


イン・フレイムス("IN FLAMES")は、スウェーデン・イェーテボリ出身のメタルバンド。元々は、メロディックデスメタルシーンの火付け役的な存在であった。特にメタルコアを始めとした新世代のヘヴィメタルバンドたちには決定的な影響を与えたとされる。ただし、活動中に徐々に音楽性を変化させ、デスメタルから脱却し現在の音楽性はオルタナティヴ・メタルに属する。初期の音楽性は、強烈なデスメタルの中にアイアン・メイデンなどに影響された勇壮で叙情的なツイン・リードギターのフレーズを織り込んだものであり、その出自は英国を含む欧州型のヘヴィメタルにあると言える。5thアルバムの『Clayman』あたりからアメリカ市場を意識したと思われる曲調が見られるようになり、6thアルバムの『Reroute to Remain』で完全に方向転換し、オルタナティヴ・メタルやメタルコア寄りのサウンドとなった。シンセサイザーを多用する洗練されたサウンド、ミドルテンポでの跳ねるようなリズムやデスヴォイスとクリーンヴォイスの使い分けといった、メロデスを基調としながらもモダンな要素やキャッチーさを併せ持つ音楽性はアメリカを中心に幅広く受け入れられ、ブレイクを果たすこととなった。同時にメタルコア勢を中心とする若手バンドたちに大きな影響を与えた。8thアルバム『Come Clarity』では、6th以降の音楽性を基調としながらも初期のアグレッシヴさを取り戻し、新世紀型メロディックデスメタルのひとつの到達点を示したとの評価を受けた。9thアルバム『A Sense Of Purpose』以降は、オルタナティヴ・メタルへと音楽性を移行し始め、その後デスメタルから脱却した。1stアルバムはメンバーが2nd以降とほとんど異なるため、1stと同じ曲が名前を変えて他のアルバムに収録されている。現ダーク・トランキュリティーのミカエル・スタンネがボーカルを務めていた時期もあった。1990年に、スウェーデン・イェーテボリ・ブーヒュース県・イェーテボリにて、イェスパー・ストロムブラードを中心に結成される。最初期のメンバーは、イェスパー・ストロムブラード (Ds、Key、G)、グレン・ユングストローム (G)、アンダース・イワース (G)、ヨハン・ラーソン (B)の4名であった。当時、イェスパー・ストロムブラードとアンダース・イワースがセレモニアル・オースで活動していたこともあって、当初は目立った活動はしていなかった。1992年にアンダース・イワースが脱退。1993年に、イェスパー・ストロムブラードがセレモニアル・オースから脱退し、活動を活発化。同年にカール・ナスルンド (G)が加入。正式ボーカリストが不在のため、ダーク・トランキュリティのミカエル・スタンネがセッション・ボーカルとして参加して、デモテープ『Demo '93』をリリース。同デモの楽曲の作詞もミカエル・スタンネが担当した。同デモのレコーディングは、スタジオ・フレッドマンで行われ、以降レコーディングはスタジオ・フレッドマンでフレドリック・ノルドストロームによるものとなる。このデモをきっかけに、スウェーデンのインディペンデントレコードレーベルのロング・アゲイン・レコードと契約。翌1994年に1stアルバム『Lunar Strain』をリリースしデビューする。同アルバムでも、引き続きミカエル・スタンネがセッション・ボーカルとして参加した。引き続き、作詞もミカエル・スタンネが担当した。同アルバムのメンバー写真には、ミカエル・スタンネが他のメンバーと共に写っている。その後、カール・ナスルンドが脱退。同年中に、1stEP『Subterranean』をレコーディングしリリース。同EP頃には、イェスパーがドラムスを担当することがほとんどなくなっており、ボーカリストとドラマーに数人のゲスト・ミュージシャンが参加している。『Subterranean』リリース後、正式ドラマーとして、ビョーン・イエロッテ (Ds、G)が加入。2ndアルバムの制作に入るが、ボーカリストは定まらず、アルバム・デモテープ作成の段階では、マーダックのボーカリストのヨアキム・ゴスベルグがセッション参加していた。そのため、ヨアキム・ゴスベルグが2ndアルバム中の楽曲「Dead Eternity」の作詞を手掛けている。その後、1995年中頃に、セレモニアル・オース、元ダーク・トランキュリティのアンダース・フリーデン (Vo)が加入。バンド体制が整う。以降の作詞は、アンダース・フリーデンが担うようになった。1996年に2ndアルバム『The Jester Race』をリリース。リリース後、ウロング・アゲイン・レコードが活動を停止し、ドイツのニュークリア・ブラストに移籍。続いて、1997年に3rdアルバム『Whoracle』をリリース。同アルバムのレコーディング後に、グレン・ユングストロームとヨハン・ラーソンが脱退。脱退は、バンド活動に対する疲れが原因であった。この脱退を受けて、ピーター・イワース (B)が加入。ピーターは、最初期に参加していたアンダース・イワースの実弟である。またギタリストには、ガーデニアンのギタリスト、ニクラス・エンゲリン (G)がライヴ・セッションを経て正式に加入。