223系電車(223けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流近郊形電車である。本項では、本系列と213系で構成される同社の在来線技術試験車U@techと、本系列と類似の車体を持つ鉄道総合技術研究所(鉄道総研)のR291形試験電車についても記述する。221系に続くJR西日本の自社開発による近郊形電車。1994年から2008年までの14年間、投入される線区や列車種別に応じて様々な仕様変更を繰り返しながら生産が継続された、アーバンネットワークを代表する車両でもある。阪和線・関西空港線用の0番台・2500番台、東海道本線・山陽本線用の1000番台・2000番台、東海道本線・山陽本線・福知山線用の6000番台、北近畿地区用の5500番台、岡山地区用の5000番台、事業用車の9000番台の8グループが在籍している。全長20mの車体に片側に3カ所の乗降扉、転換クロスシートという設計コンセプトは221系を引き継いでおり、207系で実績があるステンレス製軽量車体とかご形三相誘導電動機・VVVFインバータ制御を新たに採用している。また、本系列をベースとしつつ各線区ごとの事情を加味した仕様変更を実施したローカル線向け直流電車の125系が小浜線・加古川線・北陸本線の直流区間と湖西線の一部区間に、ローカル線向け交直流電車の521系が小浜線・北陸本線・IRいしかわ鉄道線・あいの風とやま鉄道線・えちごトキめき鉄道線の糸魚川以西と湖西線の一部区間に(IRいしかわ鉄道線・あいの風とやま鉄道線ではJR西日本から移籍した車両も存在する)、四国旅客鉄道(JR四国)所有の5000系が5000番台とともに本四備讃線(瀬戸大橋線)に、それぞれ投入されている。本節では登場当時の仕様を基本として記述し、大幅な改修については別節で後述する。通勤形電車の207系で採用された軽量ステンレス鋼製で、前頭部のみ一般構造用圧延鋼材 (SS400) の溶接組立構造としている。前面形状は221系に比べて傾斜角度が緩やかになり、新設計の半流線形で非常時貫通構造としたが、その後に製造された5000番台・5500番台のみ常時貫通構造としたため、傾斜はなくなっている。正面は、0番台円形の前部標識灯に対して、1000番台以降は角型前部標識灯とフォグランプが2灯ずつ取り付けたものになっている。運行番号表示器は、2000番台1次車と2500番台1次車のみLED式が採用されたが、その他の車両はマグサイン式である。207系と同様にミュージックホーンが設置されており、運転席下部のペダルを軽く踏むとミュージックホーンだけが、強く踏むと通常の空気笛が同時に鳴る仕組みとなっている。0番台・2500番台は関西国際空港のイメージカラーである青と白のグラデーションが採用され、それ以外の系列では221系と共通イメージの白・茶(関西急電シンボルカラー)・青(JR西日本コーポレートカラー)・ベージュ(新快速シンボルカラー)の4色帯となり、戸袋部分にも窓周りと同色の茶色の帯が貼付された。0番台は221系に準じて下降式の窓に戸袋窓があり、その後に製造された1000番台は車端部以外の戸袋窓が廃止された。2000番台以降は戸袋窓がなくなり、窓の形状は下降式から内折れ式に変更された。この部分では上から5分の2程度の部分に黒い桟が入っている。内折れ窓は2000番台5次車から再び下降式に戻されている。221系や207系でも採用された回転幕式の種別表示器とLED式の行き先表示器が採用されている。221系では車体正面に種別表示器しか設置されていなかったが、本系列から行き先表示器も設置された。車体側面の種別・行き先表示器は221系に引き続き設置されているが、種別表示器の寸法が拡大されている。また寿命保持のため、車体側面の行き先表示器は自動的に消灯するが、車体正面のLEDは高速走行時でも消灯はしない。221系では動力車の性能調整をMM'ユニット方式と単独電動車(1M)方式の2種類の電動車を用意することで行っていたが、本系列では走行に必要な機器類を1両の電動車に集中させ、それを3両に1両程度の割合で連結することで編成組成の自由度を向上させている。製造期間が15年の長期にわたっているため、各部の構造はグループごと、さらにグループ内でも製造ロットごとに差違が生じている。例えば主回路装置(VVVFインバータ)の制御素子は異なったものを搭載している。0番台ではVVVFインバータと補機用電源である静止形インバータ(SIV)で構成されていた制御系は、1000番台以降で双方を一体化させた車両制御装置に改良され、SIVの不具合時にはVVVFインバータの1群を補助電源のバックアップとして使用することが可能となっている。屋根上機器は221系を踏襲した集約分散式冷房装置2基を全車に搭載している。また、電動車についてはこれに加えて2基分のパンタグラフ台座が用意されているが、JR東西線に乗り入れる関係でパンタグラフを2基搭載した網干総合車両所宮原支所(旧宮原総合運転所)の6000番台と霜取り用のパンタグラフを搭載した5500番台の一部の車両以外の各番台については、後位寄り(大阪駅基準で播州赤穂・和歌山寄り)にのみ下枠交差型パンタグラフを搭載している。運転台のマスコンは、221系から引き続きブレーキとマスコンが別々の横軸ツインレバー型を採用している。ボルスタレス台車を採用し、基礎ブレーキとして電動台車には踏面ブレーキ、付随台車にはディスクブレーキを備える。0番台の台車は207系をベースにした円錐積層ゴム支持式ボルスタレス台車であるが、営業最高速度を130km/hに向上させた1000番台以降は、高速走行を行う681系で採用実績のある軸梁式に変更およびヨーダンパが追加された。207系に引き続きドアチャイムが設置されており、製造当初は207系前期製造分と同様に閉まる時のみに鳴っていたが、現在では開く時も鳴るように改良されている。製造年度や系列により鳴動するチャイムの音色は異なっている。なお、半自動時はドアチャイムは鳴らない。
