


『DEATHTOPIA』(デストピア)は、山田恵庸による日本の漫画作品。『イブニング』(講談社)にて、2014年10号から連載中。作者が『週刊少年マガジン』(講談社)で連載していた『CHARON』の連載終了から4か月後に『イブニング』へ移籍し、連載が開始された。交通事故の影響で眼に特殊な力を宿した主人公と、彼の前へ現れた謎の美女3人組の視点から、シリアルキラーたちの脅威に立ち向かうサスペンス調の物語や、それにまつわる異能の力、そして物語が進むにつれ、自分の意のままの新世界を創造しようと暗躍している黒幕の野望が描かれるが、そこには過去作品の『エデンの檻』『CHARON』にも盛り込まれたアクション描写やそれら以上に過激な人体損壊を伴うグロテスク描写に加え、青年誌ならではの美女たちによるセクシー描写が盛り込まれている。作者のこだわりの1つであるSF的要素については、連載開始当初は異能の設定だけにとどまっていたが、後にはそれらが未知のウイルスによるものという、ウイルス進化説を設定に採用したことが明かされている。タイトル名はユートピア(理想郷)の正反対の社会を意味する英語の語句であり、作中にもそれを挙げるシーンが存在する。作中の舞台や背景として、主人公たち主要人物が集う警視庁庁舎をはじめ、第1話では練馬区栄町や新宿区歌舞伎町、第2話では東京ドームシティのラクーアやビッグ・オー(名称やロゴデザインは一部変更)、第3話では西武池袋線の小手指駅行き30000系電車、第7話ではQVCマリンフィールド(セ・パ交流戦に訪れていた横浜DeNAベイスターズの応援歌も含め、著作権表示付きの実名)、第14話では東京国際空港、第51話では味の素スタジアムなど、関東地方の各所が登場している。作者の過去作品からのスター・システム要素は本作にも盛り込まれており、『EX 少年漂流』からは暁源三が刑事、『エデンの檻』からは真理谷四郎と彼の姉に加えて操栖モトコがモブキャラクター、九重右弦が刑事、大森夏奈子が九重の妻、左治一馬が主人公の友人、林西トオルが敵の一員、高橋あすかが看護師、松本美智香が警視庁庁舎の受付嬢、『CHARON』からは福寿幸と桜川円が地下アイドルという役回りを与えられてそれぞれ登場している。第1話は、『イブニング』の「春の5大新連載」の第1弾として2014年10号の表紙+巻頭カラー4ページ+モノクロ55ページという待遇での開始を経て、講談社のモーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト『モアイ』で無料公開された。その後、好評を得て同年7月に単行本第1巻が発売される際には発売記念フェアが開催され、同巻の直接の続きでもある第7話が同年16号の表紙+巻中カラーを飾った。同巻は主だったランキングの上位へランクインこそしなかったものの売れ続け、同年8月31日には重版が決定した。これを記念し、同年21号には第12話と第13話が同時掲載された。2014年11月に単行本第2巻が発売される際にも発売記念フェアが開催された。それに際し、紀伊國屋書店では新宿本店限定で同巻に限定ペーパーを封入したり店内に作者の直筆サイン色紙を展示するなどのフェアが、発売日である同年11月21日から12月12日まで開催されたうえ、発売日当日には作中に登場する小道具をあしらった展示も実施された。また、同時期放送のテレビアニメ『蟲師 続章』の放送枠では同巻のCMが放送された。そのほか、一部書店向けにキャラクター別のミニポスターも制作されたうえ、東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅では同年12月24日から12月30日まで本作の宣伝ポスターが構内に掲示された。2015年2月に単行本第3巻が発売される際にも発売記念フェアが開催された。それに際し、紀伊國屋書店では新宿本店限定で第2巻と同様のフェアが、発売日である2月23日から同年3月15日まで開催された。