日本の大学野球(にほんのだいがくやきゅう)とは、日本における大学相当の教育機関に所属する野球部が主体となって行われる野球競技の一般総称である。対象となる組織は、大学以外に高専(高等専門学校。但し、高専チームの部員登録対象は後半期学年に当たる第4学年・第5学年のみ)と短期大学、ならびに大学相当の教育を行う省庁大学校の野球部である。また、6年制を採っている学部生(主に医歯薬関連学部)の場合は、生涯通年として最大4年間までの制限の下でその登録・在籍の対象になっている。元来、野球競技は、現在で言うところの硬式野球の事であり、準硬式野球、軟式野球は日本で生まれた独特の派生競技である。従って、日本国内における大学野球も、硬式野球を前提に発展してきた。野球自体は、古くはアメリカから導入されたスポーツであるが、日本における創成期の頃は、高等教育機関である、大学・専門学校・高等学校などの学生が積極的に行ったため、当初はエリート学校の学生が行う遊戯として始まり、他の学校や一般庶民に普及していった。人気の面でも第二次大戦後までは職業野球より高かった。その野球競技が普及する過程で、その中から少年野球を中心にして広まった軟式野球が成年にも広まり、しだいに大学生の間にも広まっていき、やがてはその中からより硬式に近い感覚でできるものとして(使用球の開発とともに)準硬式野球が生まれた。このように日本国内においては、野球競技が硬式野球・準硬式野球・軟式野球に細分化されて発達。また、競技の過熱化の影響から政府による野球統制令なども生まれた。しかし数年を経た後に、野球分野の指導者たちが政府の干渉を嫌って独自の連盟組織を立ち上げ強化する努力を行い、法案廃止にまで至るなどの歴史的経緯の結果、それぞれの野球連盟は他のスポーツ競技連盟の多くが加盟する日本体育協会などの統制組織には入らず独自の運営を行ってきた。これは、大学野球だけにとどまらず、ほかの各種の野球競技においても似たような情況を経てきており、こういった状況が現在の日本国内における野球競技の組織運営形態の複雑さに色濃く残ったものとなっている。従って大学野球においても硬式野球・準硬式野球・軟式野球は基本的には一つに統一されていないそれぞれ別管轄として運営されている。短期大学チームも大学の一部として対象になるが、実際には各連盟毎に異なった加盟条件の細部規定があり、短期大学チームは認めていない連盟、単独チームは可能だが、短期大学部の学生を通常の4年制大学チームとして登録する事は禁止している連盟など様々である。高専単独チームも、チーム登録部員を4~5年生に制限する(後述を参照)事で短期大学単独チームと同列に参加を認めている連盟もある。また、元来は男性が主体で行う競技とされてきた経緯があるが、近年になって女子野球(硬式・軟式)も新たに加わる形となって過渡期を迎えており、女子の競技者やチームをどういった形で受け入れていくかも、硬式・準硬式・軟式の分野でそれぞれ独自の方針に従って行われている。(一般社会人もまた別の規定などがある。)以上の経緯から、同じ種別(硬式・準硬式・軟式)の野球部なら、どの野球連盟(後述を参照)傘下に加盟するかは、その野球チームの任意となる。学校単位の学生チームも地域の社会人野球連盟に登録することも可能であるが、協約により学生と社会人双方への重複加盟は禁止されている。但しその協約は、あくまで日本学生野球協会と日本野球連盟との間のもので、軟式野球・準硬式野球・女子野球や医科学生総合体育連盟のような他競技連盟に参加しているチームには適用されない。硬式野球チームにおいても、医科歯科系チーム(医科大学・医学部単独、歯科大学・歯学部単独)は、学制が新制に移行する以前から通常の大学・学部と履修年度数が違う事によるチーム事情の違いから、全日本大学野球連盟には所属せずに別活動を行っているチームの方が多い。