株式会社穴吹工務店(あなぶきこうむてん、Anabuki Construction Inc.)は、香川県高松市に本社を置く不動産会社(デベロッパー)。2007年(平成19年)度に国内の事業主別マンション供給戸数ランキングで首位を獲得するも、世界同時不況などの影響を受けたその後の業績低迷により、2009年(平成21年)に会社更生法の適用を申請。そしてその4年後の2013年(平成25年)、大手マンション分譲業者である大京の完全子会社となる。1905年香川県高松市に穴吹喜作がゼネコンとして創業、1945年(昭和20年)に穴吹夏次が二代目となった。1961年(昭和36年)1月11日に法人化した。1969年(昭和44年)にミサワホームの代理店としてとなって香川県と愛媛県で戸建て住宅事業を展開するようになり、2003年(平成15年)4月1日にミサワホーム事業部とミサワホームの子会社「ミサワホーム四国」と事業統合して「穴吹ミサワホーム」を発足させて四国全域でのミサワホーム事業を当社が中心となって展開するようになった。2001年(平成13年)4月に「穴吹不動産販売」を、8月1日に子会社群を統括する中間持株会社の「ACカンパニーグループ」を設立し、グループの経営強化を図った。2003年(平成15年)9月と2004年(平成16年)3月29日には第3者割当増資を実施して資本増強をした。分譲マンションの用地取得から企画設計から販売・アフターサービスまでを自社グループで一貫して行うATD(アナブキ・トータル・ディベロップメント)システムと称する事業形態を採用し、地方中核都市圏を中心に事業展開を進めた。2004年(平成16年)7月に「穴吹工務店札幌」を設立し、2005年(平成17年)4月1日には古久根建設を子会社化して東北地方での事業基盤を強化するなど地方都市でゼネコンなどと協力事業拡大を図り、2007年(平成19年)度には国内の事業主別マンション供給戸数ランキングで首位(5,037戸)になった。このため、2007年(平成19年)度の販売戸数5,037戸のうち約90%弱にあたる約4,400戸を地方都市で販売するなど、首都圏などの大都市の比重が高い他の大手マンション業者とは主力とする販売地域が大きく異なっていた。1996年(平成8年)4月1日には子会社のエフエム高松コミュニティ放送が放送開始し、放送事業へ参入した。2005年(平成17年)7月29日にはリゾート施設運営の「ハートレイ」の全株式を取得して完全子会社化し、2006年(平成18年)8月1日には同社に「穴吹ヴィラサービス」を吸収合併させて「穴吹ハートレイ」として事業統合し、2007年(平成19年)11月1日には旧厚生年金施設「サンピアさぬき」の運営を継承して、「三木リゾート&スポーツパーク」と「ヴィラ讃岐」として開業するなどリゾート関連事業の拡大を図った。。また、2006年(平成18年)3月にはトランクルーム事業にも進出した。2002年(平成14年)9月に上海市に「穴吹(上海)軟件開発有限公司」を設立し、中華人民共和国で建設・販売するマンションのコンピューター設計業務に進出した。2007年(平成19年)3月にレストラン運営の「上海穴吹餐飲管理有限公司」を設立し、同年4月にレストラン「悠友」を開店した。また、同じ2007年(平成19年)3月に内装工事施工の「上海穴吹装飾工程有限公司」を設立し、同地での内装工事事業に参入した。2008年(平成20年)4月には中国・上海市に不動産物件の管理業務を行う合弁会社「上海陸家嘴穴吹物業経営管理有限公司」を設立し、同地での不動産管理事業に参入した。しかし、当社の経営再建の一環として、2009年(平成20年)6月にレストラン運営の「上海穴吹餐飲管理有限公司」の清算手続きを開始し、2010年(平成22年)4月に清算手続きを完了したのを皮切りに当地区での事業撤退を開始。2010年(平成22年)12月にマンションのコンピューター設計業務の「穴吹(上海)軟件開発有限公司」の全株式や、内装工事施工の「上海穴吹装飾工程有限公司」と不動産管理事業の「上海陸家嘴穴吹物業経営管理有限公司」の合弁会社2社の当社の持ち分全てを東急不動産に売却して当地から全面的に撤退した。建築費の高騰が進むと共に構造計算書偽造問題に関連した建築基準法の厳格化によって建築確認審査が遅延するなど建設コストの上昇が進むと、土地代が比較的低い地方都市主体で相対的に建設費の比率の高くなる当社のマンションは、コストが上昇しやすい側面があった。そうした建設コストの増大による販売価格の上昇に顧客の所得拡大が追い付かなくなりつつあったこともあり、2008年(平成20年)3月期には赤字に転落した。さらに、2008年(平成20年)9月の米国リーマンショックに端を発した世界同時不況の影響が重なり、業界全体の日本国内での新築マンション販売戸数が2008年(平成20年)度には16年ぶりに10万戸を割り込むなど、当社の主力事業であった新築マンション市場は大きく落ち込むことになった。そのため、サーパスマンションの主な供給先である地方県庁所在地においても競合するマンションデベロッパーの経営破綻が相次いでそれらの業者が手がけたマンションが売れ残り市場に放出されたことからサーパスマンションも分譲価格が下落し収益が悪化し、2009年(平成20年)11月24日に東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請して経営破綻した。