標数(ひょうすう、)は、環あるいは体の特徴を表す非負整数のひとつ。整域の標数は 0 または素数に限られる。"R" を単位元を持つ環(単位的環)、1 をその乗法単位元とする。また、正整数 "n" に対しと定めるとき、 "n" 1 = 0 (0 は "R" の零元)なる整数 "n" > 0 が存在するならば、その最小値を環 "R" の標数という。他方、このような "n" が存在しないとき、環 "R" の標数は 0 と定める。標数が 0 でないことを表すのに正標数という用語を用いることもある。環 "R" の標数をしばしば ch("R"), char("R") のように記す。"R" を任意の単位的環とする。単位的環 "R" の(単位的環としての)部分環は必ず単位元 1 を含む。したがって、1 の生成する環は全ての部分環に含まれ、"R" の最小の部分環となる。ここで、写像を 0 および負の整数 "m" = −"n" ("n" > 0) に対してはと定めることによって定義する。このとき、φ は環の準同型を定め、像 φ(Z) = { "n" 1 | "n" ∈ Z } は単位元 1 の生成する単位的環に一致する。一方、準同型 φ の核 Ker(φ) = { "n" ∈ Z | "n" 1 = 0 } は Z のイデアルを成すが、Z はユークリッド整域ゆえ、Ker(φ) は単項イデアル "m"Z(ただし "m" ≧ 0)で、"m" は "R" の標数 char("R") に一致する。以上より、環の準同型定理により "R" において 1 の生成する単位的環は "m" = char("R") を法とする剰余環 Z / "m" Z に同型である。さらに単位的環 "R" が整域であるとき、φ(Z) は整域を成す。これを整域 "R" の素整域と呼ぶ。像が整域であることから、この準同型 φ の核は Z の素イデアルで、したがって {0} または素数 "p" の生成する単項イデアル ("p") = "p" Z の形に書ける。ゆえに、いずれの整域についてもその標数は 0 か素数に限られる。素体(そたい、)は自分自身以外に部分体を持たない体のことである。体は整域であるから、上で見たことから "F" が正標数 "p" の体ならば "F" は必ず Z / "p" Z に同型なる素整域を含む。一方、Z / "p" Z は体であるので、正標数の体の素整域はそれ自身が素体となる。"F" の標数が 0 の場合には、有理整数環 Z が "F" に含まれるが、"F" が体であることから有理数体 Q(に同型な体)が "F" に含まれる。よって Q は標数 0 の素体である。ゆえに、素体は Q および Z / "p" Z ("p" は素数)によって(同型の違いを除いて)すべて尽くされているということができる。また、ここから標数 0 の体は必ず Q を含むので無限体であり、有限体は必ず正標数を持つことも確認できる。ある環 "R" とその任意の部分環 "S" に対して、"S" の標数は "R" の標数に等しい。一方、剰余環の標数は元の環の標数に等しいとは限らない。例えば、"p"-進整数環 Z は Z を部分環として含み、標数 0 であるが、その唯一の極大イデアル "p" Z による剰余環は Z / "p" Z に同型で標数は "p" である。環 "R" とそのイデアル "I" (とくに、DVRとその極大イデアル)に対し、 "R" と "R/I" の標数が等しい状況を等標数、異なる状況を混標数とよぶことがある。
出典:wikipedia
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