なお、医科歯科系単独チームの野球部の活動については、東日本医科学生総合体育大会、西日本医科学生総合体育大会、全日本歯科学生総合体育大会なども参照の事。以下に加盟の選択肢例を説明する。硬式野球・準硬式野球・軟式野球(女子野球も含む)ともに、リーグ戦は基本的に春秋の年間2シーズン制で行われているが、年間の最大タイトルとしてナンバーワンを争う全国大会(全国からの代表が集まる選手権大会)は概ね晩春~夏にかけて行われる。そのため、その大会の代表には春季リーグ戦の優勝校が当てられる。他の多くの大学スポーツ競技のリーグ戦の本番(年間最大タイトル)が秋季~冬季に開催されているのに比べて異質といえる。秋季リーグ戦の優勝校による大会は、全国規模ではない場合(東西地域に限定)や、全国規模であっても選手権大会に比較してより小さい形で行われている。そういう背景から、かつては秋季のリーグ戦後の大会が存在しなかった時期や、リーグ戦の運営そのものが、春季には選手権大会に向けて総当り戦として実施しているにも拘らず、秋季にはトーナメント大会として実施していたり、同じ総当たり戦でも、春季は勝ち点制で行い、秋季は1回戦総当りや2回戦固定の勝率制にして会期を短くする工夫を行うリーグなどもあった。このように、大学野球界では、一部の伝統リーグや主要リーグを除いて、長年、全国ナンバーワンのタイトルに繋がらない秋季大会(リーグ戦)は春季に比較すれば軽視してきた土壌がある。秋季リーグ戦後に行われる大会の歴史が春季リーグ戦による代表を集めて行われる選手権大会に比べて浅いのは、こういった歴史的な背景によるもの。(後述の年間タイトルの節も参照の事)以下に、主な大会を要覧する。※上記に参加していない軟式野球同好会・サークルも多数あり、草野球大会などに参加している。高専野球大会(全国高等専門学校総合体育大会・野球競技の部)は、1~5年生(高校1~3年+大学1~2年相当)対象の大会で大学野球の範疇から外れる為、当項目の対象外。但し、4~5年生のみで編成したチームは、近隣の大学野球連盟が認めている場合に限り参加可能になっている。大学野球を含むアマチュア野球界は、長年、社会人野球・大学野球・高校野球・少年野球・学童野球・女子野球・その他の学生野球(専門学校、高専)の団体が複雑に絡み合って発展し、且つ、それぞれが独立して運営されてきた。大学生がやる野球という意味での大学野球を説明する場合はさらに複雑(硬式の連盟は日本学生野球協会傘下だが、準硬式や軟式の連盟は全日本軟式野球連盟の傘下だし、女子野球はさらに異なる。)に分かれている。従って、大学野球の各団体や関連団体の関係を説明する場合、アマチュア野球界としての関連の中で説明した方が全体の構図としてわかり易く、他との重複部分も多いので、アマチュア野球の項での当該説明を参照の事。※野球部の創部に関して歴史的な資料価値の観点から創生時期ということで大正期以前のみを記載対象。その他のチームについては他の当該資料を参照の事。(他の野球との関連も参考程度に記入。)※細部の前後関係に関しては前述の沿革も参照のこと。全日本大学野球連盟の傘下に所属している大学野球リーグの創設年は、現存リーグへの継承という観点で捉えても、どこにルーツを求めるかで見解が多少異なる。雑誌メディアや全日本大学野球連盟発行物に記載の各リーグ創設時期は、リーグによっては過去の再編経緯での混乱や遺恨がらみについて関連他リーグへの考慮のため、付き合わせた場合に差しさわりがない時期として実態のあらましとは異なるものを公表している部分がある。またリーグによっては、名称変更などがあった場合、リーグの前史や母体の歴史を一切切り捨てて現状のリーグ名称になった年を創設年として申告している場合がある。