「蛍の光」(ほたるのひかり)は、日本の唱歌である。原曲はスコットランド民謡 「オールド・ラング・サイン」であり、作詞は稲垣千頴による。作詞時の曲名は『螢』、後に『螢の光』となった。漢字制限(当用漢字、常用漢字)により、現行の表記では「蛍の光」となる。「オールド・ラング・サイン」は、ヨーロッパ中に、さらには海を越えてアメリカ大陸へも普及していった。明治10年代初頭、日本で小学唱歌集を編纂するとき、稲垣千頴が作詞した今様形式の歌詞が採用され、「蛍の光」となった。1881年(明治14年)に尋常小学校の唱歌として小学唱歌集初編(小學唱歌集初編)に載せられた。以下の歌詞は、小学唱歌集初編(1881年(明治14年)11月24日付)に掲載された時のものである。歌詞の冒頭「蛍の光 窓の雪」とは、「蛍雪の功」と言われる、一途に学問に励む事を褒め称える中国の故事が由来である。3番は出版前の1881年(明治14年)の段階ではという歌詞だった。これを文部省でチェックしたところ、普通学務局長の辻新次から「かはらぬこころ ゆきかよひ」という部分が、男女の間で交わす言葉だというクレームがついたために、翌年まで刊行が延びた。奥付は1881年(明治14年)11月であるが、実際に刊行されたのは1882年(明治15年)4月のことである。4番の歌詞は、領土拡張等により文部省の手によって何度か改変されている。メロディのみの演奏についてはオールド・ラング・サイン#日本を参照。大日本帝国海軍では「告別行進曲」もしくは「ロングサイン」という題で海軍兵学校や海軍機関学校等の卒業式典曲として使われた。士官や特に戦功のある下士官等が艦艇や航空隊等から離任する際にも演奏もしくは再生された。地方を中心に、日本全国で「仰げば尊し」とともに、卒業式の定番唱歌であるなど、別れの曲としてよく知られている。図書館・博物館などの公共施設や、商業施設で、閉館・閉店時間直前のBGMとして鳴らす。暗黙に客の退出を促している。また、一部の公共交通機関で終着地に到着する時に流れる場合も有る。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのカウントダウン・パーティにおいて、カウントダウンセレモニーの一環として3分前から2分半演奏される。阪神タイガースの試合で投手交代時に使用される。かつて、青森と函館を結んだ青函連絡船において、毎回の出港時にメロディが流れた。また、東京竹芝桟橋と小笠原諸島を結ぶフェリーおがさわら丸が父島の二見港を出港する際にもこのメロディが流れる。北大阪急行千里中央駅では、終電専用の発車メロディとして採用されている。かつては阪急電鉄梅田駅でも戦後から長期に渡り終電の発車メロディとして使用されていたが、「(蛍の光は別れの曲というイメージが強いため)暗い」「明日への元気を感じさせる元気な曲にしてほしい」という意見を受けたため「第三の男」のテーマへと変更した。鉄道路線が廃線になる際、最終列車が出発する前のセレモニーでも流れることが多い。日本では、多くの公共施設や商業施設において、閉館・閉店直前のBGMとして流されるという認識が多い「蛍の光」だが、実際は「蛍の光」の原曲(オールド・ラング・サイン)を三拍子に編曲したものであることが多い。日本では「別れのワルツ」として知られているが、その経緯は以下のとおりである。この三拍子バージョンの初出は、MGM映画の「哀愁」で主役の二人がクラブで踊るシーンだった。この映画が日本で公開されたのは1949年で、映画とともに音楽も強い印象を与えた。そこでコロムビアレコードはこの曲('Farewell Waltz'と呼ばれている)をレコード化しようとしたが、音源がなかったため、古関裕而に採譜と編曲を依頼。古関はこの仕事を完遂し、「別れのワルツ」のタイトルで日本でレコード化され、大ヒットした。なおこの際、「編曲:ユージン・コスマン(EUGENE COSSMANN) 演奏:ユージン・コスマン管弦楽団」とレコードに表記されていた上、洋楽規格のレコードで発売されたため、人々はこれを外国録音の演奏だと思い込んでいた。実際には「ユージン・コスマン」なる人物は存在せず、「古関裕而」の名前をもじったものである。アナログレコードとしては、初出のユージン・コスマン楽団演奏のSP盤『別れのワルツ/アニー・ローリー』(日本コロムビアL-10)、モノラルEP盤(日本コロムビアPP-7)、モノラルEPシングル盤(日本コロムビアLL-10)、疑似ステレオEP盤(日本コロムビア45S-10)、同一原盤による移行再発EP盤(日本コロムビアYK-10)がロングセラーとなり、閉店などの場面で広く使用された。また録音劣化に伴い、学芸規格として実用レコードシリーズ『別れのワルツ-蛍の光-/家路-「新世界」より-(編曲:若松正司演奏:コロムビア・オーケストラ 日本コロムビアGA-8)、『蛍の光/仰げば尊し』(編曲:岩窪ささを演奏:コロムビア・オーケストラ 日本コロムビアGA-10)も発売された。世界中の音源から「蛍の光」に関する楽曲をオムニバス形式で集成し、詳細な解説と年譜を付したもの。旧詩4番まで歌っているCDとして、以下のものがある。ザ・ピーナッツは、「オールド・ラング・サイン」のインストアレンジ「別れのワルツ」に「蛍の光」の歌詞を乗せた歌を歌っている(曲名は「別れのワルツ」)。2004年(平成16年)発売のCD-BOX、ザ・ピーナッツ メモリーズBOXに収録している。クラシック風のものとしては、ウィンナ・ワルツ演奏の巨匠として知られたロベルト・シュトルツが1960年代にベルリン交響楽団を指揮してウイーン風ワルツ以外の作品を集めた「世界のワルツ」に「別れのワルツ」が収録されている。
出典:wikipedia
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