車内は221系に準じた転換クロスシートが設置されているが、系列によって座席数・配列が異なっている。阪和線・関西空港線向けの0番台・2500番台の座席は関西国際空港の利用客が大型荷物を持ち込んでも広くスペースが取れるようにすることや、ラッシュ時の収容力を確保するために車端部をのぞいて2人+1人となっており、車体塗色に合わせた空色のノルウェー(エクネス)からの輸入品が設置され、1人席の肘掛け下には荷物を固定するためのワイヤーが備えられた。しかし、2006年までに転換式の座席がすべて2500番台と同様の日本製(住江工業)に交換され、荷物固定用ワイヤーは廃止された。また転換式の座席交換によって窓際の肘掛がなくなった。扉間の座席は0番台のみ221系と同じ6列で、2500番台は1列少ない5列になっている。2011年6月より225系5000番台に準じた座席モケットに変更されている。東海道・山陽本線・瀬戸大橋線向けの1000番台・2000番台・5000番台・6000番台は221系と同じ2人+2人掛けで座席モケットの色も同様であるが、扉間の座席は1列少ない5列となっており、乗降扉付近のスペースを確保して混雑緩和が図られている。221系に比べて座席数が減少するため、転換ができない固定座席の背面に収納式の補助席が装備された。すべての補助席を使用すると1両あたりの座席定員が221系より8席増加する。この補助席は中央の扉では両側の固定座席の背面にあるが、両端の扉では中央寄りの固定座席の背面にしかない。補助席は混雑防止のため、平日ラッシュ時などには車掌の操作により一斉ロックが可能な構造になっており、使用できないときは1000番台のみ使用できない旨の表示が点灯する。また、1000番台は補助席を取り出すと背もたれの部分もせり出して背面がフラットになる構造となっているが、2000番台以降は背もたれの部分は省略されている。ワンマン仕様の5500番台は車端部のみ4人掛けのロングシートとなっている他は2人+2人の配列となっており、補助席は設置されていない。0番台・1000番台には車いすの利用に対応していない和式トイレが設置されており、2000番台以降の系列には車いすの利用に対応した洋式トイレが設置されている。トイレの向かいの座席は、和式トイレの0番台・1000番台については4人ボックス席であるが、1000番台は車いすスペースとして利用できるように跳ね上げ式の座席になっている。2000番台以降の車両については車いすスペースとしており座席は設置されていない。221系に引き続き、車内にはLED式の車内案内表示装置が設置されている。221系では車体妻面に1両あたり2か所設置されていたが、223系では乗降扉の上に配置されており、0番台では1両あたり6箇所(全てのドア上)に、1000番台以降は1両あたり3箇所の千鳥配置に変更されている。日本語及び英語での案内に対応している。2011年4月1日現在は以下の形式が存在し、9000番台にはクモヤ223形のみ存在する。2012年4月1日現在の編成は次の通り。なお、以下の表で「- #xxx」とあるのは、「xxx番台」の意味である(例:「クモハ223 - #2000」→「クモハ223 2000番台」)。1999年5月10日から大阪環状線 - 和歌山駅間で紀州路快速が運転を開始した。大阪環状線 - 日根野駅間は関空快速と併結運転することになり、編成両数は2両+6両から5両+3両に組み替えられることになった。この組み替えにより、2両編成のATS-Pは2両で1つのシステムを構成する集中制御方式であったため、この編成に挿入された7両の付随車にATS-Pの引き通し線が整備された。この際電動空気圧縮機の容量が不足するため、JR東西線の開業に備えて編成を組み替えた207系1000番台のものと交換されている。また先頭車両が4両不足したために2500番台(1次車)が4両製造され、0番台の中間車と組成することになった。さらに2008年3月には新造の2500番台を含めた編成替えが行われ、日根野所属車は全て4両編成に統一された。2007年6月下旬から2010年1月23日まで、ラッシュ対策として5000番台の2両編成に網干総合車両所から貸し出されたサハ223形2000番台が組み込まれ、3両編成化された。なおこの期間中に5000番台先頭車の事故修理のため、2000番台の先頭車が一時的に編成に組み込まれたことがあった。目次へ移動する1994年9月4日の関西国際空港開港にあわせて、同空港へのアクセス列車である関空快速に使用するために1994年2月から3月にかけて6両編成9本(54両)と2両編成7本(14両)の計68両が新造されたグループである。近畿車輛・川崎重工業で製造され、日根野電車区(当時。現:吹田総合車両所日根野支所)に配置された。1994年度のグッドデザイン賞を受賞している。車体はビードと呼ばれる棒状の補強構造のないステンレス製で、当時としては221系と同配置の連窓(ドア間6、車端2)やビードのない外観を確保しつつ車体強度・剛性を維持するため、若干厚めの外板が用いられ、側窓の上下寸法も221系と比較して縮小されている。関西国際空港連絡橋通過時の横風対策として、車高は221系より6cm低く抑えられている。JRマークは前面のみに貼付されている。電動車両にはVVVFインバータ・補助電源装置・集電装置など、運転に必要な機器を空気圧縮機を除いて集中搭載した。これによって粘着性能の向上を図っている。VVVFインバータはGTO素子を用いた電圧形PWMインバータWPC4であり、インバータ1基で1基の電動機を制御する、いわゆる1C1M構成としている。保守点検の容易化および操作性向上の観点から1車分4群のインバータ装置を1箱に集約している。補助電源装置はGTO二重チョッパ+IGBT3レベルインバータで構成された静止形インバータWSC30(定格容量130kVA)を採用する。空気圧縮機は往復単動2段式が採用され、クハ222形0番台にはWMH3093-WTC2000B、クハ222形100番台・サハ222形100番台にはWMH3094-WTC1000Cが搭載される。冷房装置は集約分散式のWAU702Bを各車2台搭載する。1995年4月20日には関空直行高速バスに対抗するため、指定席を設けた特別快速関空特快「ウイング」の運転が開始された。検札の利便性から編成の最後尾車両が指定席車両とされ、該当車両は自由席車との区別のために種別幕が下部に黄緑帯が入れられたものが使用されたが、車内が自由席車と変わらないこともあり、指定席車と気付かないで誤乗する乗客が絶えなかったため1999年5月10日に廃止され、これにより本系列を使用する指定席車は廃止された。