草津白根山(くさつしらねさん)は、群馬県吾妻郡草津町に位置する、標高2,160mの活火山。本来は白根山が正式名称であるが、他の白根山と区別するため、草津を配して呼ばれる。また、近隣の逢ノ峰と本白根山を含めた三山の総称とすることもあり、この場合は標高2,171mの本白根山が最高峰となる。一つの火山の山体として捉える際は後者の考え方をとる。山頂付近は白い山肌が広がっているのが特徴であるが、1882年の噴火以前は火口付近まで緑が広がっていたという。山頂付近には複数の火口湖が形成され、湯釜、水釜、涸釜と呼ばれている。かつて、山腹にはいくつかの硫黄鉱山が存在し、鉱山跡が現在も残っている。湯釜(ゆがま)は、直径約300m、水深約30m、水温約18℃の火口湖である。pHが1.0前後であり、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われている。これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためと考えられている。湖水は白濁した青緑色をなしており、水に溶け込んでいる鉄イオンや硫黄などの影響で特定の波長の光が吸収されてこのように見えると考えられている。湖底や沿岸には硫黄が沈殿しており、戦前から1960年頃まで鉱山会社によって採取されていた。同時に噴気孔から噴出する硫黄分を含む蒸気からの硫黄採取も行われており、湖岸には硫黄運搬用のトロッコやリフトが敷設され、事務所や作業所が立ち並んでいた。噴火にともなう高温の蒸気やガスによって鉱山労働者に死傷者が出ることもしばしばあったという。火口縁には湯釜を望む展望台が設置されている。なお、後述の噴火警戒レベルの引き上げに伴い、2014年6月3日以降は湯釜の周辺への立ち入りができなくなっており、周辺の道路にも「湯釜は見れません」という案内が出ている。草津白根山では、気象庁が運用を開始した2007年12月1日から噴火警戒レベルが設定されている。群馬県と草津町はレベル1(平常)の段階でも第1次規制として山頂火口の湯釜から半径500メートル以内に立ち入り制限をかけ、当初は夏場の観光シーズンにのみ規制緩和して河口縁の展望台まで続く歩道を開放していた。しかし、2009年4月10日に半径500メートル域内のごく小規模な火山灰の噴出などへの警戒を呼びかける噴火予報が発表され、その後火口内で新たな噴気が確認されたことから、2010年4月8日開催の草津白根山防災会議協議会において、第1次規制の継続と当面の間緩和措置を見送ることが決定された。2014年3月から湯釜周辺で火山性地震が増加し、4月頃からわずかではあるが山体の膨張を示す変動が観測された。その後も様々な火山活動の活発化を示す兆候が現れてきたことを受け、2014年6月3日に気象庁は噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを「レベル2(火口周辺規制)」に引き上げた。これを受け、即日群馬県は国道292号の草津町殺生河原駐車場前から嬬恋村万座三叉路までの8.5キロメートルを通行止めにし、草津町と嬬恋村は第2次規制区域内の登山道を立ち入り禁止とした。その後、同年6月14日に規制が緩和されて、日中の8:00~17:00に限り国道292号の通行は可能になったが、途中山頂の半径1キロ以内を走る2.5キロメートルの区間は駐停車禁止となっており、駐車場や売店も閉鎖されたままである。東京工業大学火山流体研究センターは、主に草津白根山を研究対象として、「マグマ中の揮発性成分の挙動」、「火山体内部の熱水系」、「火山ガス放出量の連続測定法」などを研究している。湯釜の湖水および湖底泥中にはランタノイド系列のセリウム、サマリウム、ジスプロシウム、イッテルビウムなどの元素が比較的高い濃度で含まれ、『偶数の原子番号をもつ元素の存在率は、その前後の奇数の原子番号の元素の存在率よりも大きい』という元素の存在量に関するが成り立っている。近年のおもな火山活動。
出典:wikipedia
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