エクストレイル("X-TRAIL" )は、日産自動車が2000年から製造・販売するミドルサイズのクロスオーバーSUV型の乗用車である。生産は2011年8月に日産から分社化された日産自動車九州が担当。1997年(平成9年)の第32回東京モーターショーに出品されていた、“トレイルランナー”をルーツとし、そのコンセプトを昇華して市販化した車がエクストレイルである。一部ではラシーンフォルザの後継とも云われているが、車格やコンセプトが全く異なるため、「全くの新車種としての登場」という表現が正しい。初代(T30型)の発売時には「4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆」というコンセプトで発売、また、開発コンセプトはタフギア道具というコンセプトである。(FF仕様もあり)、世界167の国と地域で80万台以上が販売されており、トヨタ・RAV4やホンダ・CR-Vに対抗する世界戦略車である。競合車たちがより高級車指向に向かってモデルチェンジを果たす中、エクストレイルは初代のコンセプトを貫き、他車とは異なるオフロード重視のキャラクターを維持している。2代目(T31型)とプラットフォームを共有しているデュアリスはオンロードユースに重きを置くのに対し、エクストレイルはオフロードユースに重きを置く。しかし基本的には両者共に乗用車と共用のプラットフォームに電磁多板クラッチによるスタンバイ4WDを組み合わせたものであり、同社がかつて販売していたサファリのようなはしご型フレームに直結4WDや副変速機を持つヘビーデューティーなクロスカントリー4WDではない。2代目の途中から欧州ではクリーンディーゼル搭載車のみの展開となっており、販売価格はデュアリス(キャシュカイ)と比べるとかなり高価に設定されている。また北米市場においては初代がカナダとメキシコで販売されていたが、2007年(平成19年)秋にデュアリス(キャシュカイ)の北米版であるローグが発売された関係で、2代目エクストレイルは販売されていない。発売翌年の2001年(平成13年)から2010年(平成22年)まで、10年連続で日本国内におけるクロスオーバーSUV形乗用車販売台数第1位の座を獲得した(翌2011年は同じ日産が発売するコンパクトクロスオーバーSUVであるジュークに首位の座を譲った)。なお、CMでは渡河や谷間をジャンプするシーンが放映されるが前述のようにベビーデューティ仕様ではないため、取扱説明書には注意書きが記されている。日本仕様は2,000ccガソリン車(QR20DEエンジン搭載の自然吸気と、SR20VETエンジン搭載のターボ)だけだが、ヨーロッパではディーゼル車も設定されている。また、アジア、オーストラリア、中近東では2,500ccガソリン車(QR25DEエンジン搭載)が設定されている。なお、裕隆日産汽車で生産された台湾仕様はフロントマスクが異なる。4WDシステムは「オールモード4X4」。プラットフォームは日産・Cプラットフォームを使用し、エンジンは2,000ccのMR20DEと2,500ccのQR25DEが設定され、4WDの20Xにはシリーズ唯一となる6MTの設定がある。同時に、20S・25Sをベースとしたオーテック扱いのアクシスもラインアップされている(ただし、ハイパールーフレールのオプション設定はない)。アクシスには専用色としてシャンパンゴールドも設定される。なお、ターボ車は平成17年排出ガス規制に適合しないためフルモデルチェンジを機に廃止された。2008年9月にはルノーと共同開発した2000ccターボのクリーンディーゼルが追加された。また、アクティブに使うユーザーに向けた考えから、全車標準装備の防水シートなどが用意された。4WD仕様のメカニズムは「オールモード4X4-i」と呼ぶシステムを搭載した。フルタイム四輪駆動と名称が紛らわしいが、システムとしてはセンターデフを持たない一般的なスタンバイ式四輪駆動となっている。メーター類に関しては初代はセンターメーターだったが2代目はごく一般的な運転席前に移動した。また初代で樹脂製だったフェンダーは生産性を向上させるため廃止された。当初は大幅にデザインが変わるという情報があったが、初代モデルのデザインが好評だったためキープコンセプトでのモデルチェンジとなった。もちろん、この車の売りである「ポップアップステアリング」(20X・25XのCVT仕様車のみ)(先代T30後期型ではチルト調整機構とテレスコピック調整機構が装備されていたが、T31型ではテレスコピック調整機構が廃止されチルト調整機構のみとなっている)や「フル防水インテリア」(オプションで通常のシート生地も選択可能)、「ハイパールーフレール」は使い勝手を向上させた上で2代目であるT31でも継承されている。左ハンドル車・右ハンドル車共通で、サイドブレーキレバーが左の位置に装備されている。このため右ハンドル車ではドライバーから遠くなっている。世界で初めてポスト新長期規制に適合したエクストレイル20GTが、2008年9月から日本で販売を開始した。すでに欧州に投入されている「ユーロ4」準拠のものにDPF(粒子状物質減少装置)とリーンNOxトラップ触媒が新たに追加され、日本国内のポスト新長期規制にも前倒しで対応している。