リリース後、ツアーを行う。このツアー中、1998年2月に初来日している。このツアー後、ニクラス・エンゲリンが解雇される。解雇の理由は、ガーデニアンによって、ニクラスがイン・フレイムスをメインバンドに置くことができないというものであった。ニクラス・エンゲリン脱退後、ドラマーのビョーン・イエロッテがギタリストに転向。この転向を受けて、Sacrilegeのドラマー、ダニエル・スヴェンソン (Ds)が加入。この加入によって、Sacrilegeは解散している。これまで、ラインナップが流動的で、メンバーが中々固定されなかったが、この交代劇を最後に約12年間、不動のラインナップとなる。1999年に4thアルバム『Colony』をリリースする。リリース後の7月には、2度目の来日を果たしている。2000年に5thアルバム『Clayman』をリリース。リリース後の2000年11月にアルマゲドンとザ・ホーンテッドと共に三度目の来日。この来日公演のうち、11月16日に赤坂BLITZで行われた東京公演の演奏がライヴアルバム『The Tokyo Showdown』としてリリースされた。2001年には、スリップノットのサポートで、アメリカ合衆国でツアーを行う。このツアーの後には、アイスド・アース、と共に再びアメリカツアーを行う。2002年に6thアルバム『Reroute to Remain』をリリース。同アルバムから、フレドリック・ノルドストロームのプロデュースを離れ、ダニエル・ベルグストランドがプロデューサーとして就いている。リリース後には、スレイヤー、ソウルフライと共にアメリカツアーを行った。引き続き、多数のライヴをこなしつつ、2003年にはEP『Trigger』をリリースし、続いて2004年に7thアルバム『Soundtrack to Your Escape』をリリース。2006年に8thアルバム『Come Clarity』をリリース。同年後半のツアーではイェスパー・ストロムブラードが個人的な理由で離脱し、元メンバーのニクラス・エンゲリンがセッション参加。更に妻の出産を理由にビョーン・イエロッテも離脱。エヴァグレイのヘンリック・ダンヘイジがセッションで参加した。スタジオ・フレッドマンが移転した後のスタジオを、イン・フレイムスが購入。IFスタジオ (IF Studio)を開設した。以降、このスタジオでレコーディングを行うようになる。2007年に9thアルバムのレコーディングを行う。ヴォーカル・プロデュース、レコーディングは引き続きダニエル・ベルグストランドが担当し、この他のパートのプロデュース、レコーディングはロベルト・ラギが担当した。2009年のツアーから、アルコール依存症の治療と個人的問題の解決のためにイェスパー・ストロムブラードがツアーを離脱。ニクラス・エンゲリンが代役を務めた。それから約1年が経過した2010年2月12日、バンドリーダーのイェパー・ストロムブラードが脱退。イェスパー・ストロムブラードの席を空けておくとの理由で、メンバー補充はされず、引き続きニクラス・エンゲリンがセッション参加していた。しかし、イェスパー脱退から約1年が経過した2011年にニクラス・エンゲリンが正式メンバーとしてイン・フレイムスに再加入した。10thアルバムのレコーディングは2010年終わり頃から行われており、ニクラス・エンゲリンは参加していない。センチュリー・メディア・レコードに移籍して、2011年に10thアルバム『Sounds of a Playground Fading』をリリース。10thアルバムリリース後、センチュリー・メディアを離脱。離脱後、レーベル未定のまま2013年12月にスタジオ入りし、11thアルバムをレコーディング。レコーディング後に、ドイツのソニー・ミュージックと契約。同社傘下のエピック・レコードに移籍した。2014年に、11thアルバム『Siren Charms』をリリース。2015年11月、ドラマーのダニエル・スヴェンソンが脱退した。脱退の原因は、家族との時間を大切にするため。脱退発表の時点で、後任は決まっていない。2016年6月に、過去に15年近く所属していたニュークリア・ブラストと再び契約した。同年9月に新ドラマーとして元Redのジョー・リカルド (Ds)の加入が発表された。2ndアルバムより、ブックレットには必ず"May the force be with you"の文言が書かれている。イェスパーの飼い猫の名前が"スカイウォーカー"であることからも、メンバーの多くがスター・ウォーズのファンであると思われる。作曲とレコーディングは、アルバム収録曲しか行わない。そのため、4thまでに収められた日本盤ボーナストラックは、全て書き下ろされたもの。5th以降はライブ音源となり、8thではボーナストラックそのものが無くなった。ソイルワークの曲「Rejection Role」のPVにイン・フレイムスのメンバーがカメオ出演している。また、イン・フレイムスの「Trigger」のPVにはソイルワークのメンバーがカメオ出演を果たしている。
出典:wikipedia
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