現存の大学野球リーグの中での最古の歴史を持つのは、早慶の両校間の対抗戦(1903年開始)から始まった歴史を持つ東京六大学野球リーグ(東京六大学としては1925年、母体となった三大学リーグとなったのは1914年)であるが、2番目なのはどこか?という命題については観点・条件が変わると変わってしまう。旧制大学リーグとしては、東京六大学、(旧)関西六大学、東都ということになるが、旧制大学以外も参加していた学生野球リーグという観点に広げると、現在の近畿学生リーグの母体リーグの方が、現存リーグとしては2番目の古さになる。(尚、近畿学生リーグは、旧制大学三リーグのみによる全国大学野球連盟に4番目の連盟として加盟を打診する予定であったが、学制改革とその影響による直後の全国大学野球連盟と新制大学野球連盟との合併の流れの中で結局は実現に至らなかった。)尚、関西圏の大学野球リーグについては、旧制時代から合従連衡が激しかったため複雑な経緯が絡む。大きな流れとしては、近畿学生リーグと(旧)関西六大学リーグに関係してくるが、(旧)関西六大学野球リーグとしてのリーグ戦開始時期は1931年秋だが、母体となる三大学対抗戦としては1929年となる。また、近畿学生野球リーグは、1948年の大阪三大学野球リーグを近畿六大学野球リーグに改編した年をもって公表上のリーグ創設としているが、大阪三大学野球リーグは、東京六大学、東都、(旧)関西六大学と同様に当時の戦時命令による解散(それぞれ戦後に復活したため、現在では正史上は一時中断・再開という扱いになっている)する前の関西学生野球連盟(1928年改称)、さらにはその母体の官立三校野球連盟(1923年創立)から続いてリーグである。他の三リーグと異なり戦後再開で名称が変わったのは、再開に際しその時点での賛同校が減った事情にリーグの実態を合わせた処置によるもので、継続性の観点で言えば他の三リーグと同様に、加盟校の変遷・名称変更・戦時の解散を経ており、条件においてもさほど大差はない。唯一異なるのが、戦後再開の時点での参加校が減ってしまった(但し再開の際に参加できなかったチームも殆どはその後は再加盟に至っている)点がある。例えば東都の場合は、1936年当時の五大学野球連盟に6校目の新規参加があった時点で名称を現在につながる東都に変更しているが、創設年の公表上でも記録上でも単なる通過点として捉えて継続しているものとして、あくまで五大学リーグ創設(1931年)をもってリーグ創設としている。一方、近畿学生リーグではあくまで表向きは1948年を境に近畿六大学リーグ結成をもって別なものとして扱っている。実態は東都の場合と同じく加盟校の追加と名称変更である。同様に東京六大学リーグも、六大学結成前の三大学リーグ~五大学リーグ時代に関しては、近畿学生リーグと同じ様な扱いとしてあくまで前史(別なもの)としての扱いに留めている。また、戦後に順次独立して後に単独の代表権を得た地方のリーグでも、元の地区連盟内で分かれたリーグ戦を開始した年をリーグ創設とするところもあれば、リーグ戦・代表決定戦の経緯があってもあくまで全日本大学野球選手権大会での単独代表権を得た年を創設年としている場合もある。この様に、加盟校増や組織変更、それに伴う名称変更を「一旦終了、新結成」と捉えるか「単なる再編、継続」と捉えるかはあくまで関係者の解釈上の問題(発行物で前史に触れるかどうかもその連盟まかせ)であり、実態とは必ずしも一致しない場合もあるので、関連機関の公式発行物のものでも創設年や創設経緯を参照する場合は注意が必要(公式発行物で前史について触れられていないからといって、必ずしもその経緯や事実がなかったということではない)である。既述のとおり、硬式・準硬式・軟式・女子野球などのカテゴリに分かれてそれぞれ発展・活動している大学野球界だが、マスコミの報道においては、硬式野球に関するものが圧倒的に量・質ともに多い。