『ブラジルから来た少年』(ブラジルからきたしょうねん、"The Boys from Brazil")は、アメリカの作家アイラ・レヴィンが1976年に発表した小説。映画化、ラジオドラマ化されている(下参照)。小説は日本語版が早川書房のハヤカワ文庫から出版されている。ブラジルでヒトラーのクローンを再生させようとする科学者ヨーゼフ・メンゲレと、それを阻止しようとするナチ・ハンターのユダヤ人・リーベルマンとの葛藤を描く。同じくメンゲレについて取り上げたスレイヤーの「エンジェル・オブ・デス」にフレーズが引用された。映画化は、英国貴族で映画製作者のルー・グレード卿により製作された。監督はフランクリン・J・シャフナーである。1978年10月5日に公開された。日本では劇場未公開となり、翌1979年にテレビ放映された。本作品に対しては公開後、有識者より過度の遺伝子決定論的内容に対し批判が向けられた。そのためか、劇場公開時およびテレビ放送時は存在したラストシーンが、後に発売されたビデオソフトでは削除されている(DVDには存在する)。ビデオソフトでは、ヒトラーの遺伝子をもつ子供たちを抹殺すべきと主張するユダヤ人青年に対し、主人公リーベルマンは、子供に罪は無いと言って子供のリストを焼却してしまうところで終わるが、オリジナル版では、そのあと子供の一人が、自ら撮影したメンゲレの死体の写真を現像し、見て悦んでいる場面が存在する。パラグアイでナチスハンターの若者が旧ナチス党員の不可解な動きを察知する。追跡で実績のあるリーバーマンに情報提供するが相手にされない。ついにアウシュヴィッツの主任医師だったメンゲレ博士が招集した会議を盗聴するのに成功するが、気づかれてリーバーマンへの電話の途中に殺される。メンゲレの計画は約65歳の公務員などを94人暗殺するというもので、事故に見せかけ、家族に危害を加えてはならないというものだった。リーバーマンは通信社の友人に60代の不審死があったら、教えてくれと頼む。西ドイツのグラドベック。郵便局長が最初の犠牲者になる。リーバーマンが調査に訪れると、黒髪で色白で青い瞳の少年がいて、利口だけと怠け者だといわれ、夫とは年齢のかけ離れた母親は息子を溺愛していた。ロンドンでもスウェーデンでも似たような事故が起きる。マサチューセッツの事件を調べにいくと、グラドベックの男の子と双子以上に声までそっくりの子を見つける。不安から奥さんが養子だったことを打ち明けてしまう。昔捕まえたナチスの女から養子斡旋会社の話を聞く。北欧系の家族を優先し、夫が1910年から14年の生まれで、妻が1933年から37年生まれの夫婦という条件だった。子どもたちはヴァリグ航空で、つまりブラジルから送られてきていた。最後に犬を飼っていたペンシルベニア州ランカスター・ニュープロビデンスのウィーラーから70日でもらったという犬の誕生日を聞く。12月11日生まれだから2月20日で後4日。メンゲレは上部から作戦中止の命令を受けるが、続けると主張。リーバーマンは生物学研究所の学者に話を聞く。メンゲレが「博士号を持ったサディスト」だというと「それが科学者の定義だそうですよ」といなされる。更に、クローンだとモーツァルトやピカソが大勢生まれるが、環境も同じでなければいけないといわれる。リーバーマンは「こわい父親を持った陰気な子、税官吏だった父が52の時に生まれ、彼を甘やかして育てた母親は29 歳。父親が65歳で死んだ時、彼は14歳になるところ」だった男のクローンだと悟る。ニュープロビデンス。ドーベルマンがいっぱいの家にメンゲレが先に着き、リーバーマンに成り代わって中に入り、殺してしまう。メンゲレがやって来て優位に立って話す。血液と皮膚の一片を採取しておいたのだ。「偉大すぎる父の子は不幸だから」といってヒトラーは子を作らなかったが、メンゲレの計画に興奮したのだという。ドーベルマンが入ってきてかみ殺されそうになった時に息子が帰ってくる。血だらけの二人を見てまず趣味の写真を撮る。嘘をついたと殺されそうになったメンゲレが君はヒトラーだと教えるが、父親の死体を見つけ、ドーベルマンに殺させる。入院したリーバーマンはナチスハンターたちに少年の名簿を渡すように要求されるが、名簿に火をつけた。罪もない少年を殺すなど、ナチスと同じだ、と。その頃、少年は暗室で写真を現像し、「いい出来だ」と言いながらメンゲレの死を見つめる。目は冷たく光り、口には残酷な笑みが浮かぶ。第51回アカデミー賞で作曲賞の候補となっている。テーマ曲はウィンナ・ワルツ風であり、これは主人公がウイーンに在住している場面から始まるためである。この注文を監督から受けた作曲家は、あまり賛成ではなかったが、注文どおりに作曲した。また、メンゲレらナチの残党が潜む南米の場面ではギターを使用してラテン情緒を醸し出し、ナチ残党の陰謀を表現する際はオーケストラがワーグナー風の和音を響かせる。ほか本作より前にオリヴィエは、『マラソンマン』において逆に元ナチ隊員を演じている。1984年3月3日『ゴールデン洋画劇場』版この作品はNHK-FM『青春アドベンチャー』でラジオドラマ化され、1996年5月20日から5月31日にかけて全10回放送された。ほか
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