また、同時期放送のテレビアニメ『純潔のマリア』の放送枠では第3巻のCMが放送されたほか、同巻の帯にはオリジナルグッズプレゼント企画の応募券が付属した。『イブニング』の同年7号では、作者の描き下ろしによる同巻着せ替えカバーの応募者全員プレゼント企画が実施された。2015年6月に単行本第4巻が発売される際にも発売記念フェアが開催された。同日に発売された『イブニング』の同年14号では本作が表紙を飾ったうえ、作者の描き下ろしによる同巻着せ替えカバーの応募者全員プレゼント企画が実施された。その後、発売から1か月足らずの同年7月17日には緊急重版が決定した。2015年7月23日には、『いぬやしき』と『累』の新刊発売を記念した無料電子書籍『いぬやしき vs. 累 特別無料マガジン』に第1話が収録された。2015年10月には、単行本第5巻が通常版とは別に40ページのイラスト集付き特装版も発売された。それに先んじて『イブニング』の同年21号では本作が表紙を飾ったうえ、作者の描き下ろしによる同巻着せ替えカバーの応募者全員プレゼント企画が実施された。また、書泉では複製原画の展示や抽選でのプレゼントなど、発売記念フェアが発売日である10月23日から同年11月23日まで開催された。それに加え、発売日にはTOKYO MXの情報番組『5時に夢中!』で同巻が紹介された。2016年3月に単行本第6巻が発売される際には、それに先んじて『イブニング』の同年5号で本作が表紙を飾ったうえ、同年6号掲載の第47話の扉絵と作者の描き下ろしによる同巻着せ替えカバーの応募者全員プレゼント企画が実施された。また、同年7号では第1巻から第5巻までの全巻重版が決定したことや、第6巻でサイン入り複製原画かクリアファイルが抽選で66名に当たる大感謝祭が開催されることが発表された。発売当日にはそれらの絵柄が発表されたことに加え、電子書籍版にも一部店舗では独自の描き下ろしイラストが期間限定購入特典として添付された。2016年5月10日には、TBSのテレビドラマ『重版出来!』第5話に本作が「表紙が暗色系の漫画」の1つとして、『BLUE GIANT』、『亜人』、『お前はまだグンマを知らない』、『カイジ』、『辺獄のシュヴェスタ』、『白暮のクロニクル』、『アイアムアヒーロー』と共に登場している。2016年7月に単行本第7巻が発売される際には、直筆サイン色紙かアクリルキーホルダーが抽選で合計55名に当たる「激アツ応援大感謝プレゼント」が開催された。ある日、ひき逃げ事故に遭った青年・藤村洸ことコウは入院中、美女・ローラに絞殺されかけたところ、謎の美女3人組による介入で難を逃れる。コウの妹・藤村ひなたが駆けつけるが、警察の捜査は打ち切られる。退院日、事故以前よりも回復した視力に喜んだコウは、群衆の顔へ奇妙な眼が浮かぶ「黒い影のようなもの」(ノイズ)を見てしまう。謎の美女3人組にローラの正体がシリアルキラー・切嶋カレンと説明されたコウは、「ノイズ」を持つ男性を尾行して入った一軒家で家人たちの斬殺死体を目撃し、尾行相手・リッパーの犯行現場を警察へ通報するが、チンピラたちにワンボックスカーへ拉致される。そこで「ノイズ」を持つカレンがコウを絞殺しかけたところ、謎の美女3人組は乗っていた自動車を激突させ、如月結衣がコウの保護やチンピラたちの確保を、八神早希と星宮舞夜がカレンの追跡を担当する。自分たち3人が刑事であることや、カレンたちを「騙し不正を行う者」(チーター)と呼んでいることを明かした結衣たち3人に同行したコウは、彼女たちが「チーター」の存在を感知できる能力者でもあることを知る。カレンが早希と舞夜に射殺された後、警視庁特殊犯捜査6係で責任者・九重右弦に「チーター」や6係のことを説明されたコウは、リッパーの犯行現場へ残っていた自分の指紋を盾に脅迫され、結衣たち3人との同棲に等しいマンションでの軟禁生活を強いられる。結衣は、6係がカレンの事件の真相を隠蔽したこと、確保済みであるリッパーの事件も同様に隠蔽すること、そして彼の表の顔が小学校の教師だったことをコウに明かす。また、九重はコウを巡る不穏な存在を、舞夜はコウの能力をそれぞれ分析する。