この会社更生法の適用を申請した時点で約120億円〜130億円の債務超過に陥っているとされていた。2010年(平成22年)2月9日にフィナンシャル・アドバイザーに日興コーディアル証券を選定して再建のスポンサー選定への助言などを受けることになり、5月28日に投資ファンドであるジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)とライオンズマンションを展開する株式会社大京のグループをスポンサーとして選定した。そして、マンションの開発から販売までを一貫して手掛ける従来通りのマンションデベロッパーとしての事業形態を維持しながら再建を図る形で更生計画案が作成され、同年7月30日に東京地方裁判所に更生計画案が提出されて9月30日に認可された。この認可を受けて、同年10月1日付で立山繁美事業家管財人が新社長に就し、関連会社は穴吹コミュニティや穴吹建設など中核事業の4社のみに絞り込んで再建を図ることになった。そのため、2009年(平成20年)12月25日に「穴吹ミサワホーム」の全株式を「ミサワホーム」へ譲渡して同社の完全子会社へ移行したのを皮切りに、2010年(平成22年)3月31日に子会社「香川県生コン」の生コンクリートの製造・販売事業を「アサノ五色台工業」に譲渡、同年6月17日に「エフエム高松コミュニティ放送」の所有株全てを「トライグループ」へ譲渡、同年11月1日に「ヴィラ塩江」の運営を「ハイパーアシスト」の子会社「ハイパーリゾート」が、同年12月に「ヴィラ塩江」の運営を「喜代美山荘」の子会社「三木さぬき倶楽部」が、各々継承するなど関連事業の譲渡が進められた。また、2009年(平成20年)11月30日に関連会社で生コンクリート製造の「綾上工業」が高松地方裁判所から破産手続きの開始決定を受け、2010年(平成22年)6月23日までに「穴吹工務店札幌」が札幌地方裁判所に自己破産を申請して手続き開始決定を受けるなど破たん処理による関連会社の整理も進められた。更生第2期にあたる2012年(平成24年)9月期に売上高約318.07億円で経常利益約66.9億円となり、純利益が約170.79億円を上げて純資産が約136.59億円とプラスに転じると共に、2014年(平成26年)9月期までに約700億円の返済を予定していた債務のうち約600億円の返済を終えるなど、順調に再建が進んだ。そこで、2013年(平成25年)3月11日に東京地方裁判所に会社更生手続きの終結を申請を行って、同月31日に東京地方裁判所から会社更生手続きの終結決定を受けて法的な再建から脱することになった。また、会社更生手続きの終結を受けて、2013年(平成25年)4月1日付で大手マンション分譲業者の大京が、ジェイ・エル・ケイ(大京とジェイ・ウィル・パートナーズの出資による合同会社)が保有する穴吹工務店の全株式を買収し、同社の完全子会社となった。地方中核都市を中心として2013年(平成25年)3月末までに約1,300棟・約77,000戸の『サーパス』ブランドの分譲マンションを販売した。開発から販売後の管理まで一貫して提供する「ATD(アナブキ・トータル・ディベロップメント)システム」を標榜しており、分譲後の管理業務も行っている。ただし、2013年(平成25年)3月末時点での管理受託戸数は約68,000戸であった。またサーパスマンション入居者向けサービスとして、24時間365日フリーダイアルで住まいの様々な相談を受ける穴吹コンタクトセンターを開設している。現在、大京グループ内に存在する「穴吹」を冠する関連会社に以下の各社がある。同社と同じ香川県高松市に本社を置く穴吹興産は、1964年(昭和39年)に穴吹工務店グループの関連会社として設立されたが、1985年(昭和60年)に競合するマンション分譲事業に参入したことから完全に分離しており、2009年(平成21年)11月24日の当社の会社更生法の適用申請時点では資本面での関係はなく、人的交流もなかった。関連会社として発足したものの、当初から資本的関係はそれぞれ独立した形であった(この点は学校法人穴吹学園も同様)。これは穴吹工務店の二代目経営者である穴吹夏次が「資本三分割法」を実践した結果であったという。その後穴吹興産が1985年にマンション分譲事業に参入したことにより穴吹工務店と競合関係となり、穴吹興産は穴吹工務店グループより分離し独立系マンションデベロッパーとなった。穴吹夏次の死去から2年が経過した2002年10月、穴吹興産はマンションブランド『アルファステイツ』を差別化するため穴吹工務店と同一だったCI(コーポレートアイデンティティ)を変更し、対外的な商標も『あなぶき興産』とひらがな表記を使用するようになった。その後、2009年の穴吹工務店の会社更生法申請までは穴吹工務店と穴吹興産の経営者が兄弟という人的関係が残っていたが、現在の穴吹工務店は創業家である穴吹家から大京が100%株式を取得し、穴吹工務店と穴吹興産との人的・資本的関係は完全に解消されている。2009年の会社更生法申請以前は、赤ずきんをアレンジしたあなぶきんちゃんをイメージキャラクターとしてテレビコマーシャルなどに使用していた。各種スポーツへの支援をおこなっていたが業績悪化に伴い、2009年(平成21年)に相次いでスポンサーから撤退した。
出典:wikipedia
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