ピトフーイ () は、かつて近縁と考えられた、ニューギニア固有の有毒鳥類6種（ただし1種は無毒）の総称である。かつては6種全てがモズヒタキ科 属に分類されていた。さらに以前にはこの属はモリモズ を加えた7種が含まれ、モリモズ属と呼ばれていた。しかしモリモズはモズツグミ属 に（あるいはモズヒタキ属 に）移されたため、モリモズ属と呼ぶのは不適切である。この6種からなる 属は多系統であり、4属に分割された。これらはカラス上科内の3科に分散している。 属の模式種はカワリモリモズなので、 の属名はこの種を含む属が受け継いだ。この属は最も毒性が強い2種からなり、コウライウグイス科に移された。モズヒタキ科に残された 属はモズツグミ属 に近縁であり、モズツグミ属に含める説もある。同じくモズヒタキ科に残されたクロモリモズはそれらとは系統的に離れており別属である。カンムリモリモズはモズヒタキ科の他の2属と共に新科のカンムリモズビタキ科に分離された。ピトフーイは鮮やかな色をした雑食性の鳥である。いくつかの種、特にカワリモリモズとズグロモリモズの筋肉や羽毛には強力な神経毒ステロイド系アルカロイドのホモバトラコトキシンが含まれている。これはピトフーイから発見される以前はヤドクガエル科フキヤガエル属 の皮膚からのみ見つかっていた。毒は外部寄生者や蛇、猛禽類、人間からの防衛に役立っていると考えられている。ピトフーイは自分自身ではバトラコトキシンを生成しない。おそらく、ピトフーイが捕食する 属の甲虫由来であると思われる。ズグロモリモズは鮮やかな色をしており、腹部はれんが色で頭部は黒い。カワリモリモズは多くの異なった姿のものがあり、羽毛のパターンの違いで20の亜種に分けられている。そのうち2つはズグロモリモズに良く似ている。これらの鳥の鮮やかな色は警告色だと言われている。ズグロモリモズとカワリモリモズの一部は似た姿をしているが、これは擬態である。ムナフモリモズはピトフーイ6種の中で唯一、無毒である。また逆に、やはりニューギニア固有のズアオチメドリ はピトフーイに類似したバトラコトキシンを持つ。

出典:wikipedia