OLたちの顔の表皮を剥がした「チーター」・フェイスの捜査に際し、コウは九重の命令で結衣たち3人のチームへ組み込まれるが、捜査中にひなたがフェイスに拉致されてしまう。被害者たちの死体から検出されていた合成ドラッグの成分をたどったコウと結衣たち3人は、フェイスの正体・園山ユリエの真相や潜伏先を看破できない。その裏側には、「チーター」への協力者・UDの存在があった。ユリエの再捜査を却下されて悩むコウのもとへ、何者かがノートPCをクラッキングしてユリエの情報を伝える。それを見て独断したコウは、潜伏先の隠し通路で衰弱していたひなたを発見する。そこに駆けつけてコウと被害者たちを救出した結衣たち3人は、ユリエの猛攻に追い詰められるが、コウの銃撃と結衣の斬撃でユリエを再確保する。コウは九重から、ひなたと両親が6係の保護プログラム下に置かれたこと、両親が元警察庁所属という前職を隠していたこと、自分が家族と非血縁の養子だったこと、自分の本当の出生が現在でも不明であること、そしてユリエが何者かに惨殺されたことを知らされる。その直後、不審な男性がマンションを訪れる。不審な男性の正体はUDであり、「チーター」の1人でもあった。コウと結衣たち3人を謎の能力で圧倒したUDは、コウや結衣たち3人と「チーター」を使って新世界を創造する旨を言い残し、立ち去る。一方、双子の「チーター」・香炉鈴音と香炉響は、ラブホテルで斬殺した男性の血液を用いて壁にコウへの「挑戦状」を書き残す。九重に大学への顔出しを許可されたコウは結衣を伴って足を運ぶが、そこの元学生でもあった鈴音はコウの観察や結衣への宣戦布告を済ませて立ち去ると、響が離れた隙に自分を拉致したチンピラたち4人を、駆けつけてきた響と共にヨーヨーを用いて斬殺したうえ、その映像をインターネットで公開する。九重が激怒する中、コウと結衣たち3人は鈴音の「招待」に応じてレイブパーティーの会場を訪れるが、紛れ込んでいた刺客たちとの戦闘の裏側で、結衣は鈴音たちに拉致されてしまう。鈴音がコウ・早希・舞夜に拳銃を捨てさせ、丸腰の彼らへさらなる刺客たちを差し向けた結果、舞夜は骨折を経て崖から湖へ突き落とされる。鈴音たちのもとでは彼女の仲間たちに結衣が輪姦されそうになるが、そこで彼らの携帯電話が一斉に鳴って切れたうえ、響によるコウと早希の中継映像が途絶える。不審を抱いた鈴音は、響の様子を見に向かう。早希から舞夜の救出を託されたコウは、水中の彼女へ止めを刺そうとする刺客に迫るも敵わず、自分の非力さに憤る。結衣はUDの使者・林西トオルに救出されて早希の窮地を知らされ、鈴音は早希を捕えて6係の「5人目」の存在を疑う。一方、水中では舞夜と共に力尽きる寸前のコウに、新たな能力の兆候が現れる。無自覚のうちに刺客を倒して舞夜と共に湖岸へ流れ着いたコウは、彼女に早希の救出を託される。早希はナイフ投げで重傷を負っていたが、そこへ駆けつけた結衣が刺客を斬殺する。結衣は早希と連携して鈴音と響を追い詰めるが、そこへコウが現れて人質に取られたうえ、早希の言葉に反応した鈴音の手に力が入り、彼は首からの出血で昏倒する。その直後、眼の全体が真っ黒と化したコウに手で触れられた鈴音と響は結衣と早希の銃撃をかわせなくなり、死亡する。治療を受けるコウと結衣たち3人が九重から鈴音と響の過去を知らされる中、次の「チーター」・ピカソはデパートの売場を爆破する。その捜査に際し、コウの能力を重視した舞夜に彼の懐柔を提案された早希は、その方法に美貌を挙げた舞夜への対抗心からも、コウと組む。ピカソに狙われたライブハウスで、コウと結衣たち3人は3日後のコンサートの中止を要請するが、取り合ってもらえない。舞夜の指示で厳戒態勢に入る会場に対し、潜伏先のピカソはすでに爆弾を仕掛け終えたとうそぶく。そして当日、スタッフへ変装していた「チーター」2人にコウと結衣たち3人が翻弄される満杯の会場で、大爆発が起こる。登壇していた地下アイドル「ちぇりーぱい」は軽傷で済んだが、彼女たちの所属事務所の社長は重傷を負う。その捜査中、九重は凄腕の「チーター」に狙われているとの理由で、保護プログラム下に置かれてしまう。