木戸 克彦（きど かつひこ、1961年2月1日 - ）は、大阪府堺市出身の元プロ野球選手（捕手）・コーチ・監督、解説者・評論家。堺市立浜寺中学校出身。『週刊ベースボール』の江夏豊の連載によれば、浜寺中学校出身の阿野鉱二・和田徹・木戸の元プロ野球選手3人を「浜寺の3選手」と呼び、野球界では有名な呼び名だと書いている。PL学園高校では西田真二とバッテリーを組み、の甲子園に春夏連続出場。春の選抜は準々決勝で箕島高の石井毅投手に完封を喫する。夏の選手権準決勝では中京高と対戦、9回裏に4点差を追いつき、延長12回の熱戦の末に勝利。決勝でもエース森浩二を擁する高知商に9回裏逆転サヨナラ勝ち、優勝を飾った。奇跡的な勝利から逆転のPLと呼ばれた。卒業後は西田と共に法政大学へ進学し、東京六大学リーグでは在学中3回優勝。和田護（日産自動車）、田中富生らとバッテリーを組む。リーグ通算76試合出場、274打数84安打、打率.307, 5本塁打、33打点を記録。2年生秋から5季連続でベストナインに選ばれ、4年時には主将も務めた。から2年連続で日米大学野球選手権大会日本代表に選出されている。巧みなリードや強肩が評価され、1982年のドラフト1位で阪神タイガースに入団。大学の先輩である田淵幸一が西武へ移籍して以来空番になっていた背番号「22」が与えられた。入団当時は笠間雄二・山川猛と併用され、二軍とブルペン生活が続いた。に吉田義男監督が就任すると正捕手に抜擢され、21年ぶりのリーグ優勝と球団初の日本一に貢献。ダイヤモンドグラブ賞も受賞した。翌は嶋田宗彦と激しいレギュラー争いを演じるが、この競争に勝ち抜きまで定位置を守る。後年は視力低下により眼鏡をかけて出場するようになり、ホームベース上でのクロスプレーの際、眼鏡のレンズが割れて顔面に刺さり怪我をしたこともあったが、眼に影響はなかった。しかし、慢性的な右肩の故障や山田勝彦・関川浩一らの台頭もあって徐々に出場機会が減り、現役晩年は相性の良さを買われていた湯舟敏郎が登板する試合のみでスタメンマスクという起用が多かった。限りで現役を引退。現役時代は中西清起・平田勝男・木戸の3人で「NHKトリオ」と呼ばれていた。からまで阪神二軍バッテリーコーチ、は一軍バッテリーコーチを務めた。野村克也監督からは、通常は投手コーチの役割である、ピンチの場面や投手交代時にマウンドに駆けつける役も任せられた。2001年オフに野村の推挙で秋季キャンプのみヘッドコーチに就任したが、野村が監督を辞任したことにより、一軍バッテリーコーチに再転換された。より二軍監督に就任し、ウエスタン・リーグで優勝。にもウエスタン優勝を果たし、島野育夫一軍総合コーチの二軍監督就任に伴い退団。より朝日放送解説者と『日刊スポーツ』評論家に就任。同年度下半期、毎週土曜日に自らの冠番組『虎バン主義。木戸克彦 だからやっぱりタイガース』（後に『虎バン主義。木戸克彦 虎街道まっしぐら』と改題）を担当。シーズンに現場復帰し、一軍作戦兼バッテリーコーチに就任したが、朝日放送・日刊スポーツとの契約が3月まで残っていたため、コーチ業の傍ら番組にも出演し、春季キャンプ状況を報告していた。キャンプでは狩野恵輔が紅白戦でミスを犯し、さらにはバッターと会話したことに激怒して怒鳴りつけるなど、選手に対し厳しい指導を行った。ただし、狩野に対しては怒る一方でフォローもしていた。からはヘッドコーチに昇格したが、限りで辞任。その後は球団フロントの編成本部付（次長待遇）となった後、9月5日付で次長待遇のままゼネラルマネージャー補佐となり、中村勝広ゼネラルマネージャーの急逝に伴う編成変更で10月1日付で球団本部付次長となる。読売ジャイアンツ時代の清原和博が唯一といっていいほど逆らえなかった人物。阪神戦で清原が危険球などで投手に向かっていっても、木戸が出てくれば収まることが何度かあった。またPL時代、西田があまりにも不感心な言動をとったのに耐えかね、西田に鉄拳を見舞ったとの逸話が伝えられている。しかし西田とは一期下の小早川毅彦を交え、法大卒業まで私生活でも親交は深かったという。阪神球団社長だった中埜肇が犠牲になった日本航空123便墜落事故が発生した1985年8月12日、この事故機が直前に充当されていた福岡発羽田行の日本航空366便に遠征のため搭乗していたという逸話を持つ。チームは前日の11日に平和台球場で対中日ドラゴンズ戦、13日から後楽園球場で対読売ジャイアンツ戦が組まれていたため、事故発生当日は福岡から東京への移動日だった。また木戸の妻は123便に搭乗予定だったが、直前にキャンセルしたために難を逃れた。妻との間には一女があり、娘の出生を公表時、命名はどうするのかと質問したマスコミに、姓が「木戸」なので「ルナ（＝気取るな）にしようかと考えている」と駄洒落を交えたジョークを飛ばした。

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