『俺たちのフィールド』(おれたちのフィールド)は、村枝賢一のサッカー漫画である。『週刊少年サンデー』(小学館)で1992年3・4合併号から1998年45号まで連載された。通称「俺フィー」。単行本は小学館から全34巻+外伝1巻、ワイド版全17巻+外伝1巻、文庫版全19巻、コンビニコミック版全14巻。サッカー選手だった父親に憧れる主人公が少年サッカー、高校サッカー、アルゼンチン留学、プロサッカー、日本代表と活躍の場を広げて成長していく作品。作品中盤からのプロサッカー選手としての活躍を描いた内容は、1993年のJリーグ開幕やドーハの悲劇、ワールドカップ・フランス大会出場などの、現実の日本サッカー界の流れとリンクした作品内容となっている。作品の企画はJリーグ開幕の2年前にあたる1991年から始まったが、当時は長期連載を想定してはいなかった。また、その当時は高校サッカーの人気の方が高かったこともあり、少年サッカーから始め高校サッカーで物語を帰結させる展開を構想していたが、プロリーグ発足に向けた国内の盛り上がりを感じたこともあり、JリーグやFIFAワールドカップも作品に取り入れることを視野に入れたという。当時の村枝はサッカーの知識がなかったが「野球なら細かいフォームが決まっていて描写する際に知識の有無では敵わないと思ったが、サッカーなら正しいフォームを知らなくても躍動感を描けるのではないか」と直感したという。また、サッカーを題材としている以上、いたずらに人情話ばかりを持ち出して問題を処理・解決させることは避け、個々の登場人物の抱えている背景を描かないまま試合に入り、徐々にそれぞれの個性を開示させて試合内容で盛り上げ、それを終了することで読者に感動を与えることを理想とし、目指していたともいう。作者の村枝賢一は後のインタビューで、この作品を1997年のフランスワールドカップのアジア予選突破の時点で連載を終了させ、主人公・高杉和也の率いる日本とライバルのダミアン・ロペスの率いるアルゼンチンがワールドカップ決勝で対戦する場面をラストシーンとして構想していたと語っている。しかし現実の日本代表がワールドカップ初出場を果たした直後の国内の盛り上がりと、本戦の組み合わせ抽選の結果、グループリーグ初戦において因縁の国として描かれてきたアルゼンチンと対戦することが決定したため「これは描くしかないだろう」とアルゼンチン戦までを描くことに決まったという。サッカー好きの少年・高杉和也は、日本リーグのスター選手である父・貫一と、いつか国立競技場で一緒にプレーすることを夢見ながら、幼馴染の森口愛子や転校生の騎場拓馬と共に、少年クラブでサッカーに打ち込んでいた。だが貫一が交通事故によって、帰らぬ人となると和也は父を失った失意からサッカーを止めてしまう。しかし高校2年になったある日、和也の前に一人の男が現れた事で再びサッカーを対峙する事となる。日本リーグ時代から続く名門クラブ。本拠地は東京。日本リーグ時代は高杉貫一がエースとして活躍。Jリーグ創設に際し、Jリーグ準会員加盟は行ったものの、親会社のヤマキ自工はJFLで十分だという程度の熱意しかなくJFLからのスタートを余儀なくされる。ヤマキ自工の意志は現場に反映され、スタジアムや補強というハード・ソフト両面での整備が出遅れる事となる。主人公・高杉和也が留学から帰国すると、和也の知っているヤマキの姿は無く、やる気の無い集団と化していた。以下の選手の他に、騎馬や磯野もプレー。Jリーグ昇格に尽力した。昇格時にクラブ名をバンディッツ東京に変更。「山賊」の意で、ユニフォームとフラッグのデザインは連載時、読者より応募されたものから採用された。ディフェンスに関しては日本代表監督・鹿野からも「Jリーグで1、2を誇る」と述べられている。ヤマキ自工の名前は週刊少年サンデーの編集者だった八巻和弘、及びヤマハ発動機サッカー部(現:ジュビロ磐田)をヒントとしているのではないかと言われている(村枝はジュビロ磐田と中山雅史のファンで、ジュビロ磐田のJ昇格時に少年サンデー誌上に中山を題材にした読み切り漫画を描いたことがある)。