一方、警視総監はピカソの爆殺予告を受け、SPと6係による厳戒警備のもと、ホテルへ向かう。その館内で、早希は行方不明の姉・葵の婚約者にして旧知の慎と、正体がピカソとは知らずに再会する。慎と別れて警視庁庁舎へ向かったコウと早希は、ピカソの狙いが会議室ごとの爆殺と看破するが、間一髪で救出した警視総監たちを、トオルに感電死させられてしまう。落胆に包まれる6係には新たな責任者にして「チーター」・村雨瑞樹が着任し、警察庁では慎を惨殺したUDこと警視正・阿久津が副総監へ抜擢され、マンションでは早希がピカソとの内通容疑で警視庁に拘束される。動揺するコウ・結衣・舞夜へ瑞樹は「チーター」・リバースの活動再開を告げ、その被害者の写真に結衣は震撼する。瑞樹の指示でリバースについての報告書を見たコウの心配を余所に、結衣は両親と兄の仇でもあるリバースこと沖田睦夫への復讐心に燃え、彼を逮捕しようと単独行動に出る。次の現場を看破して急行したものの一足遅かったそこで、睦夫が殺害対象を情報誌から選んでいることを確信した結衣は、その編集部へ自分を配信映像のグラビアアイドルとして売り込む。追跡してくるコウと舞夜の心配を余所に、結衣はホテルの屋内プールへ睦夫をおびき出すと、配線の細工による電撃で感電させて殴り飛ばすが、逮捕が叶う寸前に彼の能力で身動きを封じられる。一方、コウと舞夜は乗車中にトオルの電撃で激突事故に遭い、失神する。まもなく、結衣の胸が睦夫の凶刃で斬り裂かれると同時にコウは新たな能力に覚醒し、力尽きかけていた結衣も彼と同じく黒い眼と化して起き上がる。呻きながら歩き始めるコウにトオルは電撃を浴びせるが、コウが雄叫びを上げると車内の舞夜も医療室で昏睡中の早希も黒い眼と化し、結衣は睦夫を斬殺する。3日後、昏睡から目覚めた結衣はコウに助けられたことや6係が大切な居場所であることを自覚して彼に感謝するが、まだ事情聴取から解放されない早希にはUDが接触し、葵の情報を餌に早希を懐柔する。結衣が6係の存在理由を疑い、舞夜がコウによる体質変化を不安がる中、マンションで再会した早希がコウとの肉体関係をUDに強要されたことを知った舞夜は警視庁の人事部を調べるが、UDの情報は得られない。結衣は瑞樹の尾行を経てUDが副総監であることを知り、庁舎から逃走して「チーター」の集団に捕まえられたところを、独断で出動したコウ・早希・舞夜に救われる。ラブホテルへ避難したコウと結衣たち3人は、藤村家が火事に遭ったうえにコウの焼死体が発見されたことを知る。コウと早希が向かった藤村家には何者かによる生活の形跡があり、現れたトオルの案内でコウは入院中の育ての父・冬弥からペンダントを託されるが、それと同じ形の刻印はUDが見つめる培養槽内で眠るコウの生みの母・蒔絵の掌にも刻まれていた。一方、冬弥から出生の一端を聞いたコウは、蒔絵の捜索を決意する。ラブホテルで結衣がペンダントを開けると、そこには赤子姿のコウを抱く蒔絵の写真が入っていた。UDを尾行して蒔絵のもとへ辿り着こうという結論に至り、コウと舞夜はUDを、結衣と早希は瑞樹を監視するが、1週間が経過しても動きは見られない。焦るコウに、舞夜はUDに初めて会った10歳の頃を語る。UDに一族の命と財産を奪われ、自身も重傷を負ったという舞夜に、コウはUDへの怒りを燃やす。移送前の蒔絵を救出しようと培養槽の格納棟へ潜入するも拘束された結衣と早希の姿を瑞樹からのメールで知り、彼女の挑発に激怒したコウは棟へ突入する。舞夜に結衣や早希の保護と瑞樹の拘束を任せ、培養槽に浮かぶ蒔絵の肉塊を発見したコウの背後に、UDが現れる。自分がコウの実父であることを明かしたUDは、人質に取られた瑞樹ごとコウと結衣たち3人を能力で圧倒すると、東京を地獄に変えようと目論む者が自分とは別に存在することを明かす。その頃、コウたちのもとへ彼らの全員抹殺を「先生」に命じられた女性・陽子が迫っていた。UDに痛めつけられる結衣たち3人の姿に覚悟を決め、自分の首を銃撃して黒い眼と化したコウに素手で破壊された培養槽からは蒔絵の肉塊が溢れ出るが、彼に触れられても蒔絵は元に戻らず、暴走する。