可変バルブ機構(かへんバルブきこう)は、4サイクルレシプロエンジンにおいて、通常は固定されている吸排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)やリフト量を可変とする機構。バルブを全て閉じて、特定の気筒の動きを休止させるものも含まれる。4サイクルレシプロエンジンにおいて効率の良い吸排気を行うには、ピストンの移動速度(エンジンの回転速度)と吸排気の流速に合わせて、バルブの開閉動作を制御する必要がある。従来は、上記のように回転数や負荷によって最適なバルブタイミングおよびリフト量が変化するのに対して、それらをある一定の負荷領域で最適となるように固定し、それ以外の領域での効率を犠牲とせざるを得なかった。それを、バルブタイミングおよびリフト量を可変とすることによって、負荷領域に応じて常にバルブ動作が最適となるように変化させて行くのが可変バルブタイミング機構である。実際の機構には、カムの回転角に位相を与えるもの、形状の異なるカムを複数用意して切り替えるもの、これら2つを組み合わせたものなどが存在する。エンジン特性を変える別の方法としては、吸排気の気体流速を変える可変インテークマニホールドなどがあり、これに可変バルブ機構を使って吸気バルブ・排気バルブのそれぞれの片側を閉じ(吸気、排気バルブが2個ずつの4バルブエンジンの場合)、気体流速を変化させる。吸排気バルブを全て閉じ、稼動するシリンダーの数を変化させる気筒休止エンジンにも可変バルブ機構が用いられている。フィアット、アルファロメオは「マルチエア(Multiair)」「ツインエア(Twinair)」、部品供給元のシェフラーグループは「ユニエアー(UniAir)」と呼ぶ可変バルブ機構である。
これは、カムから油圧を使って吸気バルブを開くようにした可変バルブタイミング機構である。カムで駆動する油圧ポンプと、バルブを押す油圧アクチュエーターの間に電磁式のリリーフバルブを設けることでバルブを開く圧力を調整し、バルブ作動を制御する。バルブを開く油圧が供給されていないときは、バルブはバルブスプリングによって閉じる構造になっている。マルチエア・ツインエアはSOHC形式をとっているためカムシャフトは油圧を発生しつつ直接もしくはローラーフォロワーを介して排気バルブを駆動する形となる。ただしUniAirの機構自体はDOHCでも利用可能である。最初の可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing、略称VVT)の実験はGMによって行われた。排気ガスを減少させるために吸気バルブによってスロットル制御を行うことが目的で、これは低負荷時にバルブリフトを減少させて吸気速度を高く保ち、それによる混合気の細分化を狙っていた。しかし低バルブリフトにおける制御には課題も多く、最終的にGMはプロジェクトを放棄した。最初の実用的なバルブリフトを変化させる可変バルブタイミング機構はフィアットによって開発された。"Giovanni Torazza"により1970年代に開発されたシステムは、カムフォロワーの支点を油圧で変えるものだった。油圧はエンジンの回転数と吸気圧によって変えられた。
出典:wikipedia
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