なお、クハ222形100番台の空気圧縮機は前述の3連化の際に207系と同じWMH3093-WTC2000に交換されている。2007年7月から2008年3月にかけて、223系0番台のM車のモーターを出力180kWのWMT100Bから230kWのWMT102Cに取替えた。モーター交換と並行して、転落防止幌設置工事が進められている。また、同年冬ごろ出場のクハ222-101より、クハ222形のトイレ前の座席を撤去して車椅子スペースに改造する工事が、2008年初頭出場のクハ222-105より、トイレを2000番台・2500番台と同型の車椅子対応の大型トイレに交換する工事も始まっている。2015年7月31日、HE402編成に先頭車間転落防止幌が設置された。目次へ移動する0番台製造から時間が経過していたため、当時量産が続いていた2000番台の機器類や車体構造が流用され、内外ともに0番台とは大きく異なることから新たに2500番台と区分された。紀州路快速の運転開始によって0番台の編成組み替え時に先頭車両4両が不足したため、川崎重工業で製造されたグループである。クモハ223とクハ222が各2両製造された。各部の配色は0番台が踏襲されているものの、形状や経年の違いから異なる部分も多い。窓周りには2000番台の茶帯にあたるパールブルーの帯が入れられている。電動車両に搭載される車両制御装置は、VVVF制御装置の異なる0番台との混結を考慮して、車両制御装置内の補助電源部バックアップ機能を準備工事としている。また、営業最高速度が120km/hであることから、付随台車をディスクブレーキが1軸1枚のWTR243Aに変更し、アンチローリング装置を省略した。2007年3月のダイヤ改正で223系の運用を増加させるにあたり2006年度に2500番台のみの編成として製造されたグループである。編成すべてが新造であるため、2500番台として初めて中間車が設計された。5両編成と3両編成各1本・計8両が川崎重工業で製造され、2007年2月5日より運用を開始した。基本的な形態は1次車に準じているが、2000番台での各種の改良が取り入れられ、窓ガラス色や蛍光灯カバー形状などに変更が加えられている。主回路面での相違点としては、1次車で準備工事とされた補助電源部バックアップ機能を搭載している。2008年3月ダイヤ改正に合わせた、日根野電車区所属車の増車と既存の5両・3両編成の4両化のため、近畿車輛で比較的まとまった数が製造されたグループである。投入の目的上、4両編成で製造された車両はごくわずかに留まり、既存編成との混結を前提にクモハ223形-モハ223形-クハ222形の3両編成やモハ223形単独で製造された車両が多くあるのが特徴。2008年3月14日より営業運転を開始した。2次車から更なる改良が加えられ、同時期の2000番台(5次車)に準じた仕様となった。よって窓周り帯が細くなるなど、外観にも大きな変化が発生している。目次へ移動する東海道本線・山陽本線(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)を中心に運行されている新快速を最高速度130km/h 運転に対応させる目的で製造されたグループである。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災後の輸送力増強のため、当初の予定よりも前倒しして同年8月12日に投入された。1次車として8両の基本編成(W1-W4)と4両の付属編成(V1-V4)各4本の計48両が川崎重工業・近畿車輛・日立製作所で、1997年には2次車として同仕様の基本編成5本(W5 - W9)と付属編成1本(V5)の計44両が川崎重工業と近畿車輛で追造され、総計92両が網干総合車両所に在籍する。W3編成は223系唯一の日立製車両の編成である。車両端ボックスシート部分を除いて戸袋窓が廃止され、車体板厚を薄くするとともに側面にはビードが付けられている。走行機器設計を行うに当たり、各機器の機能及び機器構成上集約できるものに関しては極力一体化・集約化・軽量化を図っている。電動車両には、車両制御装置や空気圧縮機・集電装置といった、走行に必要な機器を集中搭載することで粘着性能の向上を図っている。車両制御装置(WPC7)はIGBT素子を使用した3レベル電圧形PWMインバータを使用し、従来のVVVF装置とSIVは機器構成が共通であることから共通化を行い、車両制御装置として一体箱に収納することとした。1基の装置中にインバータを5基(主回路部4基+補助電源部1基)搭載し、主回路部はインバータ1基で1台の主電動機を制御する1C1M制御方式を採用している。補助電源部は三相交流440V、110kVAの容量を有している。主回路部と同じくIGBTを用いた2レベル電圧形PWMインバータをCVCF制御し、補助電源部が故障した際には主回路用インバータをCVCF制御することで補助電源のバックアップとしている。空気圧縮機はレシプロ式であるWMH3093-WTC2000D形を採用する。冷房装置は電動車がWAU705、主要機器を搭載しない付随車については681系と同様、低重心化のため機器を屋根上と床下に分散させたセパレート型のWAU304を2基搭載する。運転最高速度が130km/hに向上したことから、台車は681系で実績のある軸梁式ボルスタレス台車が採用された。動力台車がWDT56、付随台車がWTR240と呼称される。高速走行時の乗り心地改善のため、ヨーダンパおよびアンチローリング装置が取り付けられた。さらに、130km/hからの十分な制動力を確保するために基礎ブレーキを見直した。WDT56は両抱き式の踏面ユニットブレーキ、WTR240は1軸2枚のディスクブレーキ+踏面ブレーキとした。製造前には国鉄時代に一部の快速に連結されていたグリーン車(1980年廃止)を復活させる構想もあったが、関空快速の指定席の利用率低迷などもあり、最終的には見送られている。この件は朝日新聞大阪版でその構想が記事になった。試験期間を減じて前倒しで投入されたため、WN継手から異音や振動が発生する、車両から発生する電気ノイズで近傍を走行する201系の保護回路を誤動作させて緊急停止させるなど、いくつかの不具合が発生したが、現在ではこれらの問題点は対策済みである。2015年3月19日にV3編成に先頭車間転落防止幌が設置され、2015年5月上旬から運用に入っている。