ヴェルサティス（"Vel Satis" ）は、フランスの自動車製造会社、ルノーが2001年から2009年にかけて生産した高級乗用車である。2001年にルノーの最高級車種であるルノー・サフランの後継型として発売された。アッパーミドルクラスのEセグメントの車として、欧州ではメルセデス・ベンツ・Eクラス等のセグメントに属する。フランス車ではこれより上のセグメントの車がないため、大統領などVIPの公用車として期待されていたが、シトロエン・C6に対して劣勢の様相である。ボディはこのセグメントでは珍しい5ドアハッチバックであるが、ルノーはR16の時代から歴代このセグメントにも5ドアハッチバックを採用していた。全長4,860mm×全幅1,860mm×全高1,577mm、ホイールベース2840mm。エンジンは全車横置きで、前輪駆動(FF)である。内外装はごく常識的なサフランとは対照的に、フランス製豪華車の最新解釈と思わせる程前衛的なデザインであり、それがこのモデルの最大の特徴である。また、ヨーロッパで最も権威のある衝突安全性テストであるユーロNCAPの5つ星を獲得するなど、高い安全性を持つ。2005年4月にフェイスリフトモデル発表。フロント周りのクロームパーツの使用が抑えられるなどの意匠変更が施された。2009年8月27日生産終了。総生産台数は62,201台であった。傘下のルノーサムスン自動車とともに新型の方向性を探っていたが2009年後継車種の開発を断念したことが発表され、一時はEセグメントからの撤退が明らかにされた。しかし2010年6月に3代目ルノーサムスン・SM5をベースとした「ラティテュード」が発表され、これが実質的な後継モデルになっている。ルノーの事実上の傘下である日産自動車の車種と販売上競合することもあり、ルノー・ジャポンによる正規輸入は見送られた。日本国内には数台が並行輸入と、ディーゼルエンジン供給元のいすゞ自動車のサンプルの形で入ってきているのみである。エンジンは日産のVQ型の3.5L V6ガソリン（245PS/6,000rpm、33.6kgm/3,600rpm）、いすゞ製の3L V6ディーゼル（180PS/4,400rpm、36.4kgm/1,800rpm）、ルノー製2L L4ガソリン（165PS/5,000rpm、26.0kgm /2,000rpm）と、2.2L ディーゼル（150PS/4,000rpm、33.3kgm/1,750rpm）の4種類。

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