プラカード事件(プラカードじけん)とは、1946年(昭和21年)5月19日の食糧メーデー(米よこせメーデー、正式には「飯米獲得人民大会」)の際、参加者の一人である日本共産党員の田中精機工業社員・松島松太郎が掲げた「ヒロヒト 詔書 曰ク 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね ギョメイギョジ」(表面)、「働いても 働いても 何故私達は飢えねばならぬか 天皇ヒロヒト答えて呉れ 日本共産党田中精機細胞」(裏面)のプラカードが不敬罪に問われた事件。「食糧メーデー不敬事件」とも。検察は松島を刑法74条違反で訴追したが、松島側は「ポツダム宣言の受諾によって天皇の神性消滅を受けて不敬罪は消滅した」と主張して争われた。松島は不敬罪で起訴されたものの、GHQの意向により、不敬罪ではなく名誉毀損罪とすることとされ、第一審(東京地方裁判所昭和21年11月2日判決)は不敬罪を認めず、天皇個人に対する名誉毀損罪のみが認められた。控訴審(東京高等裁判所昭和22年6月28日判決)はあくまで法を順守し、不敬罪を認定した上で、日本国憲法公布に伴う大赦令により、免訴の判決を下した(新憲法下に於ても天皇が日本の元首であると判示)。上告審(最高裁判所昭和23年5月26日大法廷判決)は、無罪判決を求める被告の上告を棄却した。多数意見(9裁判官)の理由は、大赦により公訴権が消滅しているので、裁判所はこれ以上の実体審理をなしえない。控訴審の実体審理は違法だが、免訴の結論は正しい、というものである。本来、この事件では法的に日本国憲法と不敬罪というテーマが問題となるはずであったが、最高裁は免訴判決を下すことによってこの問題についての判断を避けた。本事件での最高裁判決は免訴判決の法的性質という刑事訴訟法上の重要問題についての先例となっている。ただしこの裁判には、当時連合国軍占領下の日本を統括していたGHQの意向が強く働いていることは無視できない。
出典:wikipedia
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