目次へ移動する1000番台の増備車として、コストダウンを図り、大量に製造されたグループである。1999年から2008年まで川崎重工業と近畿車輛で製造された。車体構造は、従来の骨組み工法から東日本旅客鉄道(JR東日本)のE217系などで採用されている外板自体に強度を持たせる工法に変更され、外観では再び側面のビードがなくなり、1000番台では車端部に残っていた戸袋窓が廃止され、その代わりに車端部の窓が拡大されている。また、将来の改造を容易にするため、構体妻壁は別扱いで組み立てられ、本体にボルトで後付けする方式が採用されたのも特徴である。これにより中間車から先頭車、先頭車から中間車への改造が車端部の交換のみで簡単に行えるようになった。運転台構造は基本的に1000番台を踏襲するが、それまで前面ステップ端面に取り付けられていた尾灯が前照灯と一体化したユニットタイプに変更されている。このグループではバリアフリー対策が従来より強化されている。床面高さを20mm下げることでホームとの段差を小さくした。トイレはJR東日本のE217系などとほぼ同一構造の車椅子対応の大型タイプとなり、向かいには新たに車椅子スペースが設けられた。車椅子スペースには車椅子で使用できる高さの手すりと壁に沿ったヒーターがある他は空きスペースとなっている。また1000番台と比べて、座席のクッションの減少・座席窓側の肘掛けの廃止・補助席の格納式背もたれの廃止・補助席の使用告知ランプを廃止し「混雑時など時間帯により、補助シートはご利用できません」と書かれたプレートの取り付けなどが行われている。また車端部の連結面には落下防止幌が設置されている。電動車両には、車両制御装置と集電装置のほか、必要に応じて空気圧縮機などの補機類を搭載する。車両制御装置(WPC10)はIGBT素子を使用した3レベル電圧形PWMインバータで、1基の装置中にインバータを5基(主回路部4基+補助電源部1基)搭載し、主回路部はインバータ1基で1台の主電動機を制御する1C1M制御方式を採用している。補助電源部は三相交流440V、150kVAの容量を有しており、1000番台 (WPC7) より容量が増強されている。主回路部と同じくIGBTを用いた3レベル電圧形PWMインバータをCVCF制御し、補助電源部が故障した際には主回路用インバータをCVCF制御することで補助電源のバックアップとしている。補助電源部故障によるCVCF制御への切り替えについて、1000番台(WPC7)では床下での手動切り替えとなっていたが、2000番台(WPC10・WPC13)では運転台からの遠隔切り替え方式となっている。なお、編成に応じた必要最小限の機器構成に対応できるように1もしくは2基のインバータを省略できるようにしており、上表に示されるように形式名で区別されている。これらに関しては、インバータを追加することでフル装備(主回路インバータ4基+補助回路インバータ1基)とできるようにされている。台車はWDT59(電動車)・WTR243(付随車)が採用されている。床面高さの低下により、台車は側枠の形状を変更し枕ばね取り付け位置を引き下げた。またWDT59の基礎ブレーキは踏面ブレーキであるが、車輪踏面のメンテナンスの観点や床下スペース確保の要求、軽量化の点から両抱き式から片押し式に変更している。さらに、惰行時の騒音低減のために軸継手の低騒音化を図った。冷房装置についてはセパレートクーラーは採用されず、集約分散式WAU705Aに形式変更・統一された。クーラキセに内蔵されている車外放送用スピーカは2基から1基に減らされている。また、コストダウンの一環としてメーカーごとの工法の差がある程度許容されており、製造メーカーによって妻面のビードの有無など、細部の形状が異なっている。空気圧縮機(CP)は除湿装置一体型の低騒音形スクリュー式WMH3098-WRC1600に変更された。2000年3月11日の新快速の最高速度130km/hへの引き上げと、それに伴う使用車両の223系統一を主目的として製造されたグループである。8両編成18本(編成番号W10 - W27、以下同)と4両編成23本(V6 - V28)の計236両が製造された。なお、編成番号はW編成・V編成とも1000番台の続番となっている。本系列の投入によって、すべての新快速が223系で運転されるようになった。機器類では従来MT比1:2を基本にして性能が設定されていたが、東海道・山陽本線の実際の編成は4両(MT比2:2)または8両(MT比3:5)で余裕があるため、本来は1両あたり4基搭載のところ、モーターを1基未搭載とした3個モーター車(0.75M)が設定された。8両編成のうちクモハ223形1両と4両編成の全ての電動車が主電動機を3基搭載とされ、通常の電動車と区別するため、2000番台の続番に1000を足した3000番台として区別された。この措置によって通常の2000番台車両に欠番が生じており、将来3000番台車両に主電動機を1基増設し2000番台への改番(復帰)がなされた場合、単純に現番号-1000番で容易に欠番を埋められるように配慮されている。補機類についても容量がアップされ、従来の1基あたり3両から4両対応として個数の削減が図られた。このことから補機類を搭載しない中間電動車が製造され、既存の中間電動車(モハ223形)との区別のためにモハ222形と区分された。また、東芝製インバータ搭載車は2次車登場後、同グループに合わせてインバータ装置のソフトウェアが変更され、純電気ブレーキ機能が追加された。2008年1月にこの一次車グループのうち、4両編成6本(V21 - V26)が221系との併結用に一部機器の設定変更を受け、車番に+4000を加えられて他の223系グループから運用が独立した(6000番台を参照)。アーバンネットワークのさらなる輸送改善と本線系統の快速に残っていた旧型の113系の置き換えのために2003年に投入されたグループである。8両編成5本(W28 - W32)・4両編成7本(V29 - V35)と快速を中心に使用するために新たに6両編成2本(J1・J2)の計80両が製造された。冷房装置は2次車以降小改良が施されたWAU705Bに変更されている。また緊急列車停止装置(EB装置)や緊急列車防護装置(TE装置)の搭載もなされている。1次車は雨天時など走行中に駆動輪の空転が多発し、対策として3個モーター車が廃止され、全電動車が4個モーター車となった。