カラシン目()は、硬骨魚類の分類群の一つ。全種が淡水魚で、観賞魚としてよく知られるテトラやピラニアの仲間など、2亜目18科270属1,674種で構成される。カラシン目には2006年の時点で1,600を超える種が記載され、魚類の目の中ではスズキ目(約1万種)、コイ目(約3,200種)、ナマズ目(約2,800種)に次いで4番目に大きな一群となっている。およそ200種がアフリカに、残る1,400種以上がアメリカ合衆国南西部・メキシコ・中央アメリカ・南アメリカの淡水域に生息する。アフリカに分布するカラシン類にはキタリヌス科・アレステス科・ヘプセトゥス科の3つの系統が知られる。日本には分布しない。コイ目に姿が類似するが、背ビレと尻ビレの間に、小さな脂ビレを持つことが差異である(持たないものもいる。また他に脂ビレを持つグループとしてはナマズ目が知られている)体色は銀色を主体とするものが多いが、鮮やかな色彩に富む種類も多数知られ、水族館あるいは個人のアクアリウムで広く飼育対象とされている。また一部の種類や個体では、本来の色ではなく、金色になるゴールデン化、銀色になるプラチナ化と呼ばれる現象を起こすものがある。これは、魚に無害なバクテリアが寄生することで出現し、そのバクテリアがグアニンと呼ばれる金属光沢を起こす成分を作り出すことによるものである。一方でコロソマ(カラシン科)など大型のものは、食用魚として重要な種類も多い。なお、このグループでは、小型魚を中心にテトラと呼ばれるものが多いが、必ずしも小型カラシン=テトラではない。(クラウンテトラは天然で60cmを超える)カラシン目に所属する仲間は、そのほとんどが体長3cm未満の小型魚類である。一方で体長数十cmに及ぶ中・大型種もアフリカ・南アメリカに分布し、アフリカ中央部に分布する最大種の (アレステス科)は体長1.4mに達する。カラシン目はコイ目やナマズ目とともに骨鰾上目と呼ばれるグループに所属し、共通の特徴であるウェーバー器官(浮き袋と内耳を連絡し、音を感じる器官)をもつ。顎の歯がよく発達し、ほとんどの種類は肉食性であるが、草食性あるいはデトリタス食性の魚類も含まれる。コイ目と同じように咽頭歯をもつが、草食性の仲間を除きあまり発達はしていない。プロキロダス科・ヘーミーオドゥス科の一部などの例外を除き、上顎を突き出すことはできない。ほとんどの種類は背鰭と尾鰭の間に肉質の鰭である脂鰭もち、体表は鱗に覆われる。ナマズ目の魚類とは異なり、カラシン目の仲間には口ヒゲがない。腹鰭は腹部中央付近にあり、臀鰭の基底は中程度の長さで、鰭条は45本未満である。尾鰭の主鰭条は通常19本。側線はしばしば湾曲し、不完全なこともある。後擬鎖骨は3本。最も古い時代のカラシン目魚類の化石は後期暁新世の地層から出土しているが、白亜紀前期のものとみられる化石がブラジルから報告されており、この化石がカラシン目と同定された場合には最古の骨鰾類ということになる。カラシン目はキタリヌス亜目とカラシン亜目の2亜目からなり、18科270属1,674種を含む。系統関係の解析が未完成であるほか、科以下の分類基準には不明瞭な部分が多く残され、分類体系は流動的である。和名のない分類名の一部については、上野・坂本(2005)によるカタカナ表記に従った。コイ目カラシン亜目として扱われる場合もある。キタリヌス亜目 Citharionoidei は2科20属98種で構成される。本亜目は全てのカラシン類の起源となるグループと考えられており、ほぼ全種がアフリカに分布する。2本の犬歯をもち、第2・第3後擬鎖骨は癒合する。鱗は一部を除き櫛鱗で、腹鰭の鰭条数は比較的多い。カラシン亜目 Characoidei は16科250属1,576種で構成される。アノストムス上科 は4科25属260種で構成される。クリマタ科・プロキロダス科、およびアノストムス科・キロダス科はそれぞれ2科ずつまとまって、名称未定の下位分類群を構成する。前者は鰓弓の上部に大きな袋状の器官をもつ。また、上部の咽頭歯は発達が悪く、大半の仲間はデトリタス食性である。本群を単系統群として規定するための共有派生形質の多くは、摂食に関係した特徴となっている。アノストムス科・キロダス科は下顎がやや短く、上下の顎に一列の歯列をもつ。咽頭歯は上下ともよく発達する。頭を下げた斜めの状態で泳ぐ種類が多く、英語名 (headstander) の由来となっている。デトリタス食性あるいは草食性のグループである。以下の系統樹はCalcagnotto et al. (2005)による。
出典:wikipedia
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