飛島(とびしま)は、日本海に浮かぶ島。山形県酒田市に属し、離島振興対策実施地域に指定されている。酒田港から北西39kmの沖合にある山形県唯一の有人島で、島の東側(本土に面した側)の勝浦、中村、北側の法木の計3ヶ所の集落によって構成される。新潟県の粟島、佐渡島とは一直線に結ばれた海の道であり、古来より交流があった。山形県に属するが、本土からの距離は秋田県のほうが近い。山形県で最も北に位置する。飛島と本土の間には最上舟状海盆(水深約800メートル)がある。海底から飛島地塊が聳え立つ。飛島地塊は海面下130〜140メートルで、南北44キロメートル、東西12キロメートルの台地状となり、この台地の最高部が僅かに海上に現れたのが飛島。飛島は飛島地塊の中央からやや南側にある。飛島の地形は、4つの段丘面と、干潮時に海岸線の周囲に現れる海食台の、合計5面に区分される。飛島には、新第三紀の地層と第四紀の段丘堆積物などが分布する。新第三紀前期中新世末期(約1700万年前)に相当する飛島層の凝灰質シルト岩部層からは、ウルシ、カエデ、ハコヤナギ、ヤナギなどの植物化石が産出する。これらは台島型植物群に属すると考えられる。この時期には、飛島は沿岸性の陸地のような環境にあり、その後、1350〜900万年前に著しい沈降により完全に海面下に没し、900〜200万年前に隆起や断裂、陥没により海盆や地塊が形成された。200〜1万年前までに地塊は台地状になり、段丘が形成されたと考えられる。対馬海流のただ中にあり、年平均気温は約12℃以上に達する。山形県の最北端でありながら、山形県内で最も温暖。島内にはタブノキ、ムベ、ヤブツバキ、モチノキ等の暖地系の植物が生い茂る。海底にはサンゴ類の群棲地があり、山形県の天然記念物としての指定を受けている。ムツサンゴについては日本最大の群棲地が存在し、オノミチキサンゴについては最北棲息地である。しばしば渇水に悩まされ(近年では2015年に渇水になっている)、冬は荒天により絶海の孤島となる。トビシマカンゾウなど、本島に自生する植物が標準標本となっているものもある。野鳥の種類は約270種。渡り鳥の中継地となっており季節により多くの鳥が見られる。御積島などと共にウミネコの繁殖地となっている。漁業が盛んで、釣り客も多い。なお、地球温暖化に伴う栽培北限の北上を受けて山形県では2010年から飛島でスダチ、ユズ、レモンなどの5種類の柑橘類の栽培適応性の調査を行っている。貨客船で230人が乗れるとびしまにより酒田市の酒田港と結ばれており、2010年(平成22年)7月19日に、旧船「ニューとびしま」の老朽化に伴い就航した。所要時間は約1時間15分、運航頻度は1日1〜3便(時季による)である。この船は自家用車を運ぶことは出来ない。とびしまのドック入り期間中は、羽幌沿海フェリー所有の高速旅客船「さんらいなぁ」と、粟島浦村漁業協同組合所有の貨物船「かもめ丸」をそれぞれ傭船し、運航を維持する。飛島(勝浦)港には、旅客ターミナルとビジターセンターを兼ねた三角型の「飛島マリンプラザ」がある。1階が乗船券売場と待合室、2階が売店及び軽食・喫茶コーナー、3階は島についての展示スペース、4階が展望室。他には中村の裏手に公共用ヘリポートがあり、緊急時には急患搬送が行われる。冬になると海が荒れるため、とびしまが長いときで1週間以上欠航して絶海の孤島になることもあり、海上保安庁の巡視船が渡海して物資を届けることがある。島は歩いても移動できる程度の大きさだが、勝浦に自転車を貸してくれる食堂がある。島内では、東側海岸線と、台地上に道路があり、大部分が平坦であることから、自転車での移動は容易である。島内に無線方位信号所があり、付近を航行する船舶に、安全航行のための位置信号を発信している。
出典:wikipedia
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