F9Fとはアメリカ合衆国の航空機メーカーであるグラマン社が開発し、アメリカ海軍が使用したジェット艦上戦闘機である。直線翼のF9F-2、F9F-5と、後退翼を持つ改良型のF9F-6、F9F-7、F9F-8が存在する。F9Fはグラマン社が開発し第二次世界大戦後、初めて海軍に採用されたジェット戦闘機で、愛称はパンサー(Panther)であった。機体はワイルドキャット以来のグラマン社の製品らしく頑丈で実用性に重点を置き、円形断面の太く短い胴体に直線翼を組み合わせた手堅い設計となっていた。グラマン社において、ジェット戦闘機の開発は1943年から開始されており、1946年4月には双発複座のG-75案がXF9F-1としてアメリカ海軍から発注されている。これは1946年12月に単発単座のG-79案に発展したため、XF9F-1はキャンセルとなり、G-79案をXF9F-2として開発が続行された。XF9F-2は3機が製作され、1947年11月21日に初飛行している。XF9F-2は量産化が決定され、F9F-2として1949年から配備が開始された。F9Fは朝鮮戦争に投入された。しかし、直線翼で構成された機体デザインは、ジェット戦闘機としては明らかに古い設計思想に基づいたものであり、空力的な性能において同世代のライバル機より劣っていた。結果、戦闘機としてよりも、主に対地攻撃機の代用として運用される事となった。しかしながら、性能差を搭乗員の技量でカバーするなどしてMiG-15を含む多数の敵機を撃墜しており、朝鮮戦争を通じて戦闘で失われた64機のF9Fのうち、空中戦で撃墜されたものはたった1機のみであった。1950年11月9日には、米海軍のT.エイメン少佐がF9FでMiG-15を撃墜し、米海軍初のジェット機撃墜を成し遂げている。朝鮮戦争休戦後は、改良型のクーガーと交代する形で第一線を退き、主に無人標的機として使用された。アルゼンチン海軍は、1957年に中古のF9F-2を24機、加えて1962年に新品のTF-9Jを2機購入し2個飛行隊を編成、南米の海軍で初めてのジェット機部隊となった。-2型から-5型まで試作機を含めて合計1,388機パンサーの主翼を直線翼から後退翼に改良した機体で愛称はクーガー(Cougar)。朝鮮戦争で活躍したパンサーは頑丈で信頼性が高く扱い易い機体ではあったが、敵である東側諸国が使用するMiG-15やアメリカ空軍のF-86等の後退翼を有する戦闘機に比べると性能面で見劣りがした。そのため、アメリカ海軍はグラマン社にパンサーの後退翼化を要請した。グラマン社は1947年の段階で、F9Fの後退翼機案を検討しており、これを基にF9F-6として開発することとなった。しかし、広大な滑走路を使用出来る陸上機と異なり、限られたスペースしかない航空母艦からの離発艦をこなさなければならない艦上機は直線翼と比し、後退翼は不利であったが、大型フラップ、自動スラット、スポイラーを導入することにより、パンサーの性能を凌ぐ艦上戦闘機となった。初飛行は1951年9月20日。1952年から部隊配備が始まり、60年代初めに戦闘機型が退役した後も、練習機や連絡機として1974年まで使用された。またアメリカがベトナム戦争に参戦した後、複座練習機型TF-9Jが1965年から1967年頃までFAC(前線航空管制任務)に投入されていた。なお、クーガーの後継機となったグラマンF11Fタイガーは、開発当初、予算対策上F9F-8やF9F-9の名称を持っていた。
出典:wikipedia
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