


ミルズ型手榴弾(Mills bomb)は、1915年にイギリスで開発された手榴弾である。ゴルフクラブのデザイナーであったウィリアム・ミルズ(William Mills)が特許権を得て開発、1915年にイギリス軍に正式採用された防御型手榴弾で、スプリングで信管を打撃・着火する方式を採用した最も初期の手榴弾である。外見は卵形で、取り扱う際の滑り止めとして表面に溝が刻まれている。信管を打撃するストライカーは、F1手榴弾のような回転運動(ネズミ捕り式)とは異なり、直線運動を行う。安全レバーは弾殻の外側に沿うように成形され、ストライカーの後端を保持している。弾殻の肩部には、炸薬を充填するための大きなプラグが設けられている。また弾殻の底部にもねじ込み式の蓋があり、信管はここから組み付けられた。有効殺傷範囲は半径10mで、歩兵銃の銃口にアタッチメントを装着することにより、擲弾代わりに150m先に発射することができた。初期にはライフルグレネードで発射する場合のため、着火してから起爆まで7秒かかった。しかし、7秒という時間があまりにも長かったため、第二次世界大戦でのドイツ軍のフランス侵攻の際、大陸に派遣されたイギリス軍兵士は手榴弾を投げ返されることが多かった。そのため、後の改良によって起爆時間が4秒に短縮された。1915年以降、開発にさまざまな改良が加えられた結果、ミルズ型手榴弾は初期型を合わせると実に36種類存在し、1970年のL2シリーズ手榴弾の導入までイギリス軍の標準手榴弾として使用された。
出典:wikipedia
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