『007 ゴールデンアイ』(ダブル オー セブン ゴールデンアイ、"007 GoldenEye")は、1995年公開、マーティン・キャンベル監督のアメリカ合衆国・イギリス製作のアクション映画。007シリーズ第17作。ジェームズ・ボンド役としてピアース・ブロスナンが演じた初の作品である。当時、イアン・フレミングの007原作は短編『ナッソーの夜』(原題: "Quantum of Solace"、2008年に『007 慰めの報酬』として映画化) だけが残っていたが、この映画では原作として使用されなかった。また、本作は007小説の後継者とされたガードナーが、前作に続き小説を執筆している。007シリーズとしては初のドルビーデジタル作品でもある。 1990年代に入って冷戦が終結し、またアルバート・R・ブロッコリらシリーズ当初からの製作者が去ったことにより、シリーズ2度目の大きな転換期となった作品である。ボンドが悪の組織と戦う構図は変わらないものの、シリーズの世界観を大きく変更した。やや時代から取り残され、下降線を辿りつつあったシリーズを復活させ、近代化した作品として現在でも評価が高いシリーズ中の傑作の一つである。世界観だけでなく、アクションシーンの方向性やカット割も、過去シリーズと大きく変更された。ボンド役もピアース・ブロスナンへ交代しシリーズの人気は復活、以降3作のいずれもヒットを記録している。ブロスナンは、『リビング・デイライツ』の際にもボンド役をオファーされていたが、『探偵レミントン・スティール』の契約が残っており受けることができず、本作で出演を果たした。しかし、本作でのボンド役の第1候補はリーアム・ニーソンで、アクション映画に惹かれないという理由で断っていたことが後に明らかとなった。ソ連崩壊前、ソ連の化学兵器工場に006ことアレックと共に侵入したボンドだったが、責任者のウルモフ大佐によりアレックが拘束されてしまう。ボンドはやむなく彼を見捨て秘密工場を爆破し、任務を達成した。それから9年後。20世紀も終わりに近く、ソ連は既に崩壊していた。ボンドはモナコでロシアの犯罪組織「ヤヌス」のメンバーであるゼニアをマークしていたが、彼女と将軍になっていたウルモフは、対電磁波装甲を施したNATOの最新鋭戦闘ヘリコプター・タイガーを、デモンストレーションを行っていたフリゲート艦上から奪取・逃走する。その後ゼニアとウルモフは、そのヘリコプターを用いて隠密でロシアのセヴェルナヤにある秘密宇宙基地を訪れる。そこの職員であったボリスは二人と同じヤヌスの一員であり、かねてより二人を手引きしていた。ゼニアとウルモフはソ連時代の秘密兵器「ゴールデンアイ」の起動キーを受け取ると、ボリスを除いてそこの兵士と職員を皆殺しにする。また宇宙基地ごと隠滅するために、宇宙空間に存在する「ゴールデンアイ」を基地に向けて照射した。しかしこのとき女性コンピューター技術士のナターリアは、奇跡的に生き残り脱出することができていた。この様子をイギリスのMI6から衛星中継を通じて見ていたボンドは、「ゴールデンアイ」とヤヌスの関係の手掛かりを求めてサンクトペテルブルクへと赴く。一方、将軍としてロシアの大臣会議に出席し、セヴェルナヤの事故についての虚偽の報告をしたウルモフは、ミシュキン国防大臣からボリス以外の行方不明者がいることを知らされ、ボリスを使って捜索させる。ボンドはサンクトペテルブルクでジャックとヴァレンティンの仲介を受け、ゼニアと接触することに成功し、彼女を通じてヤヌスの幹部と接触するチャンスを掴む。しかし、そこで待っていたのは9年前ウルモフに殺されたはずのアレックであり、彼がヤヌスの首領であることを告げられる。アレックの両親はコサック出身であり、旧ソ連の共産体制で迫害を受けていたためイギリスに加担しようとしたが、第二次世界大戦中にイギリスがソ連に対してコサックを引き渡したためソ連によって両親が処刑され、以来イギリスに恨みを持ちながらMI6で二重スパイとして長年生き抜いてきたことを告白する。アレックはボンドを捕らえ、ナターリアとともに用済みとなったヘリコプター・タイガーの中に閉じ込めて爆破しようとするが、間一髪で2人は脱出することに成功する。しかし直後にロシア軍によって捕らえられ、ミシュキンによる尋問を受けることになる。ここでボンドとナターリアはミシュキンに真実を告げるが、割って入ってきたウルモフによってミシュキンは暗殺され、ナターリアが連れ去られる。ボンドはサンクトペテルブルク市内を戦車に乗ってウルモフを追いかけるうちに、ヤヌスが拠点としている秘密の軍用列車を発見する。列車内でウルモフを倒しナターリアを奪還することに成功したボンドは、ナターリアのハッキングによってヤヌスの隠し拠点がキューバに存在することを突き止める。「ゴールデンアイ」を起動するにはセヴェルナヤと同規模のパラボラアンテナが必要だということから、2人はキューバでセスナ機に乗って上空からその探索を試みるものの、まったく見つけられずにいた。その時突如爆撃を受けたセスナ機はジャングルに墜落。その後ゼニアがボンドに襲い掛かってくるものの、彼女を撃退することに成功する。一方、隠し拠点にいたボリスとアレックは「ゴールデンアイ」を起動させるため、湖の底に隠していたパラボラアンテナと基地を出現させて発射準備に入った。基地内部でボンドはアレックから、ヤヌスがボリスを用いてイギリス・ロンドン銀行に不正アクセスして金を引き出し、その操作記録を「ゴールデンアイ」で隠蔽する計画であったことを告げられる。しかしナターリアが「ゴールデンアイ」の挙動を書き換えることに成功し、大気圏突入させて自爆させるよう仕向けさせた。そしてボンドは仕掛けておいた爆弾を起動させて基地を爆破させ、基地上部にあるパラボラアンテナ上で一対一でアレックと死闘を繰り広げ、爆発し落下するアンテナの下に彼を葬った。米国では『消されたライセンス』の3倍のチケットが売れた。1995年の映画の世界興行成績で第3位の約3億5000万ドル(資料により若干相違がある)で、インフレ率を勘案しない場合、過去最高だった『ムーンレイカー』の約2億1000万ドルを上回った。日本では1996年度の外国映画配給収入で第10位。前作に続き、ベテランR&Bシンガーであるティナ・ターナーが起用され、同タイトル曲を歌った。イギリスの「ミュージック・ウィーク」誌では、最高位10位と健闘したが、アメリカでは、「ビルボード」誌R&Bチャートで最高位89位。また、同サウンドトラック・アルバムは、アルバム・チャートで最高位180位だった。※テレビ朝日版はキングレコードから発売の特別版DVDに収録。
出典:wikipedia
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