フェーベ(Saturn IX Phoebe)は、土星の第9衛星。土星の主要な衛星の中では最も外側にあり、土星の自転と逆方向に公転する逆行衛星(北欧族)である。1899年3月17日、ウィリアム・ヘンリー・ピッカリングによる写真分析によって発見され、ギリシア神話におけるティーターンの1人ポイベーにちなんでフェーベと名づけられた。写真の分析によって衛星が発見された初めての例である。1981年に探査機ボイジャー2号によって初めて詳細な姿が捉えられた。2004年に土星周回軌道に投入された探査機カッシーニはフェーベに接近して観測を行っている。表面の反射率が非常に低く、太陽光線の6%しか反射しない暗い衛星である。9時間で1回自転し、土星の周囲を18ヶ月で1回公転する。軌道が土星から離れているため、他の主要な衛星と異なり自転と公転の同期は起きていない。平均直径は220kmで、北欧群の衛星の中では最も大きい。おおよそジャガイモのような歪な形をしており、表面には直径1km未満から50kmほどのものまで多くのクレーターがある。フェーベはその軌道および組成(氷とドライアイスを含む)から、土星の重力に捕獲されたエッジワース=カイパー・ベルト天体が由来だと考えられている。カッシーニの地形データの観測から、フェーベは太陽系が誕生してから300万年の間に、元々は多孔質の状態で誕生した可能性が指摘された。多孔質であったフェーベ内部の温度が上昇し、内部が陥没して縮み、平均的な土星の衛星の密度より40%も高くなった可能性がある。この熱源は放射性同位体によるものと考えられており、太陽系誕生の早い段階で生成された天体では、半減期の短い同位体を内部に持っていた可能性がある。フェーベのクレーターのうち24個にはギリシア神話のアルゴー船の乗組員にちなんだ名前がつけられており、最も大きなクレーターにはイアソン(Jason)、内壁に白い筋状模様(氷ではないかと思われる)を持つ特徴的なクレーターにはエルギヌス (Erginus) と名づけられている。また、フェーベにある平地はポイベの娘レートーにちなみ"レト地域"(Leto Regio) と命名されている。 詳細はList of geological features on Saturn's smaller moonsを参照。フェーベの地域の名は、ポイベの娘にちなみ命名されている。フェーベのクレーターの名は、アルゴナウタイにちなみ命名されている。
出典:wikipedia
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