UDは慟哭した隙を全裸の蒔絵に擬態した陽子に突かれ、殺害される。3日後、結衣や早希と共に入院中のコウのもとへ見舞いの舞夜に続いて現れた瑞樹は、「先生」たちによる4日後のクーデターを明かし、それを阻止するための協力を要請すると、助っ人に呼んでおいたひなたと九重を招き入れる。九重は、18年前にUDが科警研で「先生」こと義弟・真賀田秋人を検査した際に「チーター」化したうえ、それが彼の持つ未知のウイルスによるものであることを語る。超再生能力を持つ秋人を殺害するには斬首しかないと考えた九重は、クーデターの決行前日にコウと結衣を新郎新婦に扮させ、トオルからの情報をもとに秋人の拠点である教会へ6係総出で乗り込む。挙式の際、結衣が隙を突いて秋人を斬首したことをきっかけに教会の内外は戦場となるが、首だけになっても秋人はまだ生きていた。警視庁特殊捜査班内に存在する極秘組織。通称は「6係」。責任者の九重による指揮下で、「チーター」への対処を専門に担う部署である。物語開始の1か月前に立ち上げられたばかりであり、庁内との出入りには裏口しか使えない。「チーター」の存在を霊感のように感知できる結衣・早希・舞夜による女性3人をはじめ何人もの刑事たちが所属しているが、方針は任務のためなら違法行為も辞さないほど過激であるうえ、対抗武器や収容施設は「チーター」の強大な力への考慮から現実世界の日本警察で用いられるそれを逸脱した強力なものとなっており(詳細は後述)、対抗武器については勤務時間外でもマンションへの持ち帰りが許可されているほか、刑事たちにはそれぞれ現場判断での殺人許可も与えられている。また、「チーター」の強大な力には結衣たち3人の各自だけでは対処しきれないため、彼女たちには公私共に集団行動が義務づけられている。上記のような特殊権限を持つゆえ、世間から過度に注目される派手な捜査は不可能という事情も持ち合わせているため、ユリエを怪しんだコウから美園美容クリニックの再捜査を提案された際には、舞夜がユリエの高い知名度や6係の事情、そして「チーター」の隠蔽を理由に挙げて却下している。その一方、捜査関係者への保護プログラムの適用も行っており、護衛の監視員をつけている。対睦夫戦での結衣の回想によれば、物語開始の2年前の時点ですでに結衣たち3人のような能力者をスカウトしようと、一種の心理テストに近い内容を日本全国の学校のテストや模擬試験に紛れ込ませることで、適性のある者を探してはスカウトし、実務訓練を受けさせていた。その後、あらゆる手段でも探していることが対カレン戦後の九重の台詞で明かされているが、視覚で感知できる能力者はコウが初めてだったうえ、今までVIPだけを殺害してきたカレンに狙われたことも重なり、彼が警察直轄の病院で隅々まで検査される理由となった。庁舎内の部屋には所属者の机や資料のほか、早希が空き時間に身体を鍛えるためのボクシンググローブやサンドバッグ、フィットネスバイクやトレーニングマシンなども置かれている。確保に手間取ったユリエを留置場内でUDに惨殺されたことから、九重は庁舎内か庁内に「チーター」への内通者が存在すると考えている。また、鈴音と響の犯行については「ドラッグパーティー事件」として隠蔽に努めたものの、会場には鈴音の知人の芸能人たちも参加していたうえ、トオルの介入もあって死者や逮捕者が数十人に至ったことから、6係の上層部は完全には隠蔽しきれない状況への対応に忙殺されることとなった。さらに、それからまもなく厳戒態勢を敷いた秋葉原のライブハウスをピカソに爆破されたことから、大失態をもたらしたとして結衣たち3人が懲戒免職寸前へ追い込まれたうえ、爆殺予告を受けた警視総監の警備中に九重は凄腕の「チーター」・マンイーターに狙われているとの理由で保護プログラム下へ置かれ、係長を解任されてしまう。結局、警視総監が爆殺からは逃れられたものの感電死したために6係の処遇についても混乱する中、九重の後任には瑞樹が着任した。コルヴェガでの早希の台詞によれば、結衣たち3人は救急医療の訓練も受けていた模様。