があり、死亡した第10話の放送後、カミソリ入りの手紙がサンライズに送られたり、葬式がファン一同で教会で営まれたという逸話がある。士官学校でシャアとルームメイトであったという設定は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に先駆けてファンジンの後付設定として一人歩きしていたことが、当時のアニメ誌などで窺い知れる。漫画『THE ORIGIN』では、一年戦争以前でもシャアに強烈なライバル心を抱き、事あるごとに張り合うが、やがてライバルから友人として信頼していく。またガルマは決して無能ではなく、むしろ有能な人物であるが、シャアという圧倒的な才能の前にはかすみがちであり、加えて苦労知らずだったために、むざむざと復讐に燃えるシャアの犠牲になってしまう。立場も北米方面の一司令官として描かれ、地球侵攻軍総司令はマ・クベ中将であり、ガルマはその配下とされる。この人事は、デギン公王が溺愛するガルマ

出典:wikipedia

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