ジャップ()は、日本人および日系人を指す略称、蔑称、または差別用語。古くは万延年間の徳川幕府の遣米使節に関する新聞報道にもこの表現が現れ、元来は単なる の短縮形であり、蔑称ではなかった。しかし、1900年にロンドンに留学中の夏目漱石がと呼ばれて失敬と受け取る記述があり(倫敦消息)、当時すでに蔑称と認識されていたことがわかる。アメリカ合衆国でも明治以後、日本人移民の増加とともに現地住民との摩擦が生じ、1930年代の日系移民排斥の風潮とともに蔑称や意味合いが強くなり、第二次世界大戦中には、反日プロパガンダに盛んに使用されたため、蔑称として定着した。なお、「金持ちのユダヤ人の若者」を指す蔑称として同じ表記の があり、これは の頭文字による。また、JapのほかにNip,nip(Nipponの略)がある。ほか、第二次世界大戦中には (東条英機)も、日本軍蔑称として使われた。国名コードや言語コードなどに於ける の公的な短縮形は または が用いられる事が一般的である。過去に複数の日本人陸上競技選手の代理人を務める が、ホームページ上で担当している日本人選手の国籍を と表記していたが、上記のような蔑称のイメージからか、現在は表記をJPNに変えている。インターネット上などでは単に (日本)や (日本人・日本の・日本語)の略称としての用例が見られるが、公式に使用されることはない。香港、シンガポール、ブラジルなどの一部の国では、浅識から蔑称としての認識を持たずに や が用いられる事が有り、また、世界的に蔑称として (日本) や (日本人) を使い分ける人たちや、または、 (一人の日本人) や (複数の日本人) とした使い分けをする人たちが出現し、憎悪の有無が薄れる傾向がある。IRC(インターネットのチャットの一種)や、オンラインゲームなどでも、蔑称としての認識を持たずに「日本の〜」を意味する形容詞として や を使うことがしばしばある。例として (animation) などは ではなく との造語。近年は欧米でも形容詞として が使われることがあり、特に日本車は と略される事が多い。日本人や日系人がこの単語を用いる場合、多くは自嘲・自虐・自戒的な意味合いを含むことになる。高田賢三デザインによるファッションブランドの一つ「ジャングル・ジャップ」、また1981年につのだ☆ひろが結成したバンド名「ジャップスギャップス」、赤坂泰彦を中心に活動していたバンド名「東京JAP」などのように、蔑称であることを知りつつ自社ブランドの名称として使用したり、あえて積極的に を用いることによって「 は蔑称ではない」という意思表示をする例もみられる。2003年11月4日に行われた国連総会の本会議で、日本国代表が朝鮮民主主義人民共和国を指して「」(北朝鮮)と呼び続けていたため、北朝鮮代表の次席大使が抗議の意で、日本を「」と呼んだ事から、日本の次席大使が北朝鮮を非難し、国連総会議長も、「神聖な議場でこのような言葉を今後使うことのないよう希望する」と、北朝鮮側に対し注意をおこなった。 という語は、アメリカ合衆国のみにおいて蔑称として使われていると思われがちであるが、同じ英語圏のオーストラリアにおいても、蔑称として使われる事例がある。近年、オーストラリアは捕鯨問題をめぐって日本を特に強く非難している国のひとつであり、オーストラリアにおける反捕鯨運動の盛り上がりに便乗する形で挑発的なスローガンで知られるケアンズのレンタカー会社「」がキャンピング・カーに「」(クジラを救え、ジャップ(一匹)に銛を打ち込め)という反捕鯨スローガンを掲げるということが起きた。また、捕鯨問題に関わる新聞報道に於いて、デイリー・テレグラフ紙の2008年02月21日オンライン版では「」(ジャップどもは虐殺者にもどった)と言う見出しの記事を掲載したが、後に「」(日本人は捕鯨を再開した) と修正された。ただし、オーストラリア国内においても単にジャパニーズの省略形でJapを使う場合が多く(例、が単に日本カボチャの意で使われている)、Japが必ずしも蔑称として使われている訳ではない事には留意したい。オーストラリアは世界的に有名な白豪主義の国家として知られていたが、移民受け入れの都合などから、1960年代にはオーストラリア政府が白豪主義を撤廃している。ドイツ語版およびポーランド語版ウィキペディアにおいて、日本語の略称はすべて と表記されている。(参照:、)ジャップと類似の蔑称として、(日本)を略した「ニップ」(英語: )がある。普及度は低いものの、(日本)、(日本人)などの単語は英語単語として存在しており、第二次世界大戦中にはジャップと同様に蔑称として Nip(Nippon の略)や Nips(Nipponese の略)が使用された。尚、憎悪や侮蔑の度合いはジャップの方が上であった。現在ではイギリスなどで日系人を憎悪したり侮蔑する場合や、または海外に於いて日本信奉者とも見える様な日本アニメファンなどの日本マニアに向けた蔑称として、Nips や Nipponese が用いられる事がある。また、国名を現地語で表現する場合が有るが、その際の の略称は を避けて とされている。2006年10月、イングランド・サマセットのセント・メアリー教会のマイケル・ウィシャート牧師が、教区回報のコラムで、秋の朝の空気に冷たさを感じるという意味で「」という表現を使用し( は「冷たいもの」と「日本人」の両方を意味する)、さらに続けて「(まるで日本人犯罪者を縛り首にした時の光景さながら)」と記した。ウィシャート牧師はこの文について冗談と主張したが、人種差別との批判が、サマセットの人種差別撲滅団体からなされた。
出典:wikipedia
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