1997年フランスW杯予選を何としても通過しなければならない(伊武はその先まで睨んでいたが)、と伊武が代表監督・鹿野周一に提唱しJリーグのクラブから若手を引き抜き結成した代表予備軍(要するに「B代表」)。結成当初は正代表より若く未熟だったという事だが海外で武者修行と試合を重ねた結果、日本のA代表を破るほど高い実力を備えることになる。ちなみにW杯予選の旧代表とリザーブ・ドッグスの衝突によるテンションの高いチームを形成するという手法は現実の1993年アメリカW杯予選のエピソードをオマージュしたもの(衝突し合っていた選手同士が張り合って実力を出し切っていたらしい。)。最終的にはほぼ全員が代表の主力メンバーとなった。フランス大会1次予選のために集められたメンバー。その中で海外でリザーブ・ドッグスとして武者修行に出ていた和也も「逃げ場のないおっかないゲームをしたい」と緑川かおると共に一足早く帰国、日本代表として1次予選に参加することになった。オマーン戦から和也と共に試合を重ねるメンバーである。それぞれ実在の人物がモデル。他にバンディッツ東京から桜場が選抜されている。高校選手権終了後、和也は時任あきらのスカウトで拓郎と共にアルゼンチンにサッカー留学を決意。なお、和也の留学先をアルゼンチンにしたのは候補はブラジルとアルゼンチンの2国あったそうだが、前者は既に他のサッカー漫画でも十分に取り上げられているということでアルゼンチンに決まったらしい。ライバルの出現など急展開を迎えるがこれが後にこの作品のクライマックスを大きく盛り上げる要因になる。代表ジャックを目論んだリザーブ・ドッグスと旧代表の最終予選の出場権を賭けた試合はリザーブ・ドッグス側の勝利に終わるがガーナとの壮行試合では監督・鹿納は旧代表をスタメンで起用したことで旧代表、リザーブ・ドッグスにはさらなる確執が生まれることになるが、両サイドと試合をこなしてきた和也が繋ぎ合わせて、テンションを高く、そして負傷者が出ても欠員補充も容易、さらに他国の情報分析を許さないチームを形成して最終予選に挑むことが監督の狙いであった。各試合様々なキャラクターの視点から描かれていることが印象的なエピソードである。日本代表は予選3戦1勝2分という成績で負傷者も次々に増えてきており、監督・鹿納までもが胃潰瘍を患ってしまい後がない中でワールドカップ出場をこの試合で予選勝ち抜きで決定したい監督の打ち立てた作戦とは伊武をトップに上げて3トップにすることであった。和也はよりボランチとしての負担が増加してしまい、かつて対峙したアブドゥル、2人のウインガーとのマッチアップを余儀なくされる。ウズベキスタン戦を勝利に終わったが伊武のイエロー累積、他選手の負傷、そして和也も自分の立場から来るプレッシャーからの食欲不振と苦しめられている中で韓国代表戦を行うことになる。韓国側はウズベキスタン戦でリザーブ・ドッグス、旧代表を繋ぎ合わせていた和也をマンマークで封じ込める作戦に出始める。日本代表側は和也以外ウズベキスタン戦とは全く違うメンバーで試合に臨むことになる。愛子もサウジ戦からレポーターとして予選に参加するため、イラン戦から和也の母親晶子と現地に駆け付け予選も佳境に入っていく。空港からそんな中イラン代表のサポーターと会場へのタクシーに乗り合わせることになる。そこで不安になる愛子はサポーターの老人から「選手の信じる力になるために駆けつけた」という話を聞き、いよいよ会場入りするがまさに日本代表側は絶望的な状況、老人の言葉を信じて勝利を叫び続ける愛子の姿が土壇場で和也を発奮させ、かつて貫一に命を助けられた末次が晶子の前で宣言した約束を果たし、最悪の状況を退けることに成功する。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。