ルノーと共同開発したM9R型エンジンは、噴射圧1600バールのピエゾインジェクターを持つコモンレール式直噴ディーゼルエンジンで、173PSの高出力に加え、V6 3.5Lガソリンエンジンなみの36.7kg·mという高トルクを、それぞれわずか3,750rpmと2,000rpm で発揮し、なおかつ低燃費をも実現した、エクストレイルシリーズ最高のハイパフォーマンスエンジンとなった。従来のディーゼル車で問題となっていた騒音も、ガソリンエンジン同等に抑えられており、振動対策としてバランサーシャフトも備える。高度な機構と精緻な制御により高性能と低エミッションを両立しているが、装備に若干の違いがあるもののこれまでの最高価格車である2.5 L のガソリン車に比べ、約48万円高(後期型)となっている。組み合わされるトランスミッションは、当初は欧州仕様同様の6速MTのみであったが2010年7月にマニュアルモード付6速AT搭載車を追加した。6速AT車では、ディーゼル専用高分散型リーンNOxトラップ触媒とオートマチック車専用高精度エンジン制御を採用した。フロントグリルやバンパーなどの外観は欧州向けと同様となっている(なお、後期型ではガソリン車も同等のデザインに統一されている)。同出力のガソリン車よりも二酸化炭素の排出量を抑えると共に3割ほどの燃費向上を実現した。その証として、バックドアには「PURE DRIVE / dCi」エンブレムが装着されている。エンブレムに記されている「PURE DRIVE」とは、日産が既存のエンジンに次世代の低燃費技術を掛け合わせた“エンジン進化型エコカー”の総称で、「20GT」は「PURE DRIVE」の第2弾として展開する(第2弾となっているのは同じく「PURE DRIVE」で展開する4代目マーチが発表と同時に販売を開始したため、発売順では4代目マーチ(7月13日発売)→2代目エクストレイル「20GT」(7月16日発売)となるためである)。なお、2009年4月から施行された「環境対応車普及促進税制」により、この「20GT」は「次世代環境車」として自動車重量税・自動車取得税が全額免税される。3代目はルノーと共同開発したエンジニアリングアーキテクチャ「CMF」を採用(CMFをベースとした車種は3代目エクストレイルが初となる)。併せて、2代目までのタフで高性能なクロスオーバーSUVのイメージはそのままに、2代目の兄弟車であったデュアリスのオンロード向きクロスオーバーSUVとしてのテイストを加味させたクロスオーバーSUVに転換、内外のスタイリングに歴代との共通点は無くなった。フロントデザインはグリルからエンジンフードへつながる「Vモーションシェイプ」とブーメラン型のLEDヘッドランプシグネチャーを採用し、リアのLEDリアコンビランプもブーメラン型となった。2013年11月7日にデュアリスのヨーロッパ向け仕様にあたるキャシュカイがフルモデルチェンジされた際、7人乗り・ロングボディ仕様のキャシュカイ+2が初代限りで廃止となったことで、3代目で新たに設定された3列シート車(7人乗り)がキャシュカイ+2の後継車種として役割を担うこととなっている。北米市場では、2代目ローグとして販売されている。ボディサイズは全長が4.6mを超え、全幅も1.8mを超え、かつて日本国内でも発売されていたテラノの3サイズよりも大きくなった。日本仕様では販売開始当初、クリーンディーゼル車を2代目から継続販売された関係で2.0Lガソリン車のみの設定となるが、C26型セレナと同じ2.0L直噴エンジンMR20DD型に置換された。2015年4月にはMR20DD型をベースにしたハイブリッド車を追加設定した。オーストラリア仕様では、2代目同様に2.5LガソリンエンジンのQR25DE型が設定されるほか、オーストラリア仕様やヨーロッパ仕様では、2代目のM9R型よりもダウンサイジングされた1.6L・R9M型エンジンを搭載したディーゼル車も設定される。また、初代から、防水シートも継続採用となっている。4WD車は「ALL MODE 4×4-i」を継続採用するほか、世界初の機能として、車輪速を検知して車体の上下の動きを予測し、エンジン制御、または、エンジンとブレーキの制御を行うことで起伏のある路面走行時における姿勢変化や振動を抑制する「アクティブライドコントロール」とコーナリングやブレーキング時にエンジンブレーキを付加させることでブレーキペダルの操作負担を軽減する「アクティブエンジンブレーキ」が新たに採用された。車名の由来は、「X」はスノーボード、スケートボードなど、若者に人気のスポーツ競技であるX-treme (=extreme) sportsに由来する。「TRAIL」は、足跡、オフロード、荒れた道などを表している。「X-TRAIL」は、その2つの言葉をかけ合わせた、4×4のイメージとしての造語。車名にかけてエクストリームスポーツのイベントを複数支援している。
出典:wikipedia
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