例外処理(れいがいしょり)とは、プログラムがある処理を実行している途中で、なんらかの異常が発生した場合に、現在の処理を中断(中止)して、別の処理を行うこと。その際に発生した異常のことを例外と呼ぶ。何を持って「異常」とするかは様々であるが、次のようなものが挙げられる。あるコード内を実行中の失敗が、メモリリーク、格納データの不整合、不正な出力などの有害な効果を生じないとき、そのコード片は例外安全であると言う。例外安全なコードは例外が発生したとしてもそのコードが備える不変条件を満たさなければならない。例外安全性にはいくつかのレベルがある:幾つかのプログラミング言語では組み込みの例外処理機能を用意している。例えばAda、C++、Java、Scala、C#、JavaScript、OCamlがそうである。これらの言語では専用の言語機能によってプログラマが例外処理を記述する手間を軽減している。例外が発生したことを見落として正常時の動作を継続してしまうと、より深刻・致命的な異常を招くおそれがある。それを避けるには例外が発生したことのチェックを綿密に行い、例外が検出された場合には適切な事後処理を行う他ない。しかし、大規模なプログラムではこのようなチェックは膨大なものとなり、本来目的としている正常時の処理よりも多くの記述を必要とする場合すらある。そこで、これらの言語では例外の発生チェックをほぼ自動化している。例外が発生すると現在の処理を中断する。発生した例外の事後処理を担当できるハンドラを探して次々にコールスタック(関数呼び出し)を遡り、適切なハンドラを見つけるとそれに事後処理を任せる。これにより、遡る途中にあったこの例外を処理する能力を持たない処理は自動的に中断されることになる。Schemeでは言語レベルでの例外処理を持たないが、これは継続が存在するため例外をライブラリレベルで実現できるからである(標準仕様であるSRFI-34で定義されている)。以下はC#(.NET Framework)の例外処理構文であるcodice_2/codice_3文の例である。Javaでは例外はクラスとして実装する。例外を「投げる(throw)」メソッドはcodice_4のように指定する。Javaプラットフォーム上でJava言語を使用し、発生する例外がcodice_5を継承しているが、しかしjava.lang.RuntimeExcptionを継承していない場合、try/catch文で例外処理を明示的に記述するか、メソッドにthrowsを追加する必要がある。ただし、Javaプラットフォーム上で動く言語でも、GroovyやScalaなど、Java言語以外の多くは、RuntimeException以外の例外に対して必ずしも明示的に記述しなくても良くなっている。初期のJava(JDK1.0)では、I/O処理など他の手段では例外の発生を回避することができない種類の例外に対してはRuntimeExceptionを継承させないという設計思想になっていた。例外処理の過程では処理の流れが通常の制御とは大きく変化することとなるが、これを(エラー処理以外の目的で)積極的に利用することは、アンチパターンとされることもある。一方、RubyやPythonでは、イテレータが終端に達するという、無限ループでなければ必ず発生する事象により例外が起きることもあるほか、Rubyでは例外処理と関係なく大域脱出を行う制御構造も用意されている。例外処理(例外オブジェクト)をサポートしないCなどの言語では、従来から関数(サブルーチン)の戻り値によってその関数(処理)の成否を判定する方法がとられてきた。慣例的に、関数の戻り値を32ビット整数値などで宣言して、関数が成功した場合は0を返し、失敗した場合はエラーコードとして何らかの負数を返すことが多い。そして、各エラーコードによって失敗の原因を定義しておき、呼び出し側で原因を判定する。このような戻り値による処理の成否判定には下記のような問題点がある。言語レベルでの例外処理はこれらの欠点を解消し、エラーを確実に、かつ統一的に処理する目的で導入されたものと言える。
出典:wikipedia
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