これは、通常「大学野球」と言えば(新聞や雑誌、テレビの報道なども含む)「硬式大学野球」の事を指すのが暗黙の了解になっていることからも伺える現象である。専門誌関連としても、過去から現在に渡って「硬式大学野球」に関するものが殆どで、準硬式や軟式、女子野球は、大きな話題があった場合に野球関連誌などでトピックス的に触れられるのがせいぜいとなっている。所轄組織(全日本大学野球連盟または日本学生野球協会)による公式呼称ではなく、あくまでマスコミ報道(新聞の関連報道や関連雑誌記事中など)やファンの間で用いられるもの。全国規模の大会としては春秋の2大会(全日本大学野球選手権大会、明治神宮野球大会)であるが、大学野球(硬式)の分野ではよく「四冠」というものが用いられる。この場合、春秋の全国2大大会の他に春秋の各リーグ戦の優勝タイトルが含まれている。現在のシステム上では、一見して全国大会に出場するためにはリーグ優勝することが条件であるように見えるため矛盾あるいは重複による冗長表現であるように思えるが、現在でも秋季の全国大会(明治神宮野球大会)における代表枠の地区によってはリーグ優勝チーム以外にもその代表決定戦に出場できるルートが設定されており、また春季の全国大会(全日本大学野球選手権大会)でもかつては同様の代表枠の地区が存在したため、大学野球においては「全国大会優勝とリーグ優勝は別なもの」という認識が暗黙のものとして存在する。従って春秋のリーグ戦優勝タイトルと春秋の全国大会の優勝タイトルを合わせての「四冠」という呼称を用いている。なお、春季全国大会の優勝校が出場して社会人野球代表チームとの間で争われていた全日本アマチュア野球王座決定戦が開催されていた時期は、そのタイトルも含めて「五冠」と称していた。上記のうち多くの出版物の中で、高校野球で甲子園出場経験のある(全国高等学校野球選手権大会または選抜高等学校野球大会にベンチ入り登録されたことのある)選手に、出身校とともに甲子園の甲の字を○囲みした記号を用いて記載している。これは関係者やファンの間で「マルコウ」と呼ばれ、甲子園出場経験のある選手を示す言葉として使用されている。全日本大学野球連盟の傘下にある東京六大学野球連盟・東都大学野球連盟・関西六大学野球連盟・関西学生野球連盟・首都大学野球連盟の5リーグを総称する表現として存在する。これらの大学野球リーグは、創設にまつわる経緯、実績の歴史的な積み重ね、加盟チームとしての認知度やその歴史などを総合的に捉えた場合、古くから活躍あるいは強化している加盟チームが多い傾向にあるリーグであることから、大学野球の新聞報道や雑誌での扱いとして、「主要リーグ」・「主要五リーグ」・「主要五大学リーグ」などの様に長い間呼ばれてきた。ただし、全日本大学野球連盟からの出版物内でそういう定義や扱いがあるわけではなく、過去、積極的にそれらの概念を印刷物の中で名称として用いてきた専門雑誌も近年はその直接的な使用は控える傾向にある。但し、一般新聞の全国紙のスポーツ欄において共通的にその対戦結果が報じられるのは、これらの主要リーグとされる5連盟の結果のみ(コメント記事スペースなどについては配布対象の地域による差異はある。)の扱いになっている。なお、東京六大学・東都の両連盟に関しては、創設年の古さや、全国大会の実績からその一角を占めるのは一見しても衆目であるが、他の3連盟に関しては若干の補足が必要な部分があるので以下に既述する。NHKでは総合テレビ、ラジオ第1放送夜間のスポーツニュースで結果を伝えていたが、テレビではその後時間の尺の関係などから大学野球の結果の放送は主要リーグの優勝決定試合や注目の試合だけに絞っての放送となった。(ラジオでは引き続き主要5大リーグの結果を放送している)
出典:wikipedia
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