そのため、レイブパーティーの会場では結衣が首からの出血で昏倒したコウの応急処置を、コルヴェガでは舞夜が対睦夫戦の傷が一部開いたことで昏倒した結衣の応急処置を、それぞれ行えている。しかし、上記の経緯はUDにとって蒔絵を救う計画の一端に過ぎず、実際は彼がその計画のために警視庁に創設させたことが、慶東大学の研究棟で明かされている。また、陽子にUDが殺害されたことでマンイーターの件も消滅したため、九重は6係へ復帰している。人間社会に紛れて年間3500件以上の凶悪犯罪のうち何割かを企て、凄惨な手段を用いて快楽殺人を行う、「ヤツら」ことシリアルキラーの総称。カレンのように当初から本名が判明している者以外は、リッパーやフェイスのようにコードネームで呼称される。外見は常人と同じために見分けがつかないが、結衣たち3人には霊感のように感知されるうえ、コウには異能の力が首から上へ黒い影のように形象化される「ノイズ」や、それに奇妙な眼が浮かぶといった視覚(九重曰く「先祖返りで得たパワーのビジョン」)で感知される。しかし、結衣たち3人の能力は周囲の状況に気を散らされることで、コウの能力はガラスを介することでそれぞれ感知できなくなるという弱点を持つため、「チーター」が圧倒的に不利というわけではない。正体は、人間が進化の過程で失ったとされる強大な異能の力(カレンの場合は断定でこそないものの、腕力がチンパンジーに、治癒力がナマコにそれぞれ比喩された)を先祖返りで得て、狂暴化した(九重曰く「人であって人じゃない」)者たち。作中世界の1990年に、アメリカで20人以上を殺害した殺人鬼・ハワード・ダニングの犯行現場に残された毛髪を、当時の最新技術だったDNA鑑定にかけて逮捕に至ったことをきっかけとして、存在が確認された。常人とはわずかに異なる塩基配列を持っており、「チーター」と化す者の体内にはそれが因子として潜んでいる。また、発達した人間社会のネットワークを介し、同志たちが連携しながら暗躍している。ただし、因子所持者の全員が必ずしも先祖返りや狂暴化を起こすわけではなく、常人と同じ状態のままで特定の対象への執念だけが「ノイズ」へ形象化し、コウに感知される者も存在する。そういった理由から、「チーター」の存在は世間のパニックを防ぐためにも6係に隠蔽されている。しかし、鈴音と響の場合は自分たちの犯行をインターネットで公開したため、想定外の行動を取られた九重をはじめ6係の関係者たちは激怒することとなった。6係は当初、カレンやリッパーのような本来の身体能力を先祖返りで凌駕する異能の力を得た者のことを「チーター」と見なしていたが、UDの存在が確認されてからは彼をはじめ捜査初期におけるトオルやピカソのような、先祖返りに該当するかもまだ不明な者(いわゆる超能力者と見なされる者)のことも「チーター」に分類している。また、カレンやユリエのように早くから能力に覚醒している先天的な者と、香炉姉弟やピカソのように何かしらの要因をきっかけとして途中から能力に覚醒する後天的な者の2種に分類されることも、研究が進むにつれて判明している。なお、トオルの能力についてはUDに「植え付けられた」ものであることがトオルの台詞で明かされているうえ、蒔絵のように複数の能力が同時に覚醒する例もあることがUDの台詞で明かされている。なお、6係に「チーター」と認定される基準は以下の3つ。しかし、上記の経緯は6係と同じくUDにとって蒔絵を救う計画の一端に過ぎず、実際には彼がそのために組織したことが、慶東大学の研究棟で明かされている。その後、秋人の存在が判明した際には、未知のウイルスによる進化を遂げた人間が「チーター」であることが、ウイルス進化説の例を挙げながら明かされている。また、作中の現代社会の政界・財界・国家権力に潜伏する「チーター」は、クーデターに備えて秋人に育てられた(ウイルスに感染して発現した「チーター」の能力を、喜んで受け入れた)者たちである模様。
出典:wikipedia
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