偵察(ていさつ 英:reconnaissance)は、敵をはじめとして様々な事柄についての情報を、目視観測などの手段を通じて能動的にかつひそかに(威力偵察の場合は除く)収集する活動である。受動的である監視の対義語。敵の有無や位置を探る「捜索」、地形地勢についての情報を収集する「地形探査」、敵が存在する可能性が高い状態で敵の位置を探る「索敵」などと使い分ける場合もある。軍事用語として用いられるが、そこから派生して一般においても「相手の情報の収集」の意味で用いられる。作戦行動には、基本的に作戦地域についての情報と敵部隊についての情報の二種類が必要となり、特に後者の情報は流動的であるために逐次更新することが必要となる。偵察は、これら情報を収集することを目的とした活動である。主に小隊、中隊に置かれている偵察部隊がこの任務につく。偵察には、隠密偵察と威力偵察(強行偵察)がある。隠密偵察とは敵に察知されることなく行う偵察行動であり、威力偵察とは部隊を展開して小規模な攻撃を行うことによって敵情を知る偵察行動である。第二次大戦後、特に冷戦下では情報収集の重要性が増すとともに火力を用いることの政治的なコストが増大したため、「敵に察知されることは前提であるが(積極的な)攻撃は行わない」という隠密偵察と威力偵察の中間的な活動も多くなった(特に航空偵察において)。通常、ただ偵察という場合は隠密偵察のことを指すため、偵察と威力偵察が区別して使われることはあっても、隠密偵察と偵察が区別されることはあまり無い。偵察部隊に限らず、現代の軍隊では、ほぼ全ての兵士に効率的な監視および報告の技能を習得させられる。この偵察において広く用いられている方法をサルート(SALUTE:敬礼の意)と言う。これは、規模(size)、行動(activity)、位置(location)、部隊(unit)、時間(time)、装備(equipment)の頭文字からとったものであり、偵察において重要な要素をまとめたものである。以上が徹底している報告は次のように為される。偵察を行うのは、主として航空機、歩兵騎兵部隊および歩兵騎兵砲兵工兵その他の部隊から出される斥候であるが、高級指揮官および各団隊の指揮官は、必要に応じて自ら偵察に従事する。航空機による偵察は、偵察機と繋留気球による。偵察機は、その快速力および自由な行動半径によって戦場を広く偵察し得るほかに、被偵察物の直上に到達し、精細な偵察を行い得る。繋留気球は、一地(特に自軍陣地)に繋留されるもので、その観察可能な範囲が狭小であることは避けられない。天候、特に風雨の障害に対する感受性は航空機よりも大きいため、天候によってその行動は制限されざるを得ない。敵から見て大きな目標となり得るという不利があるが、その昇空には飛行機の滑走路のような広大な地域を要せず、眼鏡による連続的監視に適し、また、地上部隊との連絡は容易である。騎兵は、悪天候および夜間においても行動の自由を有し、随時随所で偵察を続行し、地上から直接に細部の事項を確認し得、歩兵と比較すると馬足を利用し遠く進出し、迅速な行動によって広範囲の偵察が可能である。歩兵は、時と所を選ばず、敵下にあってさえ偵察、捜索を続行し得、隠密行動で敵に近接し、敵内部に潜入しその動静その他を直接窺うことが可能であるために、主として近接もしくは触接した場合の偵察に適する。砲兵、工兵は、特殊な技術的専門的偵察を行うために、主として将校斥候(簡単な偵察は下士斥候)が派遣される。巡洋艦その他から成る戦隊を遠く敵方に派遣して敵情を探知する。艦隊中戦艦で編成される戦隊が主隊となり、他戦隊は補助部隊としてこれに協力する。野球において、敵軍の先発メンバーを見てから、自軍のオーダーを決めたい場合、「登板予定の無い投手」を野手として一度出場させ、敵軍の先発メンバーを確認でき次第、一度も攻撃・守備をさせることなく、その「野手として出場した『登板予定の無い投手』」をベンチに下げる。この「野手として出場した『登板予定の無い投手』」を「偵察オーダー」あるいは「偵察要員」などと呼ぶ。ラリーでは、競技本番前にタイムトライアル区間(スペシャルステージ)を試走することを「レッキ(recce)」と言う。レッキとは偵察(reconnaissance)を略したもの。レッキではコース情報を収集し、ペースノートの作成・確認を行う。サーキットレースでは、決勝スタート前にピットを離れたマシンがコースを1周し、ダミーグリッドに着くまでの走行をレコノサンスラップ(偵察周回)と言う。このラップ中にコースコンディションやマシンセッティングの最終確認を行う。ダミーグリッドに着かずにピットレーンを素通りすれば、ピットレーン出口が閉鎖される時刻までは何周走行しても構わない。
出典:wikipedia
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