また、三菱・東芝製インバータ搭載車には新たにインバータ制御プログラムの変更により純電気ブレーキ機能が追加され、VVVFインバータ形式がWPC13に改められた。東芝製のインバータは3レベル方式から2レベル方式に変更された。補機類の配置も見直されて冗長性確保のためモハ222形にSIVが搭載されるようになり、モハ223形の一種(2100番台、2140 - 2176・2180 - 2183・2186 - )という扱いに改められた。これらについても1次車の3000番台と同様、将来空気圧縮機の追加による2000番台化が行われても番号が重複しないよう飛び番で番号が付され、下2桁が同じ番号の2000番台車両(2040 - 2076・2080 - 2083・2086 - )が欠番となっている。なお、この車両は運転台の液晶モニターには「M1」と表示される。座席モケットは、転換シートと化粧板の間にあった詰め物や座席背ずりの中央にあった窪みが省略されている。また、窓ガラスは緑色のUVカットガラスに変更された。最近では1次車以前の車両も破損の復旧にこのグループと同じ緑ガラスが使われるようになっている。他にも貫通扉の渡り板手前にスロープが設置されて段差がなくなったが、クハ222形はスロープがトイレと干渉したため設置されず、危険防止のため渡り板の段差部分に目立つよう蛍光テープが貼り付けられている。JR京都線・JR神戸線のさらなる高速化と朝ラッシュ時の快速の本系列への統一に向けて2004年に投入されたグループ。当初は8両編成6本(W33 - W38)・4両編成17本(V36 - V52)と6両編成8本(J3 - J10)、2005年4月25日のJR福知山線脱線事故のちに追加で、同線ATS-P整備に伴うATS-P未設置の117系置き換えに転用された221系の補充用に4両編成2本(V53・V54)の計172両が製造された。この時に製造された車両は速度計が321系と同じものに変わっている。このグループより排障器(スカート)が鉄板の面積が増やされた強化型となり、従来の車両も順次改良された。そのほかの構造は2次車から変化がない。2006年10月21日の新快速敦賀延長に際して増備されたグループである。8両編成1本(W39)・6両編成2本(J11・J12)・4両編成3本(V56 - V58)の計32両が製造された。3次車からの主な変更点は次の通り。2007年に製造されたマイナーチェンジ車である。2007年4月13日から順次営業運転を開始した。このグループは4両編成12本(V59 - V63・MA01 - MA07)と6両編成2本(J13・J14)の計60両で、8両編成(W編成)は製造されていない。網干総合車両所宮原支所の6000番台については6000番台を参照。車体の細部の構造が4次車からの変更点は次の通り。2008年から製造されたグループ。2008年7月以降に落成したグループ。車両の前面・側面が50km/hで衝突した際の室内残存空間が既存車両より約2割増加するよう車体強度が強化され、321系や683系と同程度の車両強度を有する。4両編成2本(V65・V66編成)の計8両が製造され、網干総合車両所に配置されたが、2012年3月のダイヤ改正前で6000番台に改番のうえ網干総合車両所宮原支所に転属し(V65 → MA21・V66 → MA22)、現在は福知山線で運用している。なおこの編成を以て223系の製造は終了した。目次へ移動する網干総合車両所本所の221系運用に充当する目的で、車両性能を221系と同一水準になるよう機器の設定が変更された本所所属のグループと、走行線区のほとんどが130km/h対応線区ではないため、221系と同等の車両性能に設定された宮原支所所属のグループがある。6000番台では網干本所所属車両・宮原支所所属車両ともに、先頭車(クモハ223形・クハ222形)の前面貫通扉の下部と側面乗務員扉の下部にオレンジ色の細いライン2本がシールで追加されており、運転台にも「221系性能」といった標記が追加されている。2008年1月21日から運用を開始している。網干総合車両所所属の223系は221系併結運用を可能とするため、223系側で加速性能などを221系に合わせられるように設計されており、過去には回送を含むラッシュ時などの一部の定期運用で両系列の併結運転が行われた実績があった。また2000年に新快速が全列車223系に統一されて以降も、ダイヤが乱れた際などには緊急的に併結運転が実施されていたが、これらはいずれも限定的な運用であり、恒常的に併結運転を実施する目的のものではなかった。その後223系の増備により本線系で運用されていた221系の他線区への転出が進み、221系のみで運用を組むのが困難となったため、従来221系が限定で充当されていた運用にも223系が充当されることになった。このため221系との併結が恒常的に発生することや、運用そのものが221系の運転曲線を前提にダイヤが作成されていることから、223系側の性能選択スイッチの切り替えミスを防ぐ目的で、当該運用への充当対象車は221系相当の性能に制御器の動作モードが固定されることとなった。2000番台1次車の4両編成が改番されており、他の223系一般車との識別のために元番号に4000が加えられて6000番台(電動車は7000番台)へ変更されている。2008年1月から2月にかけて6編成(V21 - V26編成)、同年10月に2編成(V27・V28編成)、2010年2月に1編成(V20編成)が改造され、最大で8編成が存在した。その後、2012年3月に2編成(V27・V28編成)が221系性能固定改造を解かれて原番復帰しており、現在は6編成(V20 - V26編成)が221系C編成と共通で運用されている。2008年3月15日に開業したおおさか東線の開業にあわせて新規に製造されたグループ。2000番台5次車および6次車として4両20編成(MA01 - MA20)の合計80両が宮原総合運転所(現:網干総合車両所宮原支所)に配置されたが、営業運転開始前に全車が6000番台に変更された。2000番台5次車までの仕様変更を受けて製造された新製車のため、2000番台1次車を番台変更した網干本所所属の6000番台とは編成形態や各部の仕様が異なっている。JR東西線の剛体架線区間を運転するため、離線対策として全ての電動車(クモハ223形・モハ223形)にパンタグラフを2基搭載して製造された。223系の電動車はもともとパンタグラフが2基搭載可能な構造だったが、実際に2基の搭載が行われたのは本グループが初めてである。さらに2012年3月のダイヤ改正で113系及び221系の置き換えを目的として2008年に新造された7次車4両2編成が網干総合車両所本所から改番(V65 → MA21、V66 → MA22)のうえ転入した。これらの編成のパンタグラフの増設は行われていない。目次へ移動する福知山地区で使用されていた113系3800番台・5800番台の置き換え用として2008年に製造された。後述する5000番台をベースに、2000番台4次車以降で行われた耐燃焼性・耐溶融滴下性の向上や防音性の確保のための設計変更を盛り込んでいる。521系の直流専用版ともいえる。車体は衝突安全性の観点から車体構造の見直しが行われている。構体の台枠-側-屋根垂木の接合部を強化し、側構体の強化や戸袋部の補強など、他番台と比較して車体の強度向上が図られている。乗務員室は5000番台同様な前面貫通扉を持った常時貫通構造とし、客室内展望を考慮して125系3次車と同様の背面仕切りにするとともにワンマン運転対応設備を追設している。また、併結時の客室スペースとしての利用を考慮して半室構造としている。客室設備は扉間は転換クロスシート、車端部はロングシートを基本とし、T'c車1位寄りに車椅子スペース、2位寄りに車椅子対応大型便所を備える。便所の汚物処理形式は従来のカセット式(0番台・100番台・2500番台は循環式)ではなく、521系で採用された防臭性に優れた真空式に変更された。客室照明カバーは2000番台4次車に準じた変更がなされている。車両制御装置や空気圧縮機に変更はないが、主電動機は長寿命化の観点から絶縁種別をH種からClass200に向上させた WMT102C(1時間定格出力230kW)を搭載する。従来のWMT102Bに比べて出力は向上しているが、構造的互換性は有している。集電装置はクモハ223形後位寄りに1基搭載が基本であるが、5両(5501 - 5504・5509)には霜取り用パンタグラフが前位寄りに追加され、2基搭載となっている。台車については2000番台5次車と同じく電動台車がWDT59・付随台車が駐車ブレーキ準備工事済みのWTR243Eである。保安装置は脱変周方式を採用したATS-SW2および機器構成の集約化など改良を図ったATS-P3を搭載する。最高速度は120km/hで、嵯峨野線内で221系と併結運用されることもあるため、6000番台と同様に運転室扉と前面貫通扉にオレンジのラインが入っている。JR西日本の在来線電車としては、下枠交差型パンタグラフを装備して新造された最後の形式である。目次へ移動する瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」の輸送改善と在来車の213系を置き換えるために投入されたグループで、2003年7月に2両編成7本(計14両・P1 - P7編成)が川崎重工業で製造され、岡山電車区に配属された。基本的な構造については2000番台2次車を踏襲しているが、JR四国との乗り入れ協定もあり、様々な設計変更がなされている。前面は連結運転時に常時乗客が編成間を通行できるように貫通幌が設置されたため、前面ガラスが直立した形態となった。側窓は1000番台とほぼ同一の下降窓構造となった。窓周りの茶色の部分は上下方向に縮小され、車端部以外1000番台と同じデザインとなっている。なお1000番台では乗務員扉後部の帯は端が丸くなっていたが、本番台では角ばったものとなっている。動力伝達装置は従来のWNドライブからTD継手式(中実軸)平行カルダン駆動に変更されている。また、ATS-Pが整備されていない路線で運用されるため、本番台は唯一準備工事のみの施工となっている。本番台も新造後に前面のスカート部が強化された。室内の変化としては、LED式の案内装置の下の広告スペースが従来より拡大された点・乗務員室付近の意匠が125系に準じたものになった点が挙げられる。助士側は開放スペースになっているが、いたずら防止のためにドアスイッチ類にカバーが設けられている。JR四国側の車両側の5000系の岡山側後方2両と共通仕様であり、違いは車体に貼付されたJRマークの色(コーポレートカラー)と排障器(スカート)の形状の違い(5000形のスカート強化改造が行われておらず、223系登場時の原形のままである)程度しかない。2007年6月下旬から2010年1月23日まで、ラッシュ対策として5000番台の2両編成に網干総合車両所から貸し出されたサハ223形2000番台が組み込まれ、3両編成化された。増結されたサハ223形は全車の開閉可能な側窓が内折れ式であったため、全編成で帯幅、窓構造が揃っていなかった。目次へ移動する1998年(平成12年)11月に川崎重工業が、2000番台の量産に先立ち1両のみ製造した2シート工法車体検証用の試作車である。クモハ223-9001と車号が付けられていたものの、川崎重工業の所有物であり、無車籍であった。量産タイプの2000番台と異なり、前面にフォグランプが装備されておらず、2000番台のフォグランプに相当する部分に前照灯、前照灯に相当する部分に尾灯がそれぞれ設置され、尾灯の分だけ灯具部分の切り欠きが狭められて1000番台と同じ切り欠き高となっている。また冷房室外機も集中式1台である。車体の製造工法確認を目的として試作されたものであるため、車籍を与えられることもなく評価試験後は工場内に留置されていたが、在来線用技術試験車「U@tech」への転用のため、JR西日本が購入のうえ2004年9月に吹田工場(現在の吹田総合車両所)で改造を実施、クモハ223-9001からクモヤ223-9001に改番された。U@tech(ユーテック)とは、JR西日本が在来線の次世代鉄道へのシステム改革のために製作した試験車である。U@techの意味は、「あなた=お客様」(you)、アーバンネットワーク(Urban Network) 、ユビキタス(ubiquitous) 、未来(future)を表すUに、技術(technology)を組み合わせており、「U」を目指した技術試験車であることを表している。試験車を用意するにあたり「130km/hで走行できる余剰車」ということからマリンライナーの新車置き換えで余剰となった213系2両(クロ212-1・サハ213-1)と223系9000番台(クモハ223-9001)が試験車の種車として2004年8月に改造され、それぞれ、クヤ212-1・サヤ213-1・クモヤ223-9001に改称された。塗装は3両とも統一の青系統のラッピングが施され、この時点で配置区所の吹田工場を示す「京スイ」の文字も入れられた。改造後も無車籍の状態が続いていたが、2007年3月31日付で正式にJR西日本籍に編入された。U@techはさらなる安定輸送の提供・地上との大容量データ伝送と業務革新・快適な車内空間、環境・省エネルギーの4つのテーマについて開発を進めており、地上と車両を高速大容量通信で結ぶ「沿線無線WAN」が搭載されたほか、本線走行用のATSに加え、車上主体列車制御システム(無線式)の実証試験用装置の設置、新開発の東芝製全閉自冷式永久磁石同期電動機 (PMSM)(270kW)・台車・シングルアームパンタグラフなど、様々な試験装備を搭載してデータの収集を行っており、後に運転台もグラスコックピット化された。車両性能は最高速度130km/hで、曲線通過性能は半径600m以上の曲線では本則+20km/hとし、加減速度は223系2000番台と同等である。走行試験は主に吹田総合車両所にある試運転線とJR京都・神戸線で行われる。なお、高槻駅の1番線には「U@tech」専用の停止位置目標(折り返し用)がある。JR難波駅直上に設置された大阪シティエアターミナル(OCAT)で国際線搭乗手続きを受けた乗客の荷物搬送用として、0番台に荷物室の新設工事が行われた。2両編成のうちJR難波寄りクモハ223形100番台の乗務員室側の一部座席を撤去して仕切壁を設け、大型荷物棚の設置・火災報知器・荷物室用の蛍光灯などが新設され、荷物室となったエリアは窓と乗降ドアのガラスを外して車体と同色に塗った鉄板をはめ込み、ドアはその他の乗降ドアと制御を区分することによって個別スイッチにより開閉可能な構造に変更された。このため、停車駅には「この乗車位置からは乗車できない」旨の表示があった。荷物室は名目上は業務用室とされたため、本来なら形式が荷物車との合造車を示す「クモハニ」となるところ、形式変更は行われなかった。なお、荷物室は1998年にOCATでの搭乗手続きの利用率低下により廃止され、この部分は客室に復元された。130km/hで走行することによりパンタグラフが架線から一時的に離線し、SIVが停止して室内灯が消灯して停電することが多くなっていた。このため地上設備と車両設備に改良が行われ、地上設備に対しては架線電圧の乱れが多発する場所の架線を調整し、架線構成の乱れを制御するバランサなどが設置された。車両設備に対しては1000番台と2000番台1次車の96両に対してコンデンサが増設された。2000番台236両と2500番台4両は、コスト削減とメンテナンスの改善を目的に、窓ガラスを濃い灰色の熱線吸収ガラスとしてカーテンを省略した。しかし、カーテンを設置してほしいという乗客からの要望によりカーテンが増設された。飛来物や人身事故時に窓ガラスの破損や乗務員のケガが相次いだため、運転士側前面にパイプ型のプロテクターや前面ガラスに貫通防止フィルム装着などが行われた。2000番台2次車以降はガラスの強度を向上させることにより対応した。目次へ移動する2000番台1次車のクモハ223-3018+モハ222-3028(V15編成)は、2003年2月にシングルアーム式パンタグラフを搭載して試験走行を行った。また2000番台1次車のクモハ223-3033(V25編成)も翌2004年からシングルアーム式パンタグラフを試験装備していたが、2005年11月に通常の下枠交差式のパンタグラフに戻された。シングルアーム式パンタグラフはのちに521系や225系で本採用された。また、2000番台3次車のクハ222-2081(W38編成)には2010年1月末からHIDランプ式の前照灯とフォグランプが試験として装備されていたが。2011年2月7日から14日にかけて、2000番台の車内にリチウムイオン電池を搭載し、試験走行を行った実績がある。2000番台1次車、W10編成は先頭部に転落防止幌を装着して試運転した実績がある。6000番台MA21編成は中間車2両を抜いた状態で広島地区に導入された新型ATSであるATS-M形(現ATS-DW形)の実用試験に使用されていた。目次へ移動する2012年4月1日現在の配置区所と運用線区は以下の通り。吹田総合車両所日根野支所には0番台・2500番台が配置されており、4両編成(HE編成)140両が配置されている。大阪環状線 - 関西空港駅・和歌山駅間を結ぶ関空快速・紀州路快速や直通快速などの快速列車のほか、阪和線の普通・区間快速、関西空港線のシャトル、大阪環状線の周回列車などに充当されている。紀勢本線(きのくに線)の定期列車では和歌山駅 - 御坊駅間で運用されていたが、2011年3月13日のダイヤ改正で紀伊田辺駅まで運用範囲が広がった。2008年3月14日までは、日中の一部の関空快速が関西本線(大和路線)JR難波駅へ乗り入れていた。東海道本線(梅田貨物線)の定期列車は深夜の新大阪駅 - 御坊駅間で225系5000番台と共通運用となっている。0番台は1994年4月1日に運用を開始し、阪和線で運用された。この時期は和歌山行の運用もあった。同年6月15日のダイヤ修正で関西空港駅への乗り入れを開始し、その後関空開港に伴う9月4日のダイヤ改正で本格的に空港アクセス列車の関空快速として運用を開始した。当初、一部列車では京橋駅発着の6両編成とJR難波発着の2両編成が天王寺で増解結を行う運用が行われた。この時点で阪和線日根野駅以南へ乗り入れる列車は平日朝の和泉砂川駅発着の区間快速と夜の和泉砂川行きの最終快速を除いて運用されず、和歌山駅への乗り入れが一旦なくなった。当時2両編成はどちらかというと運用的に持て余し気味で、日中は2編成を連結した4両編成で天王寺駅 - 日根野駅・和泉砂川駅間の普通にも使われていた。臨時列車としては南紀熊野体験博期間中には白浜駅まで、2009年には紀州路快速の延長運転を行い快速「熊野古道号」として紀伊富田駅まで運行されたことがある。また2014年2月17日 - 21日に実施された大阪環状線の朝ラッシュ時間帯の3ドア車両集中運用の関係で桜島線(ゆめ咲線)に乗り入れたことがある。網干総合車両所本所には、1000番台・2000番台・6000番台が所属し、8両編成(W編成)39本、6両編成(J編成)14本、4両編成(V編成)64本の合計652両が配置されている。1000番台・2000番台は4・6・8・10・12両編成で新快速・快速・普通に運用されている。また、朝晩には草津線柘植駅に乗り入れる列車にも運用されている。なお、1000番台と2000番台及び225系0番台は区別なく一括して運用され、1000番台と2000番台及び225系0番台との併結列車が多く見られる。2006年の直流化工事区間の近江塩津駅・敦賀駅へ乗り入れる列車は4両編成のみ、2016年3月26日のダイヤ改正以前はJR東海管内の大垣駅まで3往復入線していた。6000番台は4・6・8両編成で米原駅 - 上郡駅間および赤穂線の快速・普通に運用されている。221系との併結を目的として区分されたグループのため、ほかの1000番台・2000番台と併結されることはなく、新快速で運用されることもない。4・6・8両編成と連結して8 - 12両で運転されるほか、6000番台同士の連結で8両編成になることもある。姫路駅 - 播州赤穂駅・上郡駅間では編成単独の4両で運転されている。1000番台・2000番台は、臨時列車として大阪方面から山陰本線(嵯峨野線)に直通する臨時列車として春と秋の観光シーズンを中心に嵯峨嵐山駅や園部駅まで運転し、日中の一部の113系運用を本系列が代走していた。また、1000番台はかつて臨時快速「レインボー号」として福知山駅を経由して北近畿タンゴ鉄道宮津線の天橋立駅まで乗り入れたこともある。2000番台は2004年3月13日の天神川駅開業を記念して、本系列を使用した祝賀列車が広島地区で運転されたり、2016年9月10日~9月11日運転の団体列車「桃太郎ミステリー列車2016」に当形式が使用され新倉敷駅まで入線したこともある。他にも、イベントの臨時列車として下関駅や高松駅まで入線したこともある。なお、2004年10月16日のダイヤ改正で113系に代わって大垣駅への乗り入れを開始したが、その際に名古屋駅まで乗務訓練として乗り入れている。また2004年9月には、台風16号による高潮の影響で宇野線宇野駅構内に留置していた105系と115系がそれぞれ浸水して故障し、和歌山地区への転用や短編成化と車両の改造工事などにより予備車両がなく、車両不足が発生した。その際、岡山電車区に留置されていたJ1編成が宇野線岡山駅 - 宇野駅間で同月末まで使用された。その後2007年7月1日から2010年1月23日までは、岡山駅 - 高松駅間を運行する快速「マリンライナー」の増結用として、4両編成・6両編成の2000番台付随車 (T) の一部が後述する5000番台の中間車として運用についていた。なお、編成から外された付随車は、同年1月25日付けで網干総合車両所に返却されている。さらに2007年には、瀬戸大橋線での踏切事故によるクモハ223形5000番台破損の修理のため、網干所属の223系2000番台が応援運用に入ったことがある。このときは、P10・P11編成を名乗った。6000番台は代走として播但線で運用されることがある。また、1000番台・2000番台は2011年ごろから適時ラッピング広告編成となって運用されている。網干総合車両所宮原支所には6000番台4両(MA編成)22本の合計88両が配置されている。福知山線全線と東海道本線大阪駅 - 尼崎駅間(JR宝塚線)で運用されている。ラッシュ時以外の快速と篠山口駅 - 福知山駅間では4両編成で運転されている。2008年3月15日から尼崎駅 - 奈良駅間(JR東西線・おおさか東線経由)の直通快速として運用されていたが2011年3月11日をもって運用を終了した。MA21編成は2両に減車の上、広島地区での乗務員訓練と山陽本線横川駅 - 五日市駅間に導入したATS-M形の試験に使用されている。福知山電車区には5500番台2両編成(F編成)16本の合計32両が配置されており、北近畿地区で運用されている。2008年7月22日から福知山線篠山口駅 - 福知山駅間で、同年8月11日から山陰本線・舞鶴線でも運用を開始している。従来この区間で運用されていた113系を置き換えた(ただし配置両数の関係で113・115系の運転も山陰本線内で残っている)。山陰本線内はおもに園部駅 - 城崎温泉駅間で運用されているが、一部は吹田総合車両所京都支所の221系と併結して京都駅 - 園部駅間でも運用されている。岡山電車区には5000番台2両編成(P編成)7本の計14両が配置されている。一部時間帯を除き、2003年10月1日から同時に投入された共通設計のJR四国の高松運転所に所属する5000系と連結し、快速「マリンライナー」として岡山駅 - 高松駅間で運用されている。製造直後、2003年10月11日から13日まで「マリンライナー京阪神ホリデー号」として5000系とともに京都駅まで乗り入れたことがある。目次へ移動する目次へ移動する鉄道総合技術研究所(鉄道総研)向けに、R291形試験車が223系2000番台の車体をベースに近畿車輛にて2両製造され、2005年に納入された。塗装は窓周りが茶・窓下が青紫の帯となっていて、台車はJR東日本E231系電車同等品を用いている。のちに、開発中の燃料電池システムと組み合わせて、燃料電池試験車のクヤR291-1に改造された。改造後は単独でも運転可能だが、動力車であるクモヤR290-1との2両編成が基本である。ただし車籍がないので本線走行はできない。クヤR291-1は、35MPa高圧水素タンクを床下に搭載するが、燃料電池システムとインバーターは客室の一部を占める形で搭載されており、あくまで鉄道車両用燃料電池システム開発のための試作車である。セルスタックはアメリカ・NUVERA社製18.75kWの固体高分子形燃料電池(PEFC)を8基、電動機は95kWを2基搭載する。実用規模での鉄道車両用燃料電池システムの開発は2007年 - 2008年を予定しており、二次電池も今後搭載される予定である。目次へ移動する
出典:wikipedia
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