内股すかし(うちまたすかし)は格闘技、柔道の投技の手技の一つ。内股の返し技で後の先の技の一種である。相手に内股を掛けさせておいて、瞬時にそれを返して反撃するという返し技。相手が内股を掛けるために上げた脚をかわして(すかして)、その脚を上げた勢いを利用して相手の体を回転させ倒す。内股は掛けやすさのわりに一本を取りやすい強力な技であるが、掛ける側がバランスを大きく崩しながら掛ける技なので、この技ですかすことができれば倒しやすい。相手が内股をかけるタイミングの見極めが命である。いくつかパターンがあるが、いずれの場合も非常に高度な技で、かなり熟練した者でない限り試合では使えない。相手の体を回転させられずに相手が続けて技(とりわけ払腰など)を掛けてきた場合はその餌食になりやすいというリスクもあるため相応の勇気が必要であり、同時に、一瞬で相手の技を内股と判断する洞察力と相手の勢いを足一本で堪える足腰の強さも要求される。いわゆる「ケンケン内股」にも合わせるのは難しい。「今牛若丸」こと大沢慶巳十段の得意技である。大沢は「上り下りの電車が猛スピードですれ違う要領で、相手の飛び込みと同時に自分も右足を出して平行にすれ違うよう飛び込み、両膝をくっつけて股に足を入れさせないようにするのが絶対条件である」と語っている。相手が内股を仕掛けてきた時、その足をかわし、相手は足を跳ね上げた時の勢いがついているので、その勢いを利用して相手を回転させて投げるのが基本のパターンであり、相手の足のすかし方には2つのバリエーションがある。(①と②のパターン)尚、応用ですかした後、体落や内股に変化するパターンもあり、これらの変化技を三谷浩一郎が得意としている。(③と④のパターン)体勢上、相四つでも出来るが、ケンカ四つの組手の時の方が投げやすい。試合では、どちらのケースでも見る事は出来るが、上級者向けの技という事もあり、使われる事は少ない上に内股を決められてしまう事が多い。①回転させるパターンの内股すかし自分の足を引き、そのまま相手を回転させて投げる。こちらは、相手が内股を掛けようとした時、自らの体も前方につんのめるため、すぐに足を戻さないと、不安定になりやすい。このパターンが、最もポピュラー且つ一番使われるパターンである。②のしかかるパターンの内股すかし自らの足を思い切り跳ね上げ、自分の股下(両足の間)で相手を回転させる。いわば、跨ぐ或いは、のしかかる様な体勢となる。このパターンを薪谷翠が得意としている。③体落に変化するパターンの内股すかし相手の内股をかわした後、体落を掛ける。④内股に変化するパターンの内股すかし内股に変化するパターンの内股すかしは、変則内股返ともいえる。投げ方は、相手の内股をかわし(すかし)、逆に内股を仕掛ける(やりかえす)というものである。講道館の審判規定での一本の条件に「技をかけるか、または相手の技をはずして、相当の勢い、あるいははずみで、だいたい仰向けに倒したとき」とある。ここに「技をはずして」とあるのは「すかす」の意味も含んでいる。しかし内股を「すかし」たか、技の弾みで勝手に倒れたかを判断することは難しいので内股で倒れた場合は「はずした」かどうかにかかわらず効果を認めている。なお、「すかし」は内股だけであり跳腰や払腰などをすかして投げてもその投げ技が決まり手である。もともとは「浮落」の一種として扱われていたが「相手の内股をすかして浮落に連絡変化した技の流れを明確にした方がよい」との意見があり新たな技となった。(参考:"小内返#「返」の名称")なお、他の全ての柔道技は、漢字だけで、平仮名は入っていない。しかし、この「内股すかし」の「すかし」だけは平仮名である。これは技名をつけるときに、この技の意にあう「すかし」の漢字がなかったからである。「すかす」は漢字では「空かす」「透かす」「隙かす」があり、似たような意味の「躱す」(かわす)があるため講道館で検討した。しかしそれぞれの意味を調べたところ、とあり、技の「理合い」を意味する「すかし」にあたる適切な語句がなかった。そのため平仮名となった。男子100kg超級決勝で、日本の篠原信一と、フランスのダビド・ドゥイエと対戦した際にドゥイエの内股に対して、篠原の内股すかしが決まって金メダルだと日本側は喜んだが、結果2人の審判はドゥイエの内股で有効、1名の副審のみが篠原の一本勝ちを支持した。結果、篠原は銀メダルに終わった。
出典:wikipedia
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