三方五湖(みかたごこ)は、福井県三方郡美浜町と同県三方上中郡若狭町に跨って位置する5つの湖の総称。国指定の名勝で、若狭湾国定公園に属する。2005年11月8日付でラムサール条約指定湿地に登録されている。湖の周囲には梅畑が広がる景勝地。三方五湖は五つの湖で構成されており、五つの湖はすべてつながっている状態である。湖の構成を以下に示す。三方五湖には水月湖と久々子湖をつなぐ浦見川(浦見運河)と、水月湖と日向湖を結んでいる嵯峨隧道、菅湖と三方湖をつなぐ堀切の3つの人工水路がある。浦見川(うらみがわ)は、1662年から行方久兵衛の指揮のもと開削された。そのため「浦見運河」と表記されることもある。1662年5月1日に発生した寛文大地震で、菅湖から久々子湖に流れていた気山川(現在も気山保育所付近に川の跡が残っている)の地盤が隆起して、川の機能を失ってしまった。その代替水路として浦見川が掘削された。約2年後に運河は完成し、上流に溜まっていた水がすべて引いた上に、三方湖周辺の土地改良につながった。嵯峨隧道(さがずいどう)は、三方湖辺や水月湖辺の集落や農地を湖の氾濫から守るために計画され、1709年に鍬入れが行われ、1934年3月に完成した、トンネルの水路である。嵯峨隧道に関しては、水月湖側への海水の逆流を防ぐため、1939年に水月湖側に木製の暫定水門を設置(1980年に現在の水門へ改修)し、基本的に閉ざされた状態であり、開かれることは少ない。これは、水門を開けることによって、水月湖側にとっては、逆流による水質の変化によって生態系に影響を与えるからであり、日向湖側では水門を開放することで、海水化したことによって飛躍的に増加したいかだや釣堀の魚に深刻な影響を及ぼすからである。1999年8月14日には嶺南地方を豪雨災害が襲い、三方湖を中心にして三方五湖周辺で浸水被害が発生した(この時は全水門を開けているが、日向湖内の漁業に大きな被害が出た)。この結果、豪雨時に漁業被害をもたらすことなく排水できるのが浦見川だけでは問題であるとのことで、水月湖から若狭湾に直接排水できるトンネルを設ける案が示され、現在実現に向け検討中である。日本列島の気候や植生を何万年前より記録しており、また、日本海の海洋環境の変化を湖底に記録しているとして、湖底の堆積物を採取するためのボーリングが1980年11月に三方湖東南部(水深1.5メートル)の北緯35度33分32秒、東経135度53分40秒の地点で行われた。採取した堆積物から花粉、珪藻などの微化石、あるいは植物遺体を検出した。過去5万年間の記録を保管していることが分かった。ボーリング地点から南に1キロほどのところに鳥浜貝塚がある。菅湖と三方湖の間には堀切がある(掘削時期は1657年(明暦3年)以前と考えられるが、詳細は不明)。五つの湖は淡水・海水・汽水とそれぞれに違った性質を持ち、また同じ汽水湖でも日本海に直接つながっている久々子湖と一番奥にある菅湖、中間の水月湖ではそれぞれ海水と淡水の比率が違っている。そのため水の色も微妙に変化し、梅丈岳(三方五湖レインボーライン展望台)から見える景色は、五つの湖がそれぞれに違った青色をして見えるのである。日向湖を除く4湖は、久々子湖と若狭湾を結ぶ早瀬川を本川とする二級水系に属している。比較的大きな川は三方湖に流入する鰣川(「はす」は魚偏に時)のみである。そのほかは小さい川が多数流入している。若狭湾へ流れ出る川は早瀬川、並びに日向湖に繋がった運河のみである。水月湖は二重底の湖としても知られている。湖水上部(水深0-6m)は淡水、下部(水深7-40m)は硫化水素を含む無酸素の汽水となっている。水路工事の結果、三方湖からは淡水、久々子湖からは汽水が流れ込むようになり、淡水に比べ重い汽水は湖底に滞留するようになった。この状態で湖の表面に強風が吹いても表層の淡水が攪拌されるのみで、湖底の汽水は滞留したままである。この結果、下部の汽水は空気に触れることが無く、表層の酸素を含んだ淡水と混じり合うことも無いために、有機物分解によって酸素が消費し尽くされてしまい、酸素の代わりに汽水中の硫酸イオンを還元して硫化水素にすることで呼吸を行う硫酸塩還元細菌の活動により、2006年時点では硫化水素を多量に含んだ無酸素状態となっている。なお、嫌気性の下層水で最も光の強度が強い上限付近では、硫化水素を光エネルギーで単体硫黄にまで酸化させ、その時に発生するエネルギーを利用して炭酸同化を行う緑色硫黄細菌を主体とする酸素非発生型の光合成細菌が濃密に生息している。水月湖の年縞堆積物に関しては年縞#水月湖の年縞を参照のこと。湖には、コイ、フナ、ボラ、ウナギ、エビ、ワカサギなどが生息し、釣りもできる。また、野鳥の観測地としても全国的に知られ、なかでもカモ目は、マガモ、カルガモ、キンタロハジロ、ホシハジロなど10数種類・数千羽が確認されている。湖周辺には、オオワシやオジロワシなどの猛禽類も姿を見せる。湖の沿岸には、弘法大師が一夜で観音像を彫ったという伝説があり、手足の不自由な人に御利益があるといわれる三方観音、日本最古の丸太船が出土し縄文時代の遺跡として知られる鳥浜貝塚や、古代の出土品などが展示される若狭三方縄文博物館、遊覧船の快速ジェット船が出る三方五湖レークセンターがある。またその周辺の丘陵地には、三方五湖や日本海を展望できる三方五湖有料道路(愛称:三方五湖レインボーライン